映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
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『さくらん』時分の花、土屋アンナ
2007年03月02日 (金) | 編集 |
今や 盛りの 花 咲くらん。
蜷川実花監督が料理した色(エロス)と色彩、どうぞ召し上がってくんなまし。
さくらんん188.jpg

極彩色で、赤が綺麗!でも、こなれて案外、品がある色彩(いや土屋アンナじゃなく、色彩に限って言えば)
ありゃ、椎名林檎の音楽も、時代劇のようで和のファンタジーでもあるこの映画にピッタリ!
エンドロールの音楽まで、聴き入ってしまった。

桜と金魚が、象徴的である。
金魚は、ビイドロ(ガラス)の中でしか綺麗に生きられない...遊女たちの運命(さだめ)を暗喩している。
原作マンガのほうには”金魚”のモチーフは出て来ないが、かなり原作に忠実。
主人公のきよ葉は、土屋アンナでキマってます。新鮮です。以後、きよ葉と呼びます。日暮だと両さんのマンガに出て来る4年に1度目が覚める人みたいで...やだから(笑)

土屋アンナは『下妻物語』で見せたように、ちょっと可笑しくてチャーミングで乱暴。

が、が、土屋アンナは、演技の幅に限界があり、色んな引き出しを持っているわけではない。

マンガのほうは、きよ葉の心と体の成長を色んなエピソードでゆっくり描いているから、彼女の我が儘も乱闘もまだ許せる(まぁマンガだし)マンガでは、苦界に居るのを受け入れ強く生きて行く女の姿。いやいや安野モヨコのマンガに出て来る女性は、実に生命力がある。
それに経験値の差か?!マンガのほうが色っぽい。

映画で観ると、土屋アンナはヤンキーな花魁にしか見えないし、官能的でもない(笑)
惣次郎(成宮寛貴)との場面や、最後の清次(安藤政信)と顔を見つめ合ったりの場面なんぞは、まるで純情な高校生みたいな表情だ。おいおい。日頃ツッパッている男子高校生が、テレまくってるみたいな。

気位の高い花魁が、客を選んでた...というのはあったのだろうが、土屋アンナがやると花魁の持つ意地や矜持の高さは感じられず、ただただ邪険で乱暴にしか見えなくて、高いお金を払って来る客の気持ちを考えたら、可哀想になってしまって(笑)

でも、今や鮮度抜群の土屋アンナの美貌?!とあの眼が、要るのね、この映画には。

一方、マンガより映画のほうで、感心したところもある。
キャラはぴったりだが、深く哀しく色を表現するほどではない土屋アンナというカードと、まだラストが決まってないマンガとその情報量を、よくまとめてある。マンガより脇役キャラを書き分け、際立たせている。

特に、粧い(菅野美穂)高尾(木村佳乃)がシャキッと小気味いい。
この2人の性根の据わった演技が、映えている。
いつから、この2人は、こんなふっきれた演技をするようになったのだろう。
素敵です。惚れ直しました。この映画のイチオシでもありんす。
高尾が死んでいくところなど(マンガではあっさりだが)映画ではゆっくりと美しく描いている。まるで、不慮の死を遂げる遊女の死を、悼むかのように。

女将の夏木マリさんも、如何にも”やり手婆”って感じで素敵(笑)コスチームも。

女優陣に比べたら、男優陣は少し物足りない...。

何で安藤政信?って思ったけど、マンガの清次にそっくりだったのね。雰囲気は出ている。
温かく見守るというより、クールに見ているタイプの人間だし、まぁこんなもんなのかなぁ。
でも、ずっと、見続けていたとはね...。

あのラストも少し物足りなく、甘いかも知れない。
でも、マンガのほうもラストは決まってないし、どう着地するのか迷うところだろう。

ホントにソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』をイヤでも思い出してしまうが『さくらん』のほうがずっと自由に作れる、という強みがある。

1.『さくらん』のきよ葉は、歴史上の人物ではない。
2.『どろろ』などの手塚マンガと違って、ファンがうるさくない(きっと映画を観てから、原作マンガを初めて読んだという”逆バージョン”が多いはずだ)

感動作ではないけれど、蜷川実花のデザイン(画、色、音)が隅から隅まで感じられ、一つにまとめられた映画であり、新鮮でした。これだけでも興味深かったけれど、あとは、心を、がっとつかんで欲しい。だから、次も観てみたい。
邦画界、いやはや、女性監督は元気です。

この映画、きっと嫌いな人は最初から観ないと思う。それは、賢明である。
でも、好きな人は、色褪せないうちに観てください。

安野モヨコは、幼い女の子から大人の女まで守備範囲の広いマンガ家であり、多作でもあります。
なのに、『さくらん』は丁寧に描かれていて、びっくりしました。
遊郭という苦界の中で、色々な事を経験しながら、結局、腹を据えて生きていく事を選ぶきよ葉のサバイバル・ストーリーでもあり、その強さには驚くばかりです。
初恋の相手の惣次郎も、結局”くわせもん”のような気がします。
遊郭で騙し騙されるのは、常のことかも知れませんが、きよ葉は傷つきます。
あの”笑う鬼だ”という所は、何も説明が無くて行間を読めなのか?よく分かりませんが、惣次郎の”実の無さ”を表しているのでしょうか?教えて、安野様。
それにしても安野マンガのヒロインは、バイタリティーがあって元気ですねぇ。



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