映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
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レスラー/The Wrestler
2009年06月14日 (日) | 編集 |
輝く場所も生きる場所も死ぬ場所も、ここしかない。
レスラ945.jpg
ロープの上で、万感の思いで笑ってみせてくれたランディ。この泣き笑いの表情に、ミッキー・ロークの人生もすべて詰まっている。


ミッキー・ローク!!
『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』はジョン・ローンのほうが好きだった。
(しかし、ジョン・ローンはその後急速にオネエ化して、どっかに消えてしまった)

『ナインハーフ』は『マディソン群の橋』みたいに最初は本がヒットしてて。時々、アメリカ翻訳本のブームが起こるのよ。友人が貸してくれた。NYのキャリアウーマン(←その頃こう言った)が出逢った或る危険な香りのする男との "9週間半"のめくるめく出来事。彼と別れた後、彼女が "私のサーモスタットは壊れたままだった" という空虚感を描いてるのが印象的だった。
映画の『ナインハーフ』は、スタイリッシュなHで感動もない薄さだった。
耳目を集めたのは、イチゴジャムや氷を使ったトコだけ。
映画の『ナインハーフ』が何もひっからない薄さになったのは、濡れ場は上手いけどヘラっとしたミッキー・ロークの存在感のせいだった...と私は思っている。
つまるところ、私はニヤけたミッキー・ロークが好きでなかった...。

なんと!ミッキー・ロークも自分のニヤケた甘い顔が嫌いだったらしく、男っぽい顔に崩すため何度も "逆整形"。その後、アル中やら荒れた生活だったようで...。豹柄の深いスリットのあるパンツで、やわい猫パンチを見た時「この人、何をしたいんだろう」と思ったものだ......。

そんなミッキー・ロークが、自伝的とも言える...落ちぶれた老いたレスラーを演じている。かっては人気絶頂だったレスラー、ランディ "ザ・ラム" ロビンソン(ミッキー・ローク)本名はロビン・ラムジンスキー。生活のためスーパーで働く時は"ロビン"の名札。ステロイド剤でぱんぱんの筋肉を作る。そのおかげで、心臓発作を起す。同じく崖っぷちで頑張っているとうの立ったストリッパー、キャシディ(マリサ・トメイ)との淡い恋?!も娘との仲も、上手くいかない。今までのツケがまわって、体も暮らしもズタボロ。

レスラ942.jpg予告編は最初からブルース・スプリングスティーンの曲が入り、上手く出来ている。
予告編だけで泣けた。

昔のミッキーロークを見てきた人とプロレスファンの人は、心を掴まれる映画だろう。
でも、どちらも知らない若い人には、退屈かも知れない。
これは "思い入れ"があるかないかで人によっては評価が違ってくる映画だ、と思う。


私は『レスラー』の予告を見て以来、テンションもハードルも勝手に上げてたので...正直、その期待度ほどでは無かった。思ってたのと、少し違った。引退を決意した老いたレスラーというものも、辛いのね...。老いていく悲しみとその現実というか...。その部分をざらついた画面と描写でじっくり見せてくれるものだから、同じく黄昏れていく私としても身に詰まされるではないか。

冒頭のプロレス部分は、プロレスを知らない私にとって興味深かった!
スポーツとショービジネスの両方を兼ね備えるプロレスは、事前に打ち合わせをするのね、しかも紳士的に!(笑)プロレスのパフォーマンスが終わった後、楽屋では、ああもフレンドリーにお互いの健闘を称え合うなんて!体を張った者同士のリスペクトが感じられる。

心臓手術のあとの中盤は...あぁぁ...長い......。
ドキュメンタリー風に、ランディの荒涼とした日常を延々と描き出す...。
観るほうも、ちと辛い......。
プロレスをしてない時のランディは、孤独で惨めだ。
なんというか、惨めすぎて目が離せない。
そして、昔、色男で鳴らしただけあって、崩れていてもどこかカッコいいではないか。
今までの人生も滲ませて、このミッキー・ロークは人間臭くて、ある種、魅力的。
老いた筋肉隆々とした体というのも日常生活では何だか無様だし、武骨な手で困ったように顔を撫でる仕草も悲哀を感じさせ、味わいがある。

老いたレスラーが引退する決心をしてからの日常生活は、彼が言う「オレにとっては"痛い"のは外の現実だ」であり、本当にもの悲しい...。

ラストの試合の入場曲は、ガンズ・アンド・ローゼズの『Sweet O' Child』がバーンと流れる!がーーん!YouTubeを見ると、この頃のアクセル・ローズは、顔立ちも綺麗で凄くセクシー!!
この歌もラブソングだけど...... "彼女の微笑みを見ると、子供の頃を思い出す。彼女の眼を見ると、あの頃の青い空のよう。ずっと見つめていると、オレは泣き崩れてしまうだろう。微かな苦しみを見出してしまうから...”という幼児虐待も含まれた内容で、ピュアなんだけど痛くて哀しく感じる。ギターも泣いてるみたいで。歌詞の詳細はここ。
アクセル・ローズ(1962、2/6生まれ)は子供の頃、実父と養父に性的虐待を受け、その後、情緒不安定で強い人間不信のためか、周囲とのトラブルのエピソードに尽きない。17年ぶりのアルバム『Chinese Democracy』も彼以外オリジナルメンバーはいない...。アクセル・ローズもまた、非常に生き難い人生を送っている男である。なんか、ミッキー・ロークとかぶるよね...。

そして。エンディングのブルース・スプリングスティーンの曲。
最初の『明日なき暴走』が好きで、2~3枚 LPを持っている(LPは押し入れという名のアマゾンの秘境に眠っているw)もうずーーと、この人聴いてなかった。YouTubeで『レスラー』を聴いたけど、久しぶりに見た彼はいい感じに年取って品良くなっていた。ブルース・スプリングスティーンが歌う『レスラー』の歌詞は、ストーリーにシンクロしている。ここで席を立つ人、信じられない......。

中盤のリアルな辛さに、なんだかんだ言ったけれども......
さすがに、2つの曲とロープに立ったランディの表情!のトコで...泣けてしまった。

このミッキー・ローク、観て良かったよ!

他の俳優がやったら、私にとって凡庸な映画として、すぐ忘れ去るところだった。

ミッキー・ローク無しでは成り立たなかった作品。ラストもあれでいい。

Top 絵で描いたぐだぐだに揺れる目のラインは、実はあれ、ランディじゃなく管理人の目なのです...。


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