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映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
『おくりびと』をやっと観た。
2009年03月01日 (日) | 編集 |
うぉ~!混んでる~!めちゃ観客の平均年齢高い~!杖をついて腰の曲がったお婆さんまでいる!劇場内で観客同士の会話は『観て、用意しようと思って』(えっ、何を用意する?)『お迎えの準備しなくちゃ』(お、お迎え?)とか明るく話しているのが、聞こえる...えらいディープじゃないか(汗)

おくり919.jpg

やっぱり、思ったより良かったので『7つの贈り物』は(つまんなかったので...)割愛して、この作品と滝田洋二郎監督について書きたくなりました。

滝田監督?知らないなぁ~と思っていたら『バッテリー』の監督だと分かり、ビックリ!早く言ってよ~。『バッテリー』のパンフを見ていたら...『木村家の人びと』(笑った。小銭貯めるのも大事だよね)...『秘密』(東野圭吾)...『壬生義士伝』(浅田次郎)...あ、それから『僕らはみんな生きている』は、スピリッツ連載だった山本直樹のマンガ。私、好きだった。『コミック雑誌なんかいらない』『下落合焼とりムービー』『病院へ行こう』とにかく書き切れないほど。多作なんですねぇ。だから、私も案外観てる、全然知らんかった...。
『阿修羅城の瞳』は劇団・新感線の舞台ファンの友達が観て!というので観た。市川染五郎さんは、舞台からの主演のせいもあり、こんなに素敵だったの!というケレン味のある男ぶり。映画は前半はまあまあ、後半ちょっとチープな特撮でがくっ。『陰陽師』は清明役の野村萬斎も合ってる!とは思ったけど、夢枕獏の原作が好きなだけに...ん~、がっくり。『バッテリー』も健全なフツーの家族映画にしてしまった監督...。

最初は『痴漢電車』シリーズ(もち未見よw)等の成人映画を撮ってこられた方ですよね。でも、今までの作品を観ると...コミカルな物もあるけど、むしろベタな真面目な作風ですよね。
今度の『おくりびと』...モックンと広末のちらっと絡む露出が少ない場面なんかはさすが上手いけど、そういう即物的なエロじゃなく、エロを撮ってきた方にしては"エロス"が足りないような。今までの映画、何かプラスαこれを撮りたい!これを描きたい!というものが感じられなかったので、あまり記憶に残っていません...。原作に惚れこんで撮るというより、仕事として入って来たものをキチっと撮るという感じ。ごめんなさい!私の中では"原作越えしない作品"として、忘却の彼方へ追いやってしまってました。

今回は、本木雅弘さんが原作の『納棺夫日記』(青木新門)に惚れ込んで15年温めた熱意と、滝田洋二郎監督の低予算で娯楽を作るという職業映画に徹してこられた実直な仕事ぶりが、化学反応を見せたのだと思います。

本木雅弘さんと山崎努さんなしでは、成り立たない作品。
そして、他の脇役もいい味出しています。
峰岸徹さんのキャスティング、ある意味凄いです。
山形の風景も建物もいい具合に寂れて枯れて、雰囲気出てました。
まるで、風景の『枯れセン』でした(笑)

食べる場面も多くて、難しくなく死生観を表現し、すんなりと感情移入が出来ました。
『美味いんだよね。困った事に』山崎努さん、社長!あなたが上手いですっ!

今まで祖父母を見送った経験としては...自宅の場合は母と私で、病院の場合は看護士さんと家族も手伝いつつ清拭と死化粧をやり(つまり基本は家族が行う)葬儀屋さんが納棺する時は...席を外していたのか...よく覚えてないので、ああいう『納棺師』だけの職業が成り立つのか、とか、あの『納棺』の所作も初めて見て驚きました。
前半のくすっと笑ってしまうエピソードは、原作(自慢じゃないが、もち未読)の『納棺夫日記』の賜物なんでしょうか。デティールの細やかさに『なるほど、あるだろうな』と思えるトコばかりで(笑)お年寄りの観客にめちゃめちゃウケてました。
父との確執も上手く織り込まれ、最後に...石文(いしぶみ)の事といい、つい泣かされました。チェロ奏者がリストラされ、納棺師に転職。それぞれの家の別れの儀式を見送るうちに、だんだん成長していく主人公。私的な世界の話のようでいて、テーマは決して小さくなく普遍的で、生と死を改めて見つめ直すのにいい映画でした。


これで終わりと思ったら、エンディング・ロールに驚かされました!
ぴしっと行き届いた1カット長廻しのシーンでした。
う~ん、参りました。本木雅弘さん、あなたは凄いです。


全編流れる久石譲の曲をはじめ、音楽もいい。
冒頭のベートーベンの第9『歓喜の歌』は強烈な生の歓びを感じさせ、これから始まる"死"と鮮やかな対比を見せる。途中、小林大悟(本木雅弘)が回想シーンで弾くチェロの音色を聴いた時、何故、人はこの映画に惹かれるのか...わかる気がしました。
あまたのライバル作品をひょいひょいよけつつ、何故、数々の賞を獲ってしまったのか?チェロの音色もこの作品の内容も、心を慰撫してくれるものがあったからではないでしょうか。しかも、ひそやかにポジティブです。


観て、笑って、泣いて、浄化されたような(←多分w)いい映画でした。


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青い鳥
2008年12月05日 (金) | 編集 |
青852.jpg

本郷奏多クンは、輪郭もパーツも曖昧なんで、意外と描き難い。
自分でも似てるか?似てないか?ようわからん似顔絵になりました。


青851.jpg

自殺未遂があった2年1組。その男子"野口君"は転校し、一応、事件は沈静化する。
今ではやっと落ち着いたかのように見えるクラスに、心労のため休職している担任の代わりにやってきた村内先生(阿部寛)
彼は国語教師なのに吃音があった。『上手く喋れませんが、本気で語ります』と言い、最初に野口君の机と椅子をクラスに運び込む。
それは... "罰を与えられている”と虐めていた子たちの神経を苛立たせる...。


生徒たちは、実に演技が自然で良かったデス!
奏多クンも華奢なんで、中2には見えますが、よく見ると顔が大人びていますね(1990年11/15だから撮影時は17歳かな?)これは、フツーの生徒役で、フツーに見えました(何を書いてる?!)あ、私服の時はさすがに可愛く、目も綺麗。
繊細な表情が、役に合っていました。

ゆったりとしたペースで日常の学校生活が、淡々と描かれています。
エンタメ性は低いのですが、思春期のぴーんと張りつめた切なさや難しさ...いろんな事を考えさせてくれるし、最後はじわ~と静かな感動も湧いてきます...。



青853.jpgウチも、小学、中学...死ぬほど"虐め"に関して色んなエピソードがあったなぁ~。

2人の息子は、全く違うタイプで。

上は大人しく気に病む子だったし、
下は不良とつるむタイプだったし...。

上の子は、結局、中学は私立に逃げこませたなぁ...。下の子はそのまま公立中学、周りに親が謝ってばっかりで...(汗)中学って、一番息苦しい時代ですよね...はぁ~。

現実の公立中学を知っている人なら...この2年1組は、ましでマトモだと思うだろう。
クラスのコ達は、均一化してまとまっているし。普通は、個性やタイプやハンディ持つコまで、もっとバラエティに富む。不良がいない。みんな、いい子に見える。虐めだと気づかずイジメていたコも、先生が来てから『アイツが生きていてよかった!』と気づく力を持っている。保護者からの苦情も伝聞の形をとり、上司の先生の苦言もある程度に留まっている。


では、綺麗にまとめすぎか?と言われたら、それは違う。

自ら吃音に悩み、学校の虐めや不登校を題材にしてきた重松清の原作である。

そして、監督は...これを観る中学生のために、必要以上のエグい描写は抑え傷つかないように優しく配慮し、撮っている。

原作者と監督が一番中学生に観てほしいと願って作られた物語なのだ、と思う。

文庫本を手にしつつ現れ、文庫本を読みながら学校を去る村内先生を見て、気づいた。まるで『風の又三郎』みたいだって(先生が読んでいたのは"宮沢賢治"じゃなく"石川啄木"でしたが)


そう、これは、中学生に贈る心の童話なのだ。もちろん、かっての中学生にも。


未読。連作短編集なんですね。
この映画の題材になった"自殺未遂した友人への自責の念に苛まれる男の子"だけでなく、いろんなコの話があるそうで、読んで観たくなりました。
文庫本はまだ発売されてないので、図書館にリクエストを出そうかな...。

臨時教師なんで学校から学校へ渡り歩く村内先生こそが "青い鳥"そのもので、みんなに"幸せ"というか"救い"をくれてるのかも知れません。

映画の描き方では寡黙すぎて...国語の教科書持って暴れた井上君(太賀)にも"本気の言葉"をかけてあげてほしい、と実は思いました。また、最初は何だか挙動不審に見え、まだ分かりにくかった村内先生。

小説のほうが、より彼の人柄を補足してくれるでしょうね。

『先生にできるのは、みんなのそばにいること』そして『間に合ってよかった』って言われると、涙が出て来ますね...。


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グーグーだって猫である
2008年09月08日 (月) | 編集 |
グーグ5.jpg
大きめのケーキの箱みたいのから、子猫を取り出すと『か~わ~い~い~』と言ったアシスタント達(森三中+上野樹里)の、まぁ可愛くないこと(笑)

森三中は、そのまま自然体で案外いいかも。

上野樹里ちゃん...ぶーたれた顔と睨んだ眼付きは、相変わらず上手いし、似合う。

小泉今日子は、年を考えると若い。服の感じも好き。
きっと、大島弓子もこのように美人さんだと、私は勝手に嬉しく思う。

加瀬亮は、セリフ棒読み、あれ?少しばかりオレ様キャラで、ヘンだからっ!
この喋りとキャラは似合わな~い!もう少しヘタレで、お願い。
『それボク』の加瀬亮が、情けなくて可哀想で可愛かったな...。
加瀬クンも、まぁ見事に薄い胸板の...細い一反木綿みたいな真っ平らの体で。脱いでみせなくてよかったような、あはは。

それにしても、アシの上野樹里ちゃん(22)もキョンキョン(42)も、相手役が若過ぎだ!と思う。うらやましいぞ、おい、こら。樹里ちゃんのカレシは、平川地一丁目(解散したのよね。お母さんが戻ってきて良かったね)の林直次郎クンで、キョンキョンの仄かな恋の相手は加瀬亮(33)。

大島弓子のエッセイマンガに、オトコの影なぞまるで皆無で生臭くないので、淡い恋もフィクションなんだろうな。でも、彼女のお母さんじゃないけど、加瀬亮みたいなカレシが大島弓子にホントにいたら良いわ~と願わずにいられない。

映画は、面白くなかった。また~りとした雰囲気。

あ、私は大島弓子と猫が好きで、吉祥寺が懐かしかったからOK。(それ以外の人には、オススメしない)それに、大島弓子のエッセイマンガの行間を補完させてもらったし。
私、結婚前の会社が吉祥寺で、都心から離れた4流デザイン会社で、来る日も来る日もスーパーのチラシや不動産屋のパンフとか作っていた。友達の実家も吉祥寺にあったので、ホント懐かしかったなぁ~。

グーグ6.jpg最後は、マンガ家の小島麻子さん、シリアスだった。
大島弓子さんは自分の事をシリアスに描くタイプじゃなかったので、映画は『私は自分のマンガでは救われなかった!』なんてセリフで、私はショック!違和感があったけど、実際は大変だったのだろうな、とつくづく思った。
ガンの手術からの5年生存!良かった!

あぁ、これだけは、言いたい。

私は、大島弓子のマンガを読んで救われたなぁ!
なんでもない、さりげないラストに、号泣した事もあるし。




むか~し、私もマンガ描きたい、と思った事がある。
投稿、持ち込み、しばらくやった。
マンガの原稿を編集者に見てもらう間は、じっとり脂汗が滲むヤな時間だった。
『絵、上手そうに描いてて、下手だよね』とか
『ワケわかんないストーリーは、売れてファンついてから、描いてね』とか、言われて。
ううっ、鋭い。編集者って上手い事、言うなぁ、まいったなぁ。
あ、でも、原稿がBL物(描いた事ないけど)じゃなくて良かった、ふぅ~。
アレ、買うのもカバーしてもらうのも恥ずかしいのに、自分の描いたBL物なんて、身悶えするくらい恥ずかしいだろな、はは。今はネットがあるから、自分で楽しみたいならインディーズでやるのもいいよね。

結局、戦果は今は亡きガロに3回載せてもらい、そこから一冊の本のイラストの仕事をもらった事くらいかな。イラストの仕事は、自分でも酷い出来だった。

あと、描きたいストーリーもな~んも無くなって、見切りをつけて、結婚した。

今は...マンガを読んでカンドーする才能は、まだある。

それでも、人生はgood good(グーグー)である。



グーグ-3.jpg
←エッセイマンガの中にポール・ギャリコの『猫語の教科書』によると”声を出さないニャア”というのがあるそうで。

なんて、かわいい!!

猫を飼ってる皆さん、本当ですか?


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クライマーズ・ハイ
2008年07月06日 (日) | 編集 |
堺雅人の可愛い顔は、クワセモンである。つい、描きたくなってしまうではないか。クライ779.jpg

堤真一は『反カメレオン俳優』というか、いつ見ても"堤真一"なのに、やっぱ今度もいい!

で、堺雅人だが『アフタースクール』以来、あの喰えない笑顔に可笑しくなってしまう。そうそう、案外、堺雅人は"使える人"なのだ。

この2人はまだ可愛いもんで、喰えないお人が、お腹一杯出て来る映画だ。

1985・8/12、JAL123便の墜落!よく覚えている!
黒こげになった立ち木かと思ったら"人"だったり...走り書きで残されたメモ...の写真の 数々を。助け出された時、眼をぱちと開けた少女は綺麗な顔立ちをしていて、天使みたいだったこと...などなど。
帰省にはもはや新幹線を使わず、飛行機を使っていた私には、衝撃的な事故だった。


この映画は『日航機事故』そのものでなく、未曾有の大事故がもたらした 『クライマーズ・ハイ』 のような興奮状態が極限まで達し恐怖感が麻痺してしまいながらも、スクープを追う記者たちの話である。
 
新聞社内の人間模様がくっきりと炙り出され、手練の俳優たちが嫌らしいほど、えぐく演じてくれてる、げぶっ。凄く、上手い。
記者同士の反目、嫉妬、僻み、苛立ち。
販売部のカタギじゃないよなドスのきき方。
新聞社を自分の所有物として、専制君主制を施こうとする社主。 
トップ記事の扱いに社内でも意見が分かれ、自分達の押すネタを策を労しても(スパイなみw )通そうとする。事故現場に立ち会ったカメラマンがだんだん壊れていくさまは、ありえるコトなのだ。
明日にでも血管がブチ切れて、過労死する事もなんら不思議でない。
いろんなエピソードをはさみつつ、リアル感がある。
何度も「げっ!」と思いながら、映画にぐいと引き込まれ。

実際、あの時、地元新聞社にいた横山秀夫氏が味わった現場の肌ざわりがよく出ているし、彼はこれを反芻し、何年立とうとも書かずにいられなかったのだろう。


クライ780.jpg
所々に挿入されるロック・クライミングの場面も、フツーに登るのにもあんなに険しい山だったのか!と思い知らされる...。

最後になるにつれ涙が滲むのは、この映画のストーリーだけでなく、バックボーンに『日航機事故』が大きく横たわっているから、だ。

横山秀夫氏が地元新聞社にいた経験を活かしての全く別の架空の事故の話だったら、こんなに胸を衝かれなかった、と思う。あの事故を知らない者にとっては、受け取る体感温度も違うかもしれない。



映画は『日航機墜落の事故』というより、それを追い求めた記者たちの怒涛の一週間だったけど、私は面白かったし!見え隠れする事故の様子は重く衝撃的でした。

2時間25分...私、長い映画は苦手だけど、長いと感じなかったです。


日航機事故で亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。



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アフタースクール
2008年05月25日 (日) | 編集 |
皆さんの初恋って、中学時代でしたか?

スク755.jpg
相変わらず、佐々木蔵之介って描き難い~!おまけに大泉洋も似てやしない...スルーしてちょうだい。

邦画は、劇場で観るべきか?正規料金の価値があるのか?案外、当たり外れが大きい、と思います。リメイクにカバーに、マンガやラノベ、ケータイからベストセラー小説の原作、いろいろな映画がありますが、つくづくプロットを練り練りした"脚本のチカラ"は凄いな!と感心させられました。

地元で中学教師をしている神野(大泉洋)のトコに、同中だった『島崎』という男(佐々木蔵之介)が現われる。探偵をしているその男は、行方不明の木村(堺雅人)を捜していて、神野は手伝うはめに...。

大泉の『えっと、同級だった?』と、島崎?(佐々木蔵之介)に対する反応が、軽めで実に上手いと思う。うん、あるある、こういうリアクションするだろうな。
大泉洋って、本当にミュ~な存在感がある。

一方、ヤクザに多額の借金があり尻に火がついた胡散臭い探偵、斜に構えた北沢役がよく似合っている、さすがの佐々木蔵之介。最後の彼の眼...荒んだ可愛げのない男子中学生の眼みたいで、一瞬、可哀想でかわいく見えました...。

お人好しで友情を信じてる神野(大泉)と、人を信じないシニカルな探偵の北沢(佐々木)...奇妙な相棒となる。なかなか、いいコンビ(笑)また、私立探偵の今どきグッズやテクニックは、下手な手品師より耳目を引き面白かった~。

木村(堺雅人)の、に~とした笑顔は可愛いんですけど、実に食わせ物の笑顔です。ずーっと、笑顔でした(笑)最後に、田畑智子に切々とした感情を訴える所まで、困った笑顔で(笑)中学時代の前髪ぱっつんの木村君も、可愛い!んですが、おかげで何だか可笑しかったです。

このベテラン3人のキャスティング、きまってましたね!

スク756.jpg『キサラギ』で小栗旬...

『アヒルと鴨のコインロッカー』では瑛太や濱田岳など...

若手俳優が演じ、青春の持つ甘さや切なさが、

そこはかとなく漂っていたのですが、



この作品では、あまりに、皆、達者すぎて(笑)恋も辛い過去もさらりと受け流し、オトナのアフタースクール(放課後)でありました。

切ない部分は少なく、情より理詰めが勝った謎解きかな、と。
事実、後半は謎解きに忙しいのよ、こっちは小ネタに笑うので、忙しいし(笑)

『座布団1枚!』どころか何枚もあげたい気分だが、大相撲で座布団乱れ飛ぶ~!というほど、心を鷲掴みされる...わけではなかったかなぁ...。あと、もうちょい、心情的に物足りない恨みもある...。ホントに、もうちょい。

いやいや、それでも充分楽しめましたけどね。読後感もほんわかヨイです。

大泉洋なんて、ユースケ・サンタマリアと同じカテゴリーに入れたい、ちょいとイラっとくるタイプの役者だと思うんですが、この作品では性善説の大泉洋ですよ~おいおい(笑)
なんてカッコいい役を貰ったんでしょ。最後、いい先生でいい男に見えました。

脇役に至るまで、芸達者です。
中学時代の友情や初恋も、パズルピースの中に入っています...。
最後に、ピタピターっとパズルピースがはまります。

この映画を楽しむコツは、ただひとつ...最初から、あらゆるシーンを見逃さないでください。仕掛けが沢山ありますし、劇場鑑賞は巻き戻しがききませんからね。

では、まんまと、見事に、騙されてください!ふっふっふ
�A�C�R�������͂��Ă�������

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うた魂♪
2008年04月09日 (水) | 編集 |
うた716.jpg

またまた高校部活ムービーです。続きます。
しばし『青春プレイバック』はたまた『真剣10代』している管理人ですsho

最初は笑えます。特撮?!(簡単なw)CGだってあるんです?!
夏帆ちゃんて、コメディもイケルんですね!驚き。
夏帆ちゃんの顔を描くのは『天然コケッコー』『東京少女』と続き3度目。
彼女、描き難いんです。捉えどころが無いし、個性が強烈なわけでなし、顔のパーツも薄めだし。
でも、映画のスクリーンで観ると、その自然体が魅力的。
いつも思うに、何とも不思議な女優さんです。

合唱部のソプラノ・パート・リーダーを務める荻野かすみ(夏帆)が、自信満々で自分も好きで歌ってきたのに、いろいろあって、メゲたり凹んだり。ヤンキー高のゴンドー(ゴリ)の大いなる助言で復活。コンクールに向けて、皆と力を合わせて頑張る!というシンプルなストーリーなんですが、これはもう実際に観てもらって、そのエネルギーある歌声を体感してもらいたい!と思う映画です。

合唱部は女の子ばかりなので、女子校を彷彿とさせます。
喫茶店で、エノケンの歌をリクエストしたお爺さんに、針がとんで先に進まないレコードの代わりに、歌ってあげる合唱部の女の子たち。
乙女の愛らしさがありましたrose-2
マンガやラノベ以外で、こんな少女らしさを見たのは、久々で...嬉しかったです。

かたや、湯の川学院高校合唱部(男子校?!)尾崎豊しか歌わないばりばりヤンキー校�A�C�R�������͂��Ă�������
部長の権藤(ゴリ)を中心によくまとまっています。規律正しくて(笑)
改造学ランの人たちって、夏もああなんですね~。まともに"夏服"着ると、フツーにおじさんだらけで困ってしまいます(笑)でも『魁クロマティ高校』より、平均年齢が若そうであります。ピアノのNAOKIさんだけは、ビジュアル系でした(演奏後はもち失神w)
いいですよー!『15の夜』なんか、もう1度聴きたい!hot

最後の合唱部分もサプライズがあって、素敵な皆の歌声でした�ԃn�@�g

私的には、生徒会長の牧村よりごんどー部長(ゴリ)のほうが、男気があってカッコ良かったです。

似たような部活ムービー『ブラブラバンバン』より笑えるし、役者が揃ってたかな...。『ブラブラバンバン』に足りなかったのは『フルチンになれ!』だった、と思う、うん。

何かの賞を穫るよりオーディエンスの心を掴む映画を観たい、と思う管理人なのでありました。

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余談ですが、今日『管理ページ』が重くて、ファイルアップロードも1つしか出来なくて、画像も1つだけです。メゲて文も短く簡単です�G���������͂��Ă�������...すみません、失礼しました。


ガチ☆ボーイ
2008年03月07日 (金) | 編集 |
ガチ664.jpg


男の子(心だけ男の子でもOK!)の気持ちを持ち続け "プロレス"をコアに愛する人間なら、温度差も高く観られる映画だと思います。

ただ、私は『今、プロレスラーは誰が好きか?』と聞かれたら『アントキの猪木』というくらい無知ですし、少女マンガを食べて育ってきて、いい年しても手離せない..."少女趣味"の血中濃度が高い人間なんで、この映画をフツーに平熱で観てしまいました。

前半のテンポや会話は、正直、少々タルく感じました。

今、おっ!と思える邦画は、会話のセンスやリズムがいいのが多くて感心させらるわけで。

ベタに頑張る五十嵐くんの学生生活を語るには、このテンポなのだろう...と分かっているけど、宮川大輔とか芸達者も揃っているので、もう少し笑わせて欲しかったかなぁ...。五十嵐が"高次脳機能障害"ゆえにサムいギャグでも笑える場面と、めっちゃ笑える場面の落差もあったらなぁ~とか、最後のリングシーンが良かっただけに欲張ってしまいました。

でも、前半の少しゆるい展開も、最後の試合シーンには(しかも長い)吹っ飛びます。マリリン仮面の五十嵐くんを演じる佐藤隆太もレッド・タイフーンの奥寺くん演じる向井理も、細~い。服、着てる分にはスラっとしてカッコいいかもしれませんが、リングに立つと防具となるべき筋肉が無いっ!(涙)
Noスタント、NoCGだったそうで、あれは痛かったでしょうね!

なんで障害になって大変な時に『学生プロレス』かというと『アタマはどんなに忘れても、カラダは昨日のボクを忘れないー』というテーマはすんなり受け入れられるし、さすが人気劇団の舞台が原作だけにこなれているなぁと思います。

それに、以前TVドラマで観た俳優さん達が上手くなっているなぁ~、と感慨深かったです。
『のだめ』に出ていた向井君は下手だったけど、あれから格段の相違だし。

佐田役の川岡大次郎は、昔『ビーチボーイズ』で広末の同級生だった...。
クセ者の役者になったのね~。

地味な髪の色のサエコは魅力的だった。
なんか、生足が色っぽかった...(ダルと付き合ってる頃よね)

仲 里依紗、この間『ちーちゃんは悠久の彼方』も観たけど、地味で自然な演技も出来るんだな~と感心した。

それに『木更津キャッツアイ』(好き!つい最近、また観た)の佐藤隆太くん!
いつも主人公のいい友達みたいなポジションだし『レミーのおいしいレストラン』のリングイニの声は、スゴ~く、ぼーとして下手だった...。(あ、リングイニのキャラに合ってるといえば合ってるけど)

マリリン仮面の五十嵐は、佐藤隆太くんにぴったりです。

愚直に突き進み、最後に感動を呼んでくれる、どストレートなボーイズ・ムービーです。


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ALWAYS 続 三丁目の夕日
2007年11月05日 (月) | 編集 |
最初のシーン、好き!だなぁ。

三丁目488.jpg

前作は映画館で観たんですが、TVで直前にやっていたので、やっぱ、すぅ~と『ALWAYS』の世界に浸れました。他の観客も、くすくす笑ったり、映画の世界を楽しんでいましたね。
”螢”や ”日本橋”で別れた昔の恋の話や”焼き鳥踊り”や、前半は楽しかったです。
娯楽があんまり無い時代とはいえ、昔の映画館って、あんなに賑わって観ていたんですね。

三丁目の皆の紹介は終わってるので、前作より面白かった気がします。

三丁目2492.jpg”淳之介”演じる須賀健太くん、映画やTVドラマで活躍していて、相変わらず上手いですね。
上手すぎて、落ち着きすぎ?!
背も伸びて、アンバランスなプロポーションに笑ってしまいました。スゴいですね。
『バーバー吉野』みたいに、男の子が色気づいて髪型とか気にする前の、最後の”コドモ”時代。
須賀くんのこの時期を閉じ込めた映画でも、あるわけですね。
一平くんも、親戚の女の子も気にならなかったので、きっと、するーと上手かったんですね。


以前、日本アカデミー賞の授賞式をTVで見ていた時、この映画の主役は”小雪”とコールされていて、ちょっと驚きました。
前半、とんとんと~んと小ネタを満載して楽しませてくれるのですが、後半、小雪が出る場面はちょっともたついた気がします。この時、少し長い...と感じました。
小雪が演じるヒロミは、皆が住んでいる三丁目から、離れた所に居るせいかも知れませんが。


まぁ、それぞれが主役みたいなもので、特に主役は三丁目の”風景”なのでしょう。

高速道路が暗く覆いかぶさっていない”日本橋”を見れたのも嬉しかったし、色んな車や”こだま”を見れたのも素敵でした。”羽田空港”はシンプルでしたね~。
背景をCG合成したとはいえ、こんな風に見せてもらえるなんて、思わなかったですね。

アニメとかは近未来ものが多いですけど、映画では近過去もの!いいですね~。
あるあるこんな事したなぁ~とか、見慣れていたはずなのに今は失われた風景とか、見せてくれる映画って、それだけで嬉しくなりますね。

最近、しみじみ夕日を見てないかなぁ...。
東京タワーに、今のうち、行きたくなりました。

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クワイエットルームにようこそ
2007年10月27日 (土) | 編集 |
眼が醒めると、隔離病室で5点拘束されていた。ここはどこ?私は何をした?

クドカン481.jpg

佐倉 明日香さくら あすか(内田有紀)は、800字のコラムを書く締め切りのはずが、気がつくと、仕切りのない便器がある真っ白い部屋に居る。原作の文を借りると『寝るところと排泄するところが、同じ場所って、人間のステイタスとしてかなりダメな状況だ』う~む。
明日香は、薬のオーバードーズ(過剰摂取)で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれ、しばらく非日常世界を送るはめに。面会にやって来た同居人の鉄ちゃん(宮藤官九郎)は、明日香の姿を見て『うわ~レクター博士みたいだね、というか(マスクが)河童みたいというか、なんつーか近未来というかAKIRAみたいだねぇ~』と、かます。
『ここ、ハンパないよね。スゴい棒みたいなコが居てさぁ』
そう、ウチも夫が鬱で心療内科に通っているけど、結構、拒食症の細~い若い子も居たりして、ハンパなくて、容赦ない所だ。
拒食、過食、虚言、自傷など、様々な女たちが入院している閉鎖病棟での2週間と明日香の心の経過を描いた物語。
会話も全部好き、笑わせてくれるし。ストーリーも破綻無く、見せてくれる。最後になって、シリアスになってゆくけど、案外身につまされるものだ。心療内科に、多少縁がある者にとっては。
原作どおりだが、映画のほうが生身の俳優さんが演じている分、少し涙が出た...。

閉鎖病棟の女たちは、気がついてみると優しい。ほのかに優しい(西野さん以外)

クドカン2482.jpg西野さん演じる大竹しのぶは『黒い家』も怖かったけど、今度のも或る意味怖い。
こういう人が近所に居て、詮索をはじめ粘着されたら、私は心が壊れると思う。
そのくらい、怖い。
大竹しのぶの演技、サイコパス入っている。

鉄ちゃん(宮藤官九郎)も一番ハードでダメージを受ける立場なのに『うん。うんうん』とヒロインを受けとめる気が優しい男(涙)クドカンは、ビジョアルはともかくイイ男に見えましたよ!

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↓まだ、下に続く。
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アヒルと鴨のコインロッカー
2007年08月02日 (木) | 編集 |
『ディラン?』と聞かれて『ディラン』と、果たして今ドキの若者が答えるものだろうか。
『ボブ・ディラン』はフルネームで言って欲しい。『デュラン・デュラン』とかも、あるわけだし。
ちなみにウチの息子に『ディラン?』と振ると『キャサリン』とソッコウ友近のコント名が、返ってきた。おいおい。
で、何で『ボブ・ディラン』なんだろう?
確かに原作で言ってるように ”悪事を起こした人間にとっては、罪を責めたててくるようにしか聞こえない”のは...『ビートルズ』でもなく『ボブ・ディラン』だ(笑)

鴨2378.jpg


『天然コケッコー』も観たんだけど、どちらかお薦めするなら、断然こっち。
少女マンガ好きなのに自分の中の乙女度がだいぶ摩耗してるようで、ちょっと悲しいが。

だけど、やっぱりこっちのインパクトは強い。よく練られたストーリーと、えっと驚く仕掛け。
そして、何よりも濱田岳の上手さと瑛太の物悲しい眼にも、やられた。
この映画の瑛太、凄くいい!
関めぐみ...『ハチクロ』の山田さんしか知らないけど、同じストレートロングの髪型なのに全然っ!印象が違う。
ちょっと正義感溢れる”飯田かおり”といったところ。

原作は『このミステリーがすごい!』で上位、という高い評価を受けている伊坂幸太郎作品。
私は『死神の精度』しか読んでいないが、最後のお婆ちゃんの話がとてもキュートで好き。
なお『死神の精度』は、金城武で映画化される。

私は、原作は3分の1まで読んでいた。これが良かったかも(自画自賛w)
おぉ、セリフは結構そのままじゃん!とか、呼鈴の『ピン』と軽快な響き『ポーン』と長い音から、楽しめる(笑)
映画では、只の『ピンポン』という音。そして、呼鈴から、物語は始まる。

大学に入り、引っ越して来た椎名(濱田岳)
おっかなびっくりで周囲の環境に慣れようとする彼に、隣の住人は、あまりにも唐突で変だ。
妙な佇まいの河崎(瑛太)に振り回され、事件に巻き込まれていく椎名。

現在の椎名とちょっと前の琴美 (関めぐみ)が、それぞれカットバック形式で交互に語られていく。
椎名のトホホな大学生活の話かと笑っていたら、観客は思わぬしっぺ返しを受け、凍り付いていくわよ...。ふっふっふっ。


原作では、麗子さん(大塚寧々)は人形のような美貌で色んな武勇伝を披露してくれるし、河崎も女のような美貌で、天然色男ぶりを発揮して笑わせてくれる。
そう、この2人は、もっと美形らしい。映画では、ちょっと違うが(笑)


原作のほうは、より軽妙にくすくす笑える反面、だんだんと恐ろしいし、個々のエピソードも読み応えがある。

なのになのに、映画も負けていないどころか原作を超えている。

映画のほうが、感動があった!


余韻があって、終わったあと彼らのことを考えるとジワ~と泣けてきました。


椎名が帰省する時、瑛太の黒い柴犬(原作ではクロシバが出てくる)のようなすがりつく悲しげな眼が忘れられない。
椎名もまた戻って来なかったら!と思うと、瑛太は寄る辺ない迷子のような気持ちだろう。
椎名がもう少し機転がきいたクールな奴だったら”本屋襲撃”の話にも乗らなかっただろうし、この変な隣人を避ける事も出来ただろう。

しかし、この2人は、結果的に関り合い、共感した。

私は最初と違って、これらの登場人物に感情移入してしまい、1人づつ画面から退場していくのが、淋しく切なくなってくる。
椎名も瑛太もこれからどうするのか?いったいどうなるのか?2人とも道に迷ったまんまの旅の途中。
映画を観た後、急いで本の続きを読んでみた。彼らのこの先が分かるかも知れないと。
だけど、帰省する椎名のモノローグで終わっているだけ。

そうか、やっぱりボブ・ディランじゃなきゃあいけなかったんだ...。

ーいいかい 友よ、答えは風に舞っているー



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『キサラギ』
2007年07月08日 (日) | 編集 |
イチゴ娘...HNもヒドイが、怪しい、いかにも怪しい。
怪しいおっさん、アブないおっさん、キモイおっさん、演じるのは、香川照之!

キサラギ2345.jpg

いや~、香川さんは凄いです。
凄すぎて、香川さんの深さをまだ描ききれてないので、そのうちまたチャレンジします!

最近、どうも釈然としない納得出来ないストーリーの映画に、欲求不満になりかけの貴方へ。
この『キサラギ』は低予算(多分)だけど、ピリ辛甘の絶妙映画です。

最初は、ただ笑えるんです。でも、しっかりサスペンスなんです。
何気に笑っていたコトが、ええっー(←塚地のモノマネ)あの人が...この人も...そうだったんだー!と、いろんなエピソードが出てきて、ほどけていた伏線の糸がたぐり寄せられ、繋がっていきます。
ほとんど密室の芝居で、セリフの量も多いのに、飽きません。
ムサイ男ばかりの密室劇なんで、少々息苦しいけど(笑)

オダユージ演じるユースケ・サンタマリアも、ちょっと嫌みなシリアスさでキメ、さすが湾岸署の交渉人”真下正義”(笑)ホントは、青島刑事に憧れてたんだねぇ(笑)

小出恵介...この間の『ネプリーグ』ではテンション低くて、おまけに眼がクリクリして可愛かったぞ(話が違うw)
この人は、髪型でテンションが変わるので(←私の勝手な定説)『のだめ』の乙女アフロや『キサラギ』のもう一つの髪型が似合う、と思う。
ラブストーリーより、ハイテンションなおバカの役が好きだなぁ~(小出ファンの方、すみません)

キサラギ3346.jpg
安男演じる塚地武雅...真面目さや誠実さが、演技に出てました。
この役は地でやれた、と思います(笑)

後方ナナメ40度が誰に似てるか?って!
怒るど!安男(塚地)!
まさか”あの方”のお名前まで、出てくるとは?!
最近、ラストカットを見逃したので ”あの方”を2回も観てしまいましたが、はっきり言う!
似てませんっ!!

”オダ ユージ”やら、もう、いろんな人を引っ張り出して笑わせてくれます。



如月ミキの顔も、よく覚えてないのです。最後まで顔出ししなくてもイイぐらいの印象...。
で、テキトーにブリブリでプリチーな女の子を描きました。
こんな女の子を描くのは、久々なんで楽しかった~。

歌も歌詞なんて覚えてないくらい、微妙に下手だったような(笑)踊りも(爆)
う~ん、売れないよね。売れないよね。こんなんじゃあ(笑)

関係者が多くて、なんだ、本当のファンは”家元”(小栗旬)だけ?!だったのか...。
皆、如月ミキに繋がりのある人たちばかりで ”家元” はショックを受け凹む...。
でも、ちゃーんと運命(脚本なんだけどねw)は ”家元”にも微笑んでくれた...。

小栗旬は、高校生コナンの工藤新一は良かったけど、なんで”花沢類”なんだ!とずーと思っていて、それほど好きじゃなかったんですが、この映画で好きになりました。

キサラギ344.jpg

『如月ミキは、何故、死んだのか?』という謎解きだけでなく、最後はほろっとジーンとするのよ。
プラネタリウムの輝く星と同じように、一瞬光っては消える泡沫アイドルたち...。
こんな風に想われるなんて、売れないアイドルも本望だなぁ...って思うと。

エンドロールのダンスは賛否両論みたいだけど、私は好きだったなぁ。

あんなに喪服を乱して...彼等の悲しい想いが見えた気がして、はっとしました。
追悼?!のダンスを踊るアイドルヲタクの男たちが、可愛く切なく見えました。
(これから、ヲタ芸の人達をキモイ眼で見ないようにしたいデス。はい)

エンディングの曲(ライムライトのキサラギ。如月ミキの、じゃあないよw)も、良かったデス!!

ラストカットは ”宍戸錠”ですからねー!最後まで席を立たぬよう!!


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『神童』観たけど...
2007年05月18日 (金) | 編集 |
”コマネズミ”の曲(ショパンのエチュード)って、こんなだったんだぁ~。
神童300.jpg

この曲が聴けただけでも幸せ...なんて、生憎、思わない。

私は、さそうあきらの『神童』を読んだ時には衝撃を受けたから、この映画は楽しみにしていた...鑑賞のハードルは高いのだ。
『のだめカンタービレ』以前の作品でもあり、クラシック音楽を描いたパイオニア的マンガ。
少女マンガには、くらもちふさこ『いつもポケットにショパン』(ん~もう古典だね)さいとうちほ『花音かのん』(ちょっとエロティック)等や、ロック等のバンドを絡めた恋愛物はあったけど、これほど音を描いたマンガは『神童』なのである。

一言でいうと『もったいない!』
松山ケンイチと成海璃子、そして音楽、ここまで揃えているのに、もったいない!

音大浪人生和音ワオと成瀬うた...主役2人は、イメージぴったり。
ちなみに松山ケンイチは『男たちの大和YAMATO』では、未だにどの役か?分かりません。
最初に認識したのは『NANA』のシン役で、デカイわ、可愛くないわ...で、のけぞりました。
『デスノート』のL(エル)役では”キモかっこいい”俳優さんだと定着。
この『神童』では”ショボかっこいい”です(笑)
八百屋のインテリアやお父さんの柄本明まで、雰囲気はよく出ている。
なのに、大事な所は端折って、何でもないトコが長く、退屈。

脚本は『リンダ、リンダ、リンダ』の向井康介。
『リンダーー』は、女子高生の日常が何気なくリアルに表現されていて、私はその空気感が少し好きだった。
でも、この映画で一番印象に残ったのは ”ブルーハーツの曲っていいなぁ~”と感じたこと。

この映画も、よく似ている。中学校の部分とかは、何となく笑えて、好き。
こういう部分は、この向井康介さんは上手いなぁと思う。

そして、音楽だけが突出してイイ。モーツァルト”ピアノ協奏曲第20番”も、凄くいい。
本当の神童である和久井冬麦さんや清塚信也さんや、オーケストラを指揮する竹本泰蔵さん達、ホンモノの音楽家の矜持と気迫が感じられる『よく聴けよ。これがホンモノの音だ』と。
コンサート部分は、竹本さんのほうが凄かった...。
でも、ちょいと鼻につく。コンサートやPVを観に来たわけじゃない、映画を観たかったんで...。

キャラ設定は平凡、ストーリーは原作よりうんと平板に作ってある。
ストーリーは映画用に再構築するもんだと承知していても、これじゃあ改悪。
なんでこんなに、現実的設定にするのかしら?

神童2302.jpg成瀬うたは『神童』ともてはやされ、今はその才能を持て余し気味...ふうん、そうきたか。
ちっとも、うたが神童に思えない。
ピアノが少しばかり上手い反抗期の中学生...という設定にしか見えなくて、哀しい。
このキャラ設定、リアル過ぎて、つまんない。
音大の教授も、もっと奇人変人じゃなかった?
和音(ワオ)の受験シーンはクライマックスだったけど、うたが手を握るのも、何の意味か分からない人が多かったんじゃないのかな...。
マンガ原作を読んでない観客にも、観て納得でき、かつ面白い映画にしてほしい。

以前 ”受験の君に...”のエントリーで『神童』のこの部分を取りあげた事があるけど、うたは”神の手”を持つ超能力少女といっても、さしつかえない。
『のだめカンタービレ』は、あくまで生身の天才達なのだが『神童』のうたは不思議な力を持っている。
うたの弾くピアノの音にも、ばんばんCG使ってエフェクトかけてほしかったなぁ~。
『アメリ』の映像効果みたいに。
天才でもあり不思議な力を持つうたが、本当の自分の音を見つけ出す感動の物語だったんですが。


『のだめ』がヒットしてクラシック・ブームにかこつけて『神童』を掘り起こしたのか?
これから、一色まことの『ピアノの森』も映画化されますが...
せめて ”マンガ原作愛”が感じられる映画にしてほしいですね。

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『ゲゲゲの鬼太郎』今と昔
2007年05月06日 (日) | 編集 |
鬼2291.jpg

映画を観る前に、たまたまアニメのほうを観ました。
あら、可愛い。鬼太郎がぐっとキュートに。
OPは、ビートとドスが利いています。
熊倉一雄から変わったのは、泉谷しげる。なかなかイイです。
映画のOPは、ふんにゃあと甘いので『誰だよっ』と思ったら、小池撤平クンだそうで。
昔のアニメは、声が野沢雅子で、今は高山みなみ。
どちらにしろ、原作マンガと違ってアニメのほうは、妖怪界のアンパンマンみたいな”鬼太郎”です。
アニメの”鬼太郎”は子供向きなんで、徹底的に、強く正しい妖怪少年です。

まっ、原作マンガでもアニメのキャラとも全然違うのが、ウエンツ・鬼太郎クンです。
TVの『ブレイブストーリー』でも、ウエンツの声、そのまんま。ウエンツはウエンツ。
恋する鬼太郎を、もんもんと演じて、爽快感がありません(笑)いつものまんまです。

まっ、イジラレ・キャラなんで”ねずみ男”と組ませて、セットで観れば面白いかも知れません。
それに下駄や髪の毛(笑)の武器や、烏を使っての脱出などのシークエンスは、キマっていました。
脇の妖怪も、いろんな俳優さん達が楽しそうにやっていて、谷啓さんとか西田敏行さんとか、こちらのほうが妖怪です~。

鬼ねずみ290.jpg
”ねずみ男”の大泉洋は、最高っー!いや、サイテー!

大泉洋って人は、案外、使い出がある。

『千と千尋の神隠し』の蛙や、『ハウルの動く城』の実は王子様だったかかし(最後にちょっとだけ)や『ブレイブストーリー』等の声優にしても、イケてる。
ドラマ『派遣の品格』も頑張っていたし。

こすからくて、ずるくて、卑怯で、臭くて...サイテーな”ねずみ男”に、身も心もピッタリ!鬼太郎だって、最後には激怒しちゃう。でも、憎めない。

大泉さん、当たり役ですね。


私が観た時は、休日の午前中のせいか、親子連れやおじいちゃん、おばあちゃんが孫を連れて来ているのが、多かったですね。
こんなに小さい子対象?がーん、小さくなる私...。

小さい子供たちが観るんじゃあ、本気で怖がらせてはいけない、しかし、楽しく怖がらせなくてはいけない。難しいトコです。

そして、映画のストーリーも子供向きなんで、目くじらたてて批評するのも何ですが...『ゲゲゲの鬼太郎』が好きで、つい映画を観たくなるオトナとして言わせてください...。

今度のストーリーは、父親が盗んだ”妖怪石”を預かった健太君が、頑に死守する事によって、成立する物語なので、大人の観客としては動機付けも弱ければ、納得も出来にくい。所詮、盗んだ石だし(石の魔力があったにしても)小学生低学年なのに、そんなに意志が強いのか?周囲が弱すぎるのか?
水木しげるのマンガ原作のほうに ”ねずみ男”がもっと嫌らしく暗躍し、鬼太郎たちを陥れる話も沢山あるので、そこから掘り起こして”ねずみ男”メインのピリとしたストーリーで『ゲゲゲの鬼太郎』を、ぜひ観たいデス。
あと、おなじみレギュラーの妖怪キャラは、素晴らしい。懐かしくて、観てるだけでも嬉しい。
でも、ゲスト・キャラは(妖狐族たちは着ぐるみだし)完成度も低いので、気を使って欲しいです。この妖怪世界、また、観たいです。ホントによろしく、映画会社の方。

鬼3292.jpg

皆様、GW、いかがでしたか?疲れましたか?


お風呂に入って、ゆっくりしたいところですね。



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今日のイチ押しは、この『妖怪大百科』です。
内容も分かりやすく、親子で楽しめます。
画も、鬱蒼とした空間に漂う妖怪たちを、濃密に描いています。
妖怪好きな人や水木しげるファンにも、納得の一冊です。

日本の何処かで妖怪に出くわしても、困りません(何が?!)

今も各ジャンルで色んなテーマのマンガが描かれ、楽しんでいる私ですが、先達の水木しげる氏の仕事を思う時、感心すると同時に敬意を表します。

これは、そんな一冊です。




怪獣は、なぜ早く成長するのか?
2007年04月19日 (木) | 編集 |
補足すると”少年が育てる架空生物は、なぜ早く成長するのか?”
子ドラゴン106.jpg
図書館から『エラゴンー遺志を継ぐ者ー』がきています、と連絡をもらった。年末にエラゴンの映画を観た時は、原作を読みたいと思ったけど...え~今頃~?!
図書館のリクエスト本は、忘れた頃にやって来る...。
それに『早く読んで下さいね。待ってる人が多いから』と釘を刺されてしまい。思ったより、むちゃくちゃ厚いんですけど~(汗)

そういえば、この『エラゴン』に出て来る竜のサフィラは、すんごく成長が早かったですね(笑)
少年が世話する事無く、勝手にネズミを捕って食べ、飛んで戻って来ると、もうデカクなっていました。
いや~よく出来た生物です。ウチの犬も息子も、これくらい世話をかけずに立派に育ってくれればいいんですけど...(特に息子)

ガメラ265.jpg

去年のGWに公開された『小さき勇者たち~ガメラ~』なんですが、この映画のガメラも、すごいスピードで成長します。最初は、ケツメリクガメを実際に使っています。
ガメラの第一作目は、悪役だったのにかかわらず、子供を助ける怪獣だったようで、カメの愛嬌ある体型と共に、ガメラは”子供の味方”として定着していったのでしょうね。

特に、この映画のガメラは可愛くて、子供向けかも知れません。

少年と生き物...よく似合います。竜もガメラも、卵から育てます。
卵を見つけた時点で、その少年は”選ばれし者”なんですね。

生まれたばっかりの生き物なんて、おっぱいを2~3時間おきにやり世話をするのが定説なんですが、なんせ拾ったのが気の利かない少年ですから、手を煩わせる事なく、すくすくと大きくなるんですね。い~なぁ~。手をかけなくとも立派にいい子に育つんですよ。

この架空生物たちが、早く成長するのは...今そこにある危機や敵が、存在するからでしょう。

学校の寄せ書きで『もっと大人になれよ』と同級生に書かれた息子...こいつは、危機も敵も無いので、なかなか成長しないのでしょうか?!
将来、ニートとパラサイト・シングルにだけにはならないで欲しい...と、つらつら考える私でした。

ガメラ1267.jpg

この映画のガメラは”トト”と名付けられます。
主人公の透少年のことを、亡くなった母が”とと”と呼んでいたからです。
この透少年も、早く大人になってゆくでしょうね。

怪獣が暴れ回るにしては”静けさ”がある映画でした。
少し淋しい少年や、ガメラのエネルギー源である石を、無言でリレーする子供たちのせいでしょうか。過去にはギャオス、今はジーダスから街を守るガメラ。
可愛過ぎて、弱そうなガメラちゃんでした。
丸っこい体がビルに付き刺さっていた時は、可哀想で(ぐすん)同情を誘う造型でしたね。
その分、ぐっと子供の心に近づいたことでしょう。

『ガメラって、かみつきガメの進化形じゃないんだ』(それを言うならワニガメだろ)とか『リクガメだったんだー』とか、息子達は言い、夫も『飛び方はフワフワ飛んだり、ジェット気流で手裏剣のように飛んだりするんだよね』とか、わいわい言って、観ていました。

なんつーか、怪獣やウルトラマンなどの特撮ものは”昔の男の子”と”今の男の子”のものですね。

今年のGWの子供向け映画は『クレヨンしんちゃん』や『名探偵コナン』など。
大人向けは、濃くて刺激的な映画が多いので、少し疲れたら子供と一緒にこういうのもイイかも知れません。



コアな怪獣ファンで『こんな可愛いガメラ、許せるかっ!』と思っている”昔の少年”は、この本でもどうぞ。
特に『空想科学読本』の2は、特撮系でいっぱいです。

あのガメラが回転ジェットで飛ぶと...どうなるかっ?!

なんと、焼き肉になるそうです!

あぁ、もっと夢をぶちこわしてしまいましたね(笑)

皆さん、とにかく、いいGWを!!




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『さくらん』時分の花、土屋アンナ
2007年03月02日 (金) | 編集 |
今や 盛りの 花 咲くらん。
蜷川実花監督が料理した色(エロス)と色彩、どうぞ召し上がってくんなまし。
さくらんん188.jpg

極彩色で、赤が綺麗!でも、こなれて案外、品がある色彩(いや土屋アンナじゃなく、色彩に限って言えば)
ありゃ、椎名林檎の音楽も、時代劇のようで和のファンタジーでもあるこの映画にピッタリ!
エンドロールの音楽まで、聴き入ってしまった。

桜と金魚が、象徴的である。
金魚は、ビイドロ(ガラス)の中でしか綺麗に生きられない...遊女たちの運命(さだめ)を暗喩している。
原作マンガのほうには”金魚”のモチーフは出て来ないが、かなり原作に忠実。
主人公のきよ葉は、土屋アンナでキマってます。新鮮です。以後、きよ葉と呼びます。日暮だと両さんのマンガに出て来る4年に1度目が覚める人みたいで...やだから(笑)

土屋アンナは『下妻物語』で見せたように、ちょっと可笑しくてチャーミングで乱暴。

が、が、土屋アンナは、演技の幅に限界があり、色んな引き出しを持っているわけではない。

マンガのほうは、きよ葉の心と体の成長を色んなエピソードでゆっくり描いているから、彼女の我が儘も乱闘もまだ許せる(まぁマンガだし)マンガでは、苦界に居るのを受け入れ強く生きて行く女の姿。いやいや安野モヨコのマンガに出て来る女性は、実に生命力がある。
それに経験値の差か?!マンガのほうが色っぽい。

映画で観ると、土屋アンナはヤンキーな花魁にしか見えないし、官能的でもない(笑)
惣次郎(成宮寛貴)との場面や、最後の清次(安藤政信)と顔を見つめ合ったりの場面なんぞは、まるで純情な高校生みたいな表情だ。おいおい。日頃ツッパッている男子高校生が、テレまくってるみたいな。

気位の高い花魁が、客を選んでた...というのはあったのだろうが、土屋アンナがやると花魁の持つ意地や矜持の高さは感じられず、ただただ邪険で乱暴にしか見えなくて、高いお金を払って来る客の気持ちを考えたら、可哀想になってしまって(笑)

でも、今や鮮度抜群の土屋アンナの美貌?!とあの眼が、要るのね、この映画には。

一方、マンガより映画のほうで、感心したところもある。
キャラはぴったりだが、深く哀しく色を表現するほどではない土屋アンナというカードと、まだラストが決まってないマンガとその情報量を、よくまとめてある。マンガより脇役キャラを書き分け、際立たせている。

特に、粧い(菅野美穂)高尾(木村佳乃)がシャキッと小気味いい。
この2人の性根の据わった演技が、映えている。
いつから、この2人は、こんなふっきれた演技をするようになったのだろう。
素敵です。惚れ直しました。この映画のイチオシでもありんす。
高尾が死んでいくところなど(マンガではあっさりだが)映画ではゆっくりと美しく描いている。まるで、不慮の死を遂げる遊女の死を、悼むかのように。

女将の夏木マリさんも、如何にも”やり手婆”って感じで素敵(笑)コスチームも。

女優陣に比べたら、男優陣は少し物足りない...。

何で安藤政信?って思ったけど、マンガの清次にそっくりだったのね。雰囲気は出ている。
温かく見守るというより、クールに見ているタイプの人間だし、まぁこんなもんなのかなぁ。
でも、ずっと、見続けていたとはね...。

あのラストも少し物足りなく、甘いかも知れない。
でも、マンガのほうもラストは決まってないし、どう着地するのか迷うところだろう。

ホントにソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』をイヤでも思い出してしまうが『さくらん』のほうがずっと自由に作れる、という強みがある。

1.『さくらん』のきよ葉は、歴史上の人物ではない。
2.『どろろ』などの手塚マンガと違って、ファンがうるさくない(きっと映画を観てから、原作マンガを初めて読んだという”逆バージョン”が多いはずだ)

感動作ではないけれど、蜷川実花のデザイン(画、色、音)が隅から隅まで感じられ、一つにまとめられた映画であり、新鮮でした。これだけでも興味深かったけれど、あとは、心を、がっとつかんで欲しい。だから、次も観てみたい。
邦画界、いやはや、女性監督は元気です。

この映画、きっと嫌いな人は最初から観ないと思う。それは、賢明である。
でも、好きな人は、色褪せないうちに観てください。

安野モヨコは、幼い女の子から大人の女まで守備範囲の広いマンガ家であり、多作でもあります。
なのに、『さくらん』は丁寧に描かれていて、びっくりしました。
遊郭という苦界の中で、色々な事を経験しながら、結局、腹を据えて生きていく事を選ぶきよ葉のサバイバル・ストーリーでもあり、その強さには驚くばかりです。
初恋の相手の惣次郎も、結局”くわせもん”のような気がします。
遊郭で騙し騙されるのは、常のことかも知れませんが、きよ葉は傷つきます。
あの”笑う鬼だ”という所は、何も説明が無くて行間を読めなのか?よく分かりませんが、惣次郎の”実の無さ”を表しているのでしょうか?教えて、安野様。
それにしても安野マンガのヒロインは、バイタリティーがあって元気ですねぇ。



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『どろろ』ついに映画化!
2007年01月28日 (日) | 編集 |
映画『どろろ』は、子供向けなのか?大人向けなのか?

妻夫木145.jpg


幸か不幸か、私は『どろろ』のマンガもアニメも見ているんですね。

この映画、原作を全然知らない人にも充分面白いじゃないか、と最初は思ったのですが、途中少し退屈で長過ぎ...でも原作全巻を消化するとなると、しょうがないか...難儀な映画だなぁ~。
手塚治虫のマンガを映画化するのは、かくも大変な仕事ですねぇ。

魔物や妖怪は『学校の怪談』戦隊ヒーロー物に出て来るような可愛らしくて笑えるクリーチャーで、思わず”子供向け”だったのか?!と思ったくらいです。
だけど、残酷な場面もあるので、一体どの層をターゲットにした映画なんでしょうか?


どろろ147.jpg

柴崎コウは、黙ってると美女だと思うんです。
だから『オレンジデイズ』の時は、凄く可愛く見えました。
そして『メゾン・ド・ヒミコ』の時のように”性格の悪いブス”にも?!見えちゃう演技派です。
この人のぶっきらぼうでボソッと喋る感じが、好きです(声、がらっぱちだし)
だもんで”どろろ”の役は、終始、テンション上げてキンキンに叫んでいるので、観ているこちらには耳障りで辛かったです...。

土屋アンナ...あらら、妙~な役で出てたのね。
蛾の奥方はもっと妖艶な大人の女性がやると思ったのですが、まぁ眼が妖しいからいいかぁ。

杉本哲太は、妖怪妻を愛し、骨抜きにされた魚の腐ったような目の男”鯖目”にピッタリでした。

この”妖怪小僧”のくだりは、もっと描き込んで欲しかったです。
子供の霊が集まった妖怪小僧は『ボクニ、ヤサシクシテクレタカラ...』と助けてくれるんですね。
村人達の描き方も通り一遍だし、浅い感じで物足りなかったです。

中井貴一原田芳雄などのベテラン俳優は、安心して観れました。
原田芳雄扮する医師が『この赤子、何か語りかけて来る...』と赤子を慈しんで育ててあげるところが好きでした。体の部分も子供の屍体からかき集めて、作ってやって...呪術まじりの凄い医術でしたが。
フランケンシュタインを作った博士か...『シザーハンズ』の博士か...といったところです。
”両手が剣”の少年時代の子役も、可愛かったです。

『他の亡くなった子供のおかげで、生かされている。だから、強く生きろ!』というのが、この映画のメッセージなんでしょうね。

どろろは、どんな環境にあっても元気な悪童だし、百鬼丸も48体の妖怪と闘っていかなくちゃいけない...闘っていくたびに、生身の人間の体になっていき、弱くなっていくというのに...。

↓まだまだ、下に続きます。読んでね。
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それでもボクはやってない
2007年01月21日 (日) | 編集 |
ー電車の中では、結界を張るしかないねーby良守・『結界師』田辺イエロウ。

それぼく138.jpg


センター試験の日は、いつも寒っ!ですが、電車が止まる程の雪じゃなくて良かったですね。
お正月明け、やっと、観たい映画がずらり並びました。
さて『それでもボクはやってない』を観てきました。
初日、大手シネコンの中の小さな小屋掛け、客席はまばら...早く縮小されそうなので、観たい人は早目に観たほうがいいでしょう。

この間『Shall we ダンス?』のハリウッド版をTVでやっていましたが、ついつい観てしまいました。
映画でも観たのですが。この映画も大作ではないけど、愛すべき逸品として仕上がっています。リメイク作品で、これほどキャラクターやストーリーを、そっくりそのままに作られた作品ってあったでしょうか?
それだけ周防作品の完成度が高いという事ですよね。
こんな風にハリウッド映画を作らせた周防正行監督の11年目の映画!...やはりやはり気になります。

加瀬亮...彼も気になる俳優です。
映画によって、すごく感じが違う人で、しかも印象的です。
『ハチクロ』の時は”真山君”に扮装して少し挙動不審だったし、『硫黄島からの手紙』は極限状態で喋り方も表情もイってましたから。

この映画で、自然な素に近い”加瀬亮”を、初めて見た気がします。

加瀬亮の顔は、私、好きです。何ででしょうね。
眼が細くてハンサムじゃないのに、気になって何~か惹かれてしまうんです。

気になる監督と俳優が揃ったら、観たくなってしまいますよね。

映画ではよく眠れる?!ほうですが、裁判場面が多くて退屈なはずなのに、この映画は寝ませんでした。
静かにだんだん腹が立ってきて、最後には怒りの沸騰点にパーンと達してしまうんです。

取り調べから裁判の過程は、もうアンビリバボー!です。

留置場の先住民達(5人居ます)とのファースト・コンタクト。
今までお付き合いした事がない人達ばっかり。
何もかも戸惑う主人公、金子撤平(加瀬亮)テキパキと進む留置場スケジュール。
考えた事なかったけど、食後のお茶は”白湯”なんですねぇ。
『起床!』の掛け声に間髪入れず『おはようございますっ!』すごいっス。
皆さん、寝起きが良くてキビキビしてて。慣れてないのは、撤平だけ...歯磨きしながら、思わずベソをかいてしまいます。
あまりの頼りなさに...加瀬クン、結構リアルです。
普段は静かであろう加瀬亮の眼が、だんだん怒りで震え、声も裏返って、証言者や裁判官を睨みつけます。

最初の裁判官は、なかなか味のある人物でしたが、突然!途中で変わったりするから、たまりません。
いつもは、ほのぼの系の小日向文世裁判官が、非常ーに小憎らしげに演じています。
ほわ~という雰囲気は、まるで無しの、最初から”推定有罪”の結論ありき。
尾美としのり検察官とセットで、嫌らしい役をやっています。

第3回公判のあたりで、客席から『はぁ~』という男の人の深いため息が聞こえました。
まぁ、本当に、何回かの公判ごとに『はぁ~』とため息をつきたくなる映画だったし、最後のカタルシスもありません。
最初の頃は笑える所もあり、エンターティンメントと硬派の素材が、ぎりぎり溶け合って、決して退屈ではありません。

もたい139.jpg


楽しい映画とは言えないけれど、私はこの映画、好きです。


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映画『大奥』
2007年01月19日 (金) | 編集 |
お正月映画興行成績は『硫黄島からの手紙』に次ぐ2 位。意外な健闘であります。
豪華絢爛の”和”が、お正月にぴったり?だったのでしょうか?
私もマンガ『大奥』を読んでいるうちに、映画のほうも気になって、つい観てしまいました。

杉田かおる137.jpg


こちらの『大奥』はお姐様方のバリバリ・バトルで、マンガの『大奥』より厳しい世界でした。

家継の生母である月光院(井川遥)が、先代の正室と側室からの嫉妬と敵意にさらされ、日に日にやつれていく様は、案外はまり役です。
恋人(何て言うのか?)の側用人間部詮房(及川光博)が危険を察知して逢瀬を断ると、我を忘れて身悶えする月光院も、ぼってりした唇の井川遥によく似合っていました。

先代の正室天英院(高島礼子)と側室蓮浄院(松下由樹)...私は白頭巾と赤頭巾と呼んでいますが、この2人はバンバン飛ばして憎まれ役を楽しそうに演じていました。

月光院の腹心の絵島(仲間由紀恵)が孤軍奮闘して、これらの敵意や中傷を撥ね除けていきます。
仲間由紀恵はいつでも仲間由紀恵でしかなくて、例の微妙~に上下するビブラートのきいた口調なので、笑ってしまいました。
でも、この『大奥』の仲間由紀恵は、きりっと賢そうでいい感じでした。
恋に落ちてしまった花火の夜の仲間由紀恵も、本当に美しかったです。

白裃がよく似合っていた及川ミッチーや、ちょっとの出番でも北村一輝は、異彩を放っていました。濃い殿方達ですねぇ。
岸谷五朗がまだ淡く見えました。
柳葉敏郎は、裃を付けていようがチョンマゲを結っていようが『踊る大捜査網』の室井さんにしか見えませんでした(笑)

この映画、豪華絢爛ではありますが、途中退屈で寝てしまいました。
わざわざ映画館で観るほどのことはない...かも。レンタル開始かTV放映を、待ちましょう。

ただ、ひとつ、瞠目すべきは ”杉田かおる”です。
火をつける時の杉田かおるさんの眼は、凄いです。

夢枕獏の『陰陽師』に鬼になっていく女の話がありますが、杉田かおるさんの額にも硬い角が生えかけているのではないか、と思うくらいです。

鬼になった部分と、まだ人間の感情が残る愛憎入り混じった、何ともいえない凄惨な表情と眼を、していました。

この杉田さんの演技は、何処かの映画館でまた観たいと思わせるものでした。


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