映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
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『あるいは裏切りという名の犬』これぞフレンチ・ノワール!
2007年02月11日 (日) | 編集 |
或は裏切り164.jpg

この映画は、色で言うと、時々散らばる

ひたすら続く黒い闇の中で、蠢く陰謀と策略。その中で、どろりと流れる血。
そして夫婦の濃密な深い愛情、復讐に燃える心の赤い炎、ずっと暖かく燃え続けていた父娘の愛情。

あまり多くを語らない”行間を読め”タイプの男っぽい映画なので、これだけは先に頭に入れておいた方がいいかも。主人公レオ(ダニエル・オートゥイュ)の仲間と、レオの妻ミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)について...だ。

最初のシーンなどは、私はボォ~と観ていて、よく分からなくて、パンフを見て『あぁ、そうだったんだ』と初めて気付いたから。

或はBRI166.jpg映画の始めに...バイクの2人乗りが”オルフェーヴル河岸36番地”の街頭標識を盗む。

それと同時期に、バーの老マダムがギャングの激しい暴行に合う。

私は、このギャング達は同じグループだと思っていたが、違っていた。

前者は、なんと警官(そのうち1人はティティ)で、退職間近の警部エディ(ダニエル・デュバル)に標識をプレゼントする(そこの所轄だったのだろう)
部下のティティ(フランシス・ルノー)は、この退職間近のエディ警部を敬愛していて、自分の詩を朗読して彼に捧げるほどだ。

後者は、最後まで関り合う事になるギャングの兄弟。

警察とギャング...この2つのグループが見分けがつかないのは、同じような服(黒い革ジャン)を着て、同じような行動(警察もギャングも紙一重。やる事は、汚く荒っぽい)を取っているから。

そして、カミーユは、かってレオとドニ(ジェラール・ドパルデュー)に愛されていて、彼女はレオを選んだ。

その時から2人の間には亀裂が入り、今は次期長官候補のライバル同士。
お互いが率いるBRI(探索出動班)とBRB(強盗鎮圧班)の部署まで、対立していた...。

主人公レオと宿敵ドニ、エディ警部と部下のティティ、カミーユの運命の歯車は、ギ、ギ、ギィと動き出す...。

これらの事を頭に入れて、後は息もつかさない緊迫感と最後まであっと驚く結末に、身を委ねて欲しい。

或は女165.jpg


私は、戦争映画も犯罪(ノワール)映画も、好きではない。
この映画も暗くて硬質で、始まってからずっと暴力と重い打撃音が続き、私には苦手と思いつつ、観ていると、だんだん惹き込まれていく...。

この映画は、はっきり言って、あまり綺麗な人は出て来ない。シワだらけで肌も体も綺麗じゃない人ばかり出て来る。なのになのに、驚いた事に、その存在も言葉もセクシー。
レオを慕う元娼婦のバーの老マダム。
レオに信頼を寄せるBRIの仲間達。
お互いを思いやり愛し合う希有な夫婦、レオとカミーユ。
大人の男と女の色気が、映画から香ってくる。
また、決まりすぎるぐらいの台詞の数々、久々に映画の中で聞いた。

この物語の決着に、残酷であっても、私は納得した。私は、時々、残酷さを愛する...。

レオの娘は美しく成長して、17歳になっていた(ダニエル・オートゥイユの実の娘!目と眉が近いところと鼻がパパに似ている~)
唯一、輝くばかりの若さのローラ。彼女の存在は、この映画の救いでもある。

この映画は『ディパーテッド』のずっと前に観ていた。
『ディパーテッド』に凄みを感じられなかったのは、『インファナル・アフェア』を観ただけでなく、この映画を観たせいでもある。
結末は『ディパーテッド』の”そして誰もいなくなった”の方が、徹底して救いが無い。
出て来る人達の浅ましい荒廃ぶり...考えたら『ディパーテッド』の誰もが、私は好感が持てなかった。ビリー(ディカプリオ)や女医さんまで、あまり好きではなかった。

ところが、この映画の圧倒的悪役のはずのドニさえも、もちろん嫌いではあるが、何て言おうか...気になるキャラクターをしているのだ。
おろおろと、自分の不始末がどうなるのか?としか、考えてない。
自分が汚い手を使ってレオを陥れたくせに、彼の妻カミーユに『困ったことがあったら、相談にのるから』と言い寄る。別れた女が、なびくとでも思っているのか...。
葬式にも、自分は悪くないと思っているから、しゃあしゃあとした態度で居る。
思慮の足りない大きな子供のようだ。しかも、自分でどうしていいか分からないような悲しげな目をした大きな子供だ...。

荒っぽくて、残酷で、美意識が感じられる贅肉の無いストーリー...犯罪サスペンス映画として逸品だと思います。




ちなみに、銀座テアトルシネマで、9:00のモーニングショーのみ、3/2までやっています。
次の時間帯は『世界最速のインディアン』です。すごく、おススメ。



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コメント
この記事へのコメント
ふれんちのわーる
おふらんすの暗黒街と言うとどうしても「アランドロン」と「ジャンギャバン」しか出ない私は最近の「悪党映画」は観ていないのです、、、
「ルジタン」とか「仁義」とか「サムライ」とかまでです、、、

オマケに「カミーユ」で「Zガンダム」に思考がシフトする私は、、、、、

予告を見る限りは良さそうなのですが、なんだか躊躇しています、、、


2007/02/14(水) 02:31:31 | URL | ざんぶろんぞ #8RgP1mkg[ 編集]
>ざんぶろんぞサン
そうですね、何だかとっつきにくい映画なんですよ。
美男美女が出て来ない渋~い映画でした。
ハリウッド映画とは、違う新鮮さがありました。
どうやら、ジョージ・クルーニーとロバート・デニーロで、リメイクされるようです。
『デッパーテッド』みたいに、分かり易いハリウッド式記号に置き換えられるんでしょうか。
2007/02/14(水) 12:52:01 | URL | 管理人 #-[ 編集]
TBありがとうございます。
とても素敵なイラストですね。って、素敵というか、解りやすいですよ、はい。ヴァレリア・ゴリノが実物よりキレイ過ぎますっ!(笑)

レオ、渋いですね~。ドニ、ちょっと泥臭いですね。だけど人間の泥臭さを巧く表現してましたね。

色んな人間模様とダークな社会が描かれていて、とても心に残る映画でした。

またどうぞよろしくお願いします。


2007/06/11(月) 21:56:22 | URL | kaoritaly #-[ 編集]
>kaoritalyさん
こちらこそ、ありがとうございます!
自分が、最初、混乱したので、解りやすく説明のイラストになってしまいました(笑)とっつきにくいけど、皆さんにおすすめの映画なんで。
ヴァレリア・ゴリノは、裸にして綺麗に描いてみました(笑)
この映画、暗く深く、良かったですね!!
また、これからも、よろしくお願いします。
2007/06/11(月) 23:25:25 | URL | 管理人 #-[ 編集]
こんにちは♪
こんにちは♪ TB、コメントありがとうございました☆

渋~い作品でしたね。
おじさん2人とも、いぶし銀といった感じでした。
私的には若い子好みではありますが、この作品が評価されるのも納得です(^^)
ハリウッド映画にはない、何とも言えない雰囲気が漂ってましたね。
2008/04/03(木) 16:04:22 | URL | non #FXbBe/Mw[ 編集]
>nonさん
渋いおじさん達でしたね!ハリウッド映画とは、ひと味違いましたね。

もちろん『おばけのキャスパー』もいいですよね。いえ、ギャスパー君でしたね(笑)うん、うん、彼はいいですよー!!
2008/04/03(木) 17:02:32 | URL | 管理人 #-[ 編集]
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(札幌ユナイテッドシネマにて) なんて大人の、なんて渋い、なんて寡黙な、なんてなんて、なんて色気に満ちた映画でしょう。 陰影に富んだ薫り高い逸品でした。 ノワールはこうでなくちゃ。余白がすべてと言ってもいい。黙ったときにこそ豊かな映像と俳優・・・。 前記事
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2007/06/11(月) 03:02:56 | Subterranean サブタレイニアン
フランスを代表する俳優たちの競演、あるいは裏切りという名の犬を初日のテアトル梅田で観てきました。はっきり言って、ろくに予告も見ず俳優と簡単な映画紹介文を読んだだけで行こうと決めましたが、男のドラマが繰り広げられる、予想以上に骨太な犯罪映画で観に行ってよ..
2007/06/11(月) 21:57:31 | kaoritalyたる所以
「あるいは裏切りという名の犬」「アモーレス・ペロス」「トンマッコルへようこそ」
2007/06/21(木) 15:16:59 | Akira's VOICE
コーザ・ノストラ のような、ニル・バイ・マウス のような雰囲気を感じつつ Harvey Keitel とか出てきそうだなと思いつつ観ましたが (。。。出ないけど)だいぶ難解でした スッキリするような、しないような。。。 角川エンタテインメント あるいは
2007/06/24(日) 11:27:37 | Screen saver☆
3回目の上映で満席というすごい人気ぶりでした。でもその人気ぶりがわかるくらい素晴らしい作品でしたよ。
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【36 QUAIDESORFEVRES:2006/12/16】製作国:フランス監督:オリヴィエ・マルシャル出演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、アンドレ・デュソリエ、ヴァレリア・ゴリノ、ロシュディ・ゼムパリ警視庁の2人の警視、BRI(探索出動班)所属の正義感あふれ
2007/07/03(火) 13:52:18 | 映画鑑賞★日記・・・
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2007/08/04(土) 23:31:41 | サーカスな日々
 『かつて親友だった 同じ女を愛した 今はただ敵と呼ぶのか…』 コチラの「あるいは裏切りという名の犬」は、12/16公開になった"──実話に基づく、激しくも切ない宿命の物語──"なのですが、観てきちゃいましたぁ~♪ ロバート・デ・ニーロとジョージ・ク
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藍色の乾いた夜空に響く悲嘆の叫び。この幕開けシーンに背中がヒヤッとする。「かつて親友だった。 同じ女を愛した。今はただ敵と呼ぶのか。」の予告で既に十分誘われている後だから尚、効果100倍。しかも邦題の訴求力たるや稀に見る功績ではないだろうか。 いきなり...
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2008/04/03(木) 10:27:22 | Sweet*Days**
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