映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
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『おくりびと』をやっと観た。
2009年03月01日 (日) | 編集 |
うぉ~!混んでる~!めちゃ観客の平均年齢高い~!杖をついて腰の曲がったお婆さんまでいる!劇場内で観客同士の会話は『観て、用意しようと思って』(えっ、何を用意する?)『お迎えの準備しなくちゃ』(お、お迎え?)とか明るく話しているのが、聞こえる...えらいディープじゃないか(汗)

おくり919.jpg

やっぱり、思ったより良かったので『7つの贈り物』は(つまんなかったので...)割愛して、この作品と滝田洋二郎監督について書きたくなりました。

滝田監督?知らないなぁ~と思っていたら『バッテリー』の監督だと分かり、ビックリ!早く言ってよ~。『バッテリー』のパンフを見ていたら...『木村家の人びと』(笑った。小銭貯めるのも大事だよね)...『秘密』(東野圭吾)...『壬生義士伝』(浅田次郎)...あ、それから『僕らはみんな生きている』は、スピリッツ連載だった山本直樹のマンガ。私、好きだった。『コミック雑誌なんかいらない』『下落合焼とりムービー』『病院へ行こう』とにかく書き切れないほど。多作なんですねぇ。だから、私も案外観てる、全然知らんかった...。
『阿修羅城の瞳』は劇団・新感線の舞台ファンの友達が観て!というので観た。市川染五郎さんは、舞台からの主演のせいもあり、こんなに素敵だったの!というケレン味のある男ぶり。映画は前半はまあまあ、後半ちょっとチープな特撮でがくっ。『陰陽師』は清明役の野村萬斎も合ってる!とは思ったけど、夢枕獏の原作が好きなだけに...ん~、がっくり。『バッテリー』も健全なフツーの家族映画にしてしまった監督...。

最初は『痴漢電車』シリーズ(もち未見よw)等の成人映画を撮ってこられた方ですよね。でも、今までの作品を観ると...コミカルな物もあるけど、むしろベタな真面目な作風ですよね。
今度の『おくりびと』...モックンと広末のちらっと絡む露出が少ない場面なんかはさすが上手いけど、そういう即物的なエロじゃなく、エロを撮ってきた方にしては"エロス"が足りないような。今までの映画、何かプラスαこれを撮りたい!これを描きたい!というものが感じられなかったので、あまり記憶に残っていません...。原作に惚れこんで撮るというより、仕事として入って来たものをキチっと撮るという感じ。ごめんなさい!私の中では"原作越えしない作品"として、忘却の彼方へ追いやってしまってました。

今回は、本木雅弘さんが原作の『納棺夫日記』(青木新門)に惚れ込んで15年温めた熱意と、滝田洋二郎監督の低予算で娯楽を作るという職業映画に徹してこられた実直な仕事ぶりが、化学反応を見せたのだと思います。

本木雅弘さんと山崎努さんなしでは、成り立たない作品。
そして、他の脇役もいい味出しています。
峰岸徹さんのキャスティング、ある意味凄いです。
山形の風景も建物もいい具合に寂れて枯れて、雰囲気出てました。
まるで、風景の『枯れセン』でした(笑)

食べる場面も多くて、難しくなく死生観を表現し、すんなりと感情移入が出来ました。
『美味いんだよね。困った事に』山崎努さん、社長!あなたが上手いですっ!

今まで祖父母を見送った経験としては...自宅の場合は母と私で、病院の場合は看護士さんと家族も手伝いつつ清拭と死化粧をやり(つまり基本は家族が行う)葬儀屋さんが納棺する時は...席を外していたのか...よく覚えてないので、ああいう『納棺師』だけの職業が成り立つのか、とか、あの『納棺』の所作も初めて見て驚きました。
前半のくすっと笑ってしまうエピソードは、原作(自慢じゃないが、もち未読)の『納棺夫日記』の賜物なんでしょうか。デティールの細やかさに『なるほど、あるだろうな』と思えるトコばかりで(笑)お年寄りの観客にめちゃめちゃウケてました。
父との確執も上手く織り込まれ、最後に...石文(いしぶみ)の事といい、つい泣かされました。チェロ奏者がリストラされ、納棺師に転職。それぞれの家の別れの儀式を見送るうちに、だんだん成長していく主人公。私的な世界の話のようでいて、テーマは決して小さくなく普遍的で、生と死を改めて見つめ直すのにいい映画でした。


これで終わりと思ったら、エンディング・ロールに驚かされました!
ぴしっと行き届いた1カット長廻しのシーンでした。
う~ん、参りました。本木雅弘さん、あなたは凄いです。


全編流れる久石譲の曲をはじめ、音楽もいい。
冒頭のベートーベンの第9『歓喜の歌』は強烈な生の歓びを感じさせ、これから始まる"死"と鮮やかな対比を見せる。途中、小林大悟(本木雅弘)が回想シーンで弾くチェロの音色を聴いた時、何故、人はこの映画に惹かれるのか...わかる気がしました。
あまたのライバル作品をひょいひょいよけつつ、何故、数々の賞を獲ってしまったのか?チェロの音色もこの作品の内容も、心を慰撫してくれるものがあったからではないでしょうか。しかも、ひそやかにポジティブです。


観て、笑って、泣いて、浄化されたような(←多分w)いい映画でした。


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