映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
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永遠のこどもたち
2009年01月09日 (金) | 編集 |
ドアは静かに締めましょう...。

丑年874.jpg
ネタバレしてるかな...。

ちょっと前に『ティンカーベル』を観たけど、アレは綺麗な映像に気を使い、小さい女の子向きに毒気を抜いて作られたディズニー製アニメだったけど...。コレもまた『ピーターパン』から"ウエンディ"にスピンオフした物語なのかも知れない。
しかし、こちらは毒気も怖さも哀しさもある...なにしろ『ティンカーベル』では"ネバーランド"は綺麗で楽しそうな妖精の国だったが『永遠のこどもたち』では"ネバーランド"は生と死の狭間の世界である。

あの『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロが、プロデューサー。
そして、ギレルモが認めた才能、J.A.バヨナが監督。
クリーチャーを含めグロテスクさも、或る意味、華麗だったダークファンタジー『パンズ・ラビリンス』よりは、かなり地味め。しかし、日常と非日常で揺れる不思議さや、中年女性の肉親に寄せる濃密な愛情、ラストの悲劇的なのか?ハッピーエンドなのか?わからないところは『パンズ・ラビリンス』と相通じるところがある。

海辺の孤児院で幸せに育ったラウラ(ベレン・ルエダ)
30年後、ラウラはその屋敷を買い取り、夫カルロス(フェルナンド・カヨ)7歳の息子シモン(ロジェ・プリンセブ)と共に、障害を持つ子供達のホームを作ろうとする。
ある日、屋敷に訪ねてきた老女は "息子シモンは養子で、彼もまた病気を持っている"という事を知っていて、不気味に思ったラウラは追い返す。息子シモンの事は気がかりで、ホームが開園すれば、シモンにも友達が出来るだろうとラウラは考えたが、シモンは空想上との友達遊びが酷くなる...。古ぼけた屋敷に潜む何者かの痕跡、気配、音を、ラウラもまた感じ始める。数日後、入園希望者のパーティの最中に、シモンは忽然と消えてしまう...。


ホラーというほど凄く怖いわけでなく、サスペンスとミステリーが入り混じり、少しずつ不思議な事が重なり、じわじわと疑問や恐怖を感じます...。まぁ、血がしたたる残虐シーンがないホラーの常で "音"にはいささかビクっと驚かされますが。


丑年875.jpgこのラウラ役のベレン・ルエダ、年取ってもいず若くもない微妙な年齢で、意志の強そうなくっきりとした顔立ちが、よく見ると美しい。子供を失い錯乱しつつある儚さと、子を想うあまり生と死の境目さえ立ち向かう強さを、併せ持っている女優さんである。

霊媒師に頼ろうとするラウラに『迷って困ってる者につけ込む』と夫カルロスは諌める。
霊媒師の役は、存在感あるジェラルディン・チャップリン。
彼女の眉と目は独特で、父君に面差しがよく似ている。


孤児院でいったい何があったのか?だんだん明かされていくミステリー。

霊媒師はラウラに言う『非情に凄惨な出来事にあった魂は、優しく心を込めて慰撫されないと癒す事ができないのだ』『見えないものを信じなさい。信じれば必ず見えるわ』と。

理性的で現実主義の夫カルロスや警察関係のピラール(マベル・リベラ)からすれば、ラウラは壊れかけていく母親の姿にしか見えないだろうし、全く別のストーリーになるだろう。
そんなカルロスも、最後には屋敷で、ある痕跡を見つけるのだ...。

結末の解釈は、あなたの血中濃度が情か理かどちらが勝るか、で決まるでしょう。

母親ラウラにとっては、幸せなラストなのでしょうね...。

まぁ、なんというか...生まれてからヒト桁ぐらいまでの子どもは、母親に取って自分の血や肉と一体化してますからね...。
ましてや、パーティの日にちょっとした諍いでシモンに手を上げてしまったラウラ、まさにシモンを見失ってしまった!というところでしょう。捜して捜して、追い求めずにはいられない...。その切ない心情と恐怖が重なり合って、じわじわ心にくるのです...。


『ダルマさんがころんだ』に似た『1、2、3、壁を叩け』のゲーム。
次のヒントを隠しておき探し当てる『宝探しごっこ』など。日本の昔からあった童遊びを思い出し懐かしく、なぜか温かく感じるラストだったけれど、やっぱり切なく哀しいホラーですね...。

怖いだけでなく、母の一途な想いをきらきらと結晶にさせた作品だと思います。


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