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映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
レスラー/The Wrestler
2009年06月14日 (日) | 編集 |
輝く場所も生きる場所も死ぬ場所も、ここしかない。
レスラ945.jpg
ロープの上で、万感の思いで笑ってみせてくれたランディ。この泣き笑いの表情に、ミッキー・ロークの人生もすべて詰まっている。


ミッキー・ローク!!
『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』はジョン・ローンのほうが好きだった。
(しかし、ジョン・ローンはその後急速にオネエ化して、どっかに消えてしまった)

『ナインハーフ』は『マディソン群の橋』みたいに最初は本がヒットしてて。時々、アメリカ翻訳本のブームが起こるのよ。友人が貸してくれた。NYのキャリアウーマン(←その頃こう言った)が出逢った或る危険な香りのする男との "9週間半"のめくるめく出来事。彼と別れた後、彼女が "私のサーモスタットは壊れたままだった" という空虚感を描いてるのが印象的だった。
映画の『ナインハーフ』は、スタイリッシュなHで感動もない薄さだった。
耳目を集めたのは、イチゴジャムや氷を使ったトコだけ。
映画の『ナインハーフ』が何もひっからない薄さになったのは、濡れ場は上手いけどヘラっとしたミッキー・ロークの存在感のせいだった...と私は思っている。
つまるところ、私はニヤけたミッキー・ロークが好きでなかった...。

なんと!ミッキー・ロークも自分のニヤケた甘い顔が嫌いだったらしく、男っぽい顔に崩すため何度も "逆整形"。その後、アル中やら荒れた生活だったようで...。豹柄の深いスリットのあるパンツで、やわい猫パンチを見た時「この人、何をしたいんだろう」と思ったものだ......。

そんなミッキー・ロークが、自伝的とも言える...落ちぶれた老いたレスラーを演じている。かっては人気絶頂だったレスラー、ランディ "ザ・ラム" ロビンソン(ミッキー・ローク)本名はロビン・ラムジンスキー。生活のためスーパーで働く時は"ロビン"の名札。ステロイド剤でぱんぱんの筋肉を作る。そのおかげで、心臓発作を起す。同じく崖っぷちで頑張っているとうの立ったストリッパー、キャシディ(マリサ・トメイ)との淡い恋?!も娘との仲も、上手くいかない。今までのツケがまわって、体も暮らしもズタボロ。

レスラ942.jpg予告編は最初からブルース・スプリングスティーンの曲が入り、上手く出来ている。
予告編だけで泣けた。

昔のミッキーロークを見てきた人とプロレスファンの人は、心を掴まれる映画だろう。
でも、どちらも知らない若い人には、退屈かも知れない。
これは "思い入れ"があるかないかで人によっては評価が違ってくる映画だ、と思う。


私は『レスラー』の予告を見て以来、テンションもハードルも勝手に上げてたので...正直、その期待度ほどでは無かった。思ってたのと、少し違った。引退を決意した老いたレスラーというものも、辛いのね...。老いていく悲しみとその現実というか...。その部分をざらついた画面と描写でじっくり見せてくれるものだから、同じく黄昏れていく私としても身に詰まされるではないか。

冒頭のプロレス部分は、プロレスを知らない私にとって興味深かった!
スポーツとショービジネスの両方を兼ね備えるプロレスは、事前に打ち合わせをするのね、しかも紳士的に!(笑)プロレスのパフォーマンスが終わった後、楽屋では、ああもフレンドリーにお互いの健闘を称え合うなんて!体を張った者同士のリスペクトが感じられる。

心臓手術のあとの中盤は...あぁぁ...長い......。
ドキュメンタリー風に、ランディの荒涼とした日常を延々と描き出す...。
観るほうも、ちと辛い......。
プロレスをしてない時のランディは、孤独で惨めだ。
なんというか、惨めすぎて目が離せない。
そして、昔、色男で鳴らしただけあって、崩れていてもどこかカッコいいではないか。
今までの人生も滲ませて、このミッキー・ロークは人間臭くて、ある種、魅力的。
老いた筋肉隆々とした体というのも日常生活では何だか無様だし、武骨な手で困ったように顔を撫でる仕草も悲哀を感じさせ、味わいがある。

老いたレスラーが引退する決心をしてからの日常生活は、彼が言う「オレにとっては"痛い"のは外の現実だ」であり、本当にもの悲しい...。

ラストの試合の入場曲は、ガンズ・アンド・ローゼズの『Sweet O' Child』がバーンと流れる!がーーん!YouTubeを見ると、この頃のアクセル・ローズは、顔立ちも綺麗で凄くセクシー!!
この歌もラブソングだけど...... "彼女の微笑みを見ると、子供の頃を思い出す。彼女の眼を見ると、あの頃の青い空のよう。ずっと見つめていると、オレは泣き崩れてしまうだろう。微かな苦しみを見出してしまうから...”という幼児虐待も含まれた内容で、ピュアなんだけど痛くて哀しく感じる。ギターも泣いてるみたいで。歌詞の詳細はここ。
アクセル・ローズ(1962、2/6生まれ)は子供の頃、実父と養父に性的虐待を受け、その後、情緒不安定で強い人間不信のためか、周囲とのトラブルのエピソードに尽きない。17年ぶりのアルバム『Chinese Democracy』も彼以外オリジナルメンバーはいない...。アクセル・ローズもまた、非常に生き難い人生を送っている男である。なんか、ミッキー・ロークとかぶるよね...。

そして。エンディングのブルース・スプリングスティーンの曲。
最初の『明日なき暴走』が好きで、2~3枚 LPを持っている(LPは押し入れという名のアマゾンの秘境に眠っているw)もうずーーと、この人聴いてなかった。YouTubeで『レスラー』を聴いたけど、久しぶりに見た彼はいい感じに年取って品良くなっていた。ブルース・スプリングスティーンが歌う『レスラー』の歌詞は、ストーリーにシンクロしている。ここで席を立つ人、信じられない......。

中盤のリアルな辛さに、なんだかんだ言ったけれども......
さすがに、2つの曲とロープに立ったランディの表情!のトコで...泣けてしまった。

このミッキー・ローク、観て良かったよ!

他の俳優がやったら、私にとって凡庸な映画として、すぐ忘れ去るところだった。

ミッキー・ローク無しでは成り立たなかった作品。ラストもあれでいい。

Top 絵で描いたぐだぐだに揺れる目のラインは、実はあれ、ランディじゃなく管理人の目なのです...。


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ワルキューレ/VALKYRIE
2009年03月19日 (木) | 編集 |
トム大佐のミッション・インポッシブル!史実は辛いよ。結果は決まってる。

ワルキュ923.jpg

ドイツ人将校役に挑戦したトム・クルーズの新境地。ん?久々の主演映画かな?
雑誌で見かけるトムは顔がぱんぱんに太ってる写真が多いのですが、きゅっと引き締めての登場です。レッド・カーペットのサービス精神といい、さすがです。

『ワルキューレ』北欧神話に出て来る女神の名を冠した作戦。
ワーグナーの『ニーベルングの指環』がガンガン鳴りながらストーリーが進むのかと思ったら(ちょっと期待。高揚感あるからねw)シュタウフェンベルク大佐が自宅でレコードを聴いて、この作戦を思いつくのに使われている。


前半の作戦は10分!
大佐がカバンに爆弾を仕込む所も、爆撃で右手を失い3本の指しかない左手でやるので、はらはらしてスリリング。爆発後は、一転して室内で情報戦。反乱軍鎮圧用に作られていたオペレーションを利用して電話や伝令などの通信網を使い、各地域を掌握しようとする。ヒトラーははたして暗殺されたのか?生きているのか?本当にどっちか分からない状況だったら、凄いサスペンスだったと思う。


ただ、ヒトラーの暗殺に失敗してる事は分かっているので、痛ましい気持ちでストーリーを追いかけてしまう。そして、最後の時が来るのも早くから覚悟して観るので、涙は出なかった...。そういう意味でいうと、サプライズ感はあまり無かったかなぁ~。


ワルキュ922.jpg
この『ワルキューレ』は、ドイツ軍内部から描いた作品。

例によって、私はシュタウフェンベルク大佐がドイツで語り継がれる人物だった、とは全然知らなかった。

総統のためにでなく、祖国のために戦う。

こういう人物が居たという事に、脚光を当てたのは耳目を引く。

ホントに、最近は色んな角度からのナチスドイツ物が作られている。


ヒトラーやナチス関係やこの時代の映画は、それこそ数多く作られていて、しかも『戦場のピアニスト』『ブラックブック』『ヒトラーの贋札』『ディファイアンス』など、今までと違った視点から工夫されて描かれている。皮肉な事に傑作が多いので...『ワルキューレ』はそれらの中にあっては、う~ん普通の出来かな...。スリルとサスペンスが身上の映画なのに、ヒトラーが死んでなかった事実が最初から分かってるので、すごく勿体ない作りになっている。

まぁ、それでも、かなりドキドキさせてくれ飽きさせないし、作戦メンバーの俳優は重厚である。ドイツ人将校役のトム・クルーズの軍服とアイパッチは、映えますね��-��


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これは、予約投稿です。
只今、留守にしてますのでTBやコメントのお返しが出来ません。申し訳ありません。
戻り次第レスしますので、ご了承くださいませ。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
2009年01月27日 (火) | 編集 |
『タイタニック』の氷の海にどぼどぼと沈んでいったレオと『レボリューショナリー・ロード』の最後のレオと、どちらが幸せなんだろう...。

レオ890.jpg
決定的なネタバレは無いものの、結末予想できる書き方なので、未見の方は控えたほうがよろしいかと。

"結婚”という平凡な素材に、空虚さと崩壊、残酷な現実を描いた作品。
なるほど『アメリカン・ビューティー』の監督、サム・メンデス(ケイトの夫)らしい作品です。

結婚って"ゴール"じゃなく"スタート"だからね...ほんと、夫婦って難しい。
どっかの紛争地域で日夜活躍しているどっかの諜報部員の話より、私にとって何だか怖くて身に詰まされる話だ...。えらく胸にぐさぐさ突き刺さるじゃないか、と思って観ていたが...途中から、この美人妻エイプリル(ケイト・ウィンスレット)!むむむ...。

監督!私、共感できませんっ!これ、モンスター妻です!

独身の人は『あ~、結婚している人はより感情移入できるんだろうな』とか思うでしょうし、男性なら『女性は妻のほうに共感するんだろうな』と思われるでしょうが、いや、さすがに既婚女性の私ですが、それは無いです。

これは傑作小説と言われたリチャード・イェーツの原作を活かし、俳優たちの迫真の演技を堪能する映画なのだ、と切り替えました。作家本人もアル中や精神障害に悩んでいたようで、鋭い心理描写のある作品に反映してますね。不動産屋ヘレン(キャシー・ベイツ)の...精神を病んでいるが故に鋭敏な観察力を持っている息子ジョン(マイケル・ショノン)にも似た人だったのかも知れません。

桐野夏生の"女が壊れていく"小説を読んで、日常生活のディティールに頷くものの、あそこまで壊れた事がないのと同じで、嫌な後味を感じつつもリアルと虚構のストーリーを味合うのに似ている。深くて暗い井戸の底って、つい覗きたくなりますからね...。

50年代というのもポイント。まだまだ女性の社会進出の出口が閉ざされていて、余程の才能でなければ、エネルギーの持っていきようがなかった時代。しかも、エイプリルは自己中で強烈に夢を追いすぎている。自分と現実を分析して、諦めて落ち着くほど大人でもない。大体、こういう女性は結婚しちゃいけないデス。
独りで夢を追いかけなさい、と言いたい。
今の観客に、この時代の女性の閉塞感がどのくらい理解できるのだろうか?共感できるのだろうか?
私は、後半、もうエイプリルにはついていけませんでした...。


レオ891.jpgただ、俳優たちの演技は、目を見張るものがあります!

夫のフランク役のレオナルド・ディカプリオは、弱さと繊細さがこりゃまたピッタリです。
ケイトだけでは説得力がなかった『美男美女の夫婦』も...レオが隣に並ぶと、なるほど!と納得。どう考えても、妻エイプリル(ケイト)の強さに押されている夫フランク(レオ)が何だか可哀想になり、同情をそそります。
夫婦の激しい諍いの時、感情を爆発させたレオの子どものようにくしゃくしゃに歪めた顔、凄かったです!一皮剥けたこういうレオの演技に、改めて感心しました。

しか~しです!
このケイトの演技、もっと凄い!(怖い!?)と思ってしまいました。
ケイトの顔も体も雰囲気も、こういう文芸作品に似合う存在感を持っていて、品が良く普通っぽい。まさか狂気に走るとは思えない。そのケイトが徐々に精神崩壊しつつある演技を見せてくれ、ぞっとしました。『リトル・チルドレン』でも郊外生活者の虚しさと暴走を演じていましたが、いやはや上手いですね。

『こんな美味しい朝食は初めてだ』
私は『こんな恐ろしい朝食は初めてだ』と思いました。
静かに卵をかき混ぜているケイトが、何故こんなにも怖いのでしょう...。
妻エイプリル(ケイト・ウィンスレット)の心理経過だけ追っていけば、ある意味サスペンス・ホラーです...。

まぁ、結婚生活いろいろあるわけで。でも、私が何者にもなれなかったのは、夫のせいじゃなく自分のせい。映画のキャッチコピー"あなたの最愛のひとはあなたを愛していますか"の質問の答えは、はっきり言って『NO!』
ウチはお互いぎゅうと両目つぶって、寄り添っているようなもんです...たはは...。

こういう私が観る作品としては...精神的に辛く暗鬱とした気分になるので、好きではありません。

"結婚"とは?"夫婦"とは?普遍的なテーマを深く重く考えさせてくれる映画でありますが...観た後どっと疲れるので、覚悟して観ましょう。

レオとケイトの演技は良かった!と思いました。


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ワールド・オブ・ライズ/Body of lies
2008年12月28日 (日) | 編集 |
地球864.jpg
この映画のレオナルド・ディカプリオは髪も目もダークで髭だらけなんですが...『綺麗な人は綺麗に』の管理人のモットーで控えめにしました、悪しからず。

"曲がり角"って失礼な事を書きましたが、レオナルド・ディカプリオは『ブラッド・ダイヤモンド』といい、いや~きっちり骨太い役にシフトしてきたと思います。
最初に見たのは『ギルバート・グレイプ』知的障害者の弟を演じて、おぉ!いい性格俳優になるだろう!と思ったら、顔が綺麗なためアイドル俳優のほうへ。『タイタニック』がピークの美しさ。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、ギリでキュートで好きだったなぁ。

彼の持つちょっと脆弱なところが、中東の現地を理解しCIA局員にしては優しすぎるフェリスという役にはまっている、と思います。最後の看護士の彼女を見つめているレオナルド・ディカプリオの目を見ていたら、つくづく男っぽくなったなと感慨深いです。

フェリスと対照的な上司、ホフマン役のラッセル・クロウも、体重増量と低音の迫力で、酷薄なCIA幹部を上手く演じています。この映画の監督リドリー・スコットの『グラディエーター』私、好きでした!闘技場で、思わず指揮を取り盾で円陣を組むところや『My name is...』と名乗りを上げる場面など、ぞくっとシビれました。ラッセル・クロウ、好きな俳優さんです。ただ、早く減量してくださいね(笑)

ヨルダン総合情報部の局長のハニ役のマーク・ストロングも、妙に印象的でした。



地球865.jpgあまり考えこまずにエンタメ作品として観たら...テンポもいいし、迫力もある...なにしろ、この私が寝ないで鑑賞できました。
このような硬派なテーマなのに、興味深く見せてくれました。


ホント、中東情勢って、日本人には分かり難いし、よく知らないですよね。

私も恥ずかしながら『ペルセポリス』(←イラン女性が描いた)というマンガで、初めてシーア派とスンニ派の成り立ちを知ったし、それまでの生活が180度変わり批判される作者の家庭や取り巻くイスラム世界の複雑さをかいま見て、驚きました。元々、色んな考えや対立があり紛争の多い地域なんですね...。

『イスラム法に基づかない政治を行う為政者は、背徳者』というイスラム過激派の中でも、批判したり転向したりと一枚岩では無いし、それぞれの自己主張の強さ、苛烈な風土と宗教...正解が無いカオスの世界fです。

なのに、全く価値観が違うアメリカが、中東で活動する困難さ。
徒労感ばかり感じ、ずぶずぶと前進も後退もできない。
最初に『すべてフィクッションであるが、すべてありえる話である』と、テロップで流れるものの...実際、CIAもテロ首謀者を捕まえる為、手段を選ばず汚い手を使ってるかも知れない...。もはや『ホワイトナイト』ではいられない、まさしく『ダークナイト』のアメリカであります...。
CIAの上層部のホフマンに見られるようなアメリカの傲慢さは確かに嫌だけど、私は全面的に批判する気にもなれないです。だって、アメリカ側に正解は無いけど、イスラム過激派のテロ組織にはもっと無いですから。この問題は、非常に複雑です...。それに、無差別テロはどうしてもどうしても理解できないから。

これ、アメリカでヒットしない理由がわかる気がします。
この先テロ対策はずーと続けられるだろうし、結論が出ない難しい問題だらけで...暗鬱とした気持ちになりますものね...。

よく考えると、年末年始に観る映画としてはカタルシスが無く暗いです...。
まっ、よく考えずに、男臭くなったレオ様を観るっていう手もありますが...。



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レッドクリフ
2008年11月06日 (木) | 編集 |
張飛の虎ひげや逆立つ眉毛や、関羽の美髭を見ると、嬉しくなるけれど...。

三国志822.jpg

孔明役の金城武が、案外良くてビックリ!この人の映画や演技とか、それほど印象に残らないけど、顔はぼぉ~としてロマンチックで好き。なんか、こぉ~、女なんか好きにならないみたいなBL的匂いがして(コレは腐世界に堕ちた私の勘w)

"美周郎"と言われた美しさとは話が違うけど(笑)...周瑜役のトニー・レオンも演技力があり、この2人の存在感が映画を助けていた、と思う。


キャスティングも二転三転してたらしく、結局トニー・レオンが戻って来たのは正解だった、と思う。最初 "曹操"役は、渡辺謙の名前も挙がっていたらしいが、セリフの問題もあり...果たせず。渡辺謙の "曹操"映えたのに!きっと!残念!

そうそう "曹操"役の人!(←別におやじギャグではない)チャン・フォンイー。
この人『さらば我が愛/覇王別姫』でレスリー・チャンの相手役ですよ!
"小豆"をかばっていた"石頭"の少年の頃は凄く良かったのに、大人の彼は無難にまとまっていて喰い足りない気がしたが、今回も同じ。悪くはないが今ひとつ。腹黒い管理職って感じで部下とも案外上手くいってて、随分そつがない曹操(笑)もっと部下にも畏怖され、苛烈でスケールの大きい曹操が見たかった。


脚色と分かっても、小喬に横恋慕して呉を攻める...っていうのも何だかな...。
『英雄、色を好む』の曹操であるが、側室200人(北方三国志8巻P.57)息子は25人(三国志人物鑑定事典P.88)も居たっていうから、1人の女の為というより天下制覇の為に呉を攻めた、と私は考えるが...。『レッドクリフ』のノベル化された本を立ち読みしてたら、のっけから大喬と小喬の姉妹が周瑜と孫策(孫権の兄)のハンサムコンビに拉致られるトコから始まるので、呉の周瑜近辺をズームアップした物語なのだな、と今更ながら思い知らされる。三国志は長いから、映画化するのは至難の業なんだと、自分に言い聞かせてはいる...どうどう。

私が"三国志"で見たかった内なる光景や場面と、映画で見た場面がちょっと違っていた気がする。映画の尺は決まっているので、ここ長々やってていいのか?と心配になってくる...。琴のセッションとか虎狩りとかサッカーらしきもの?とか小喬のシーンとかとかとか。

『小喬、もちっと包帯はフツーに巻いてくれぬか?さっさと巻かぬと傷に触るが』と、私がトニー周瑜だとイラっとして言いそうになるが、さすが『ラストコーション』から駆けつけたトニー・レオンはねっとりと優しい(笑)官能映画は好きな私のはずなのに、男っぽい映画に女が出て来ると、なんか面倒臭い...。


三国志823.jpg関羽や張飛や超雲のお披露目武闘シーンは、楽しかった^^

関羽役の人は、チンギス・ハーンの末裔であるモンゴル人の俳優だそうである。
雰囲気はあった。でも、関羽はなにしろ身長九尺(207cm)なんで、カメラワークで大きく見せる工夫をして欲しかったかな。

張飛の虎髭や逆立つ眉毛は、よいわね~。
蛇矛を使わず、素手でぶん殴ってたわね(笑)

趙雲、強くて美男でカッコいい!と思っていたが、この映画の趙雲は...

美の記号である白馬に乗ってるものの、純朴な野球部のコみたいで(笑)
美しくないがゆえに、好感が持てる好漢(←おやじギャグではない)で、良かった!!


三国志825.jpg
本も読んでないゲーム脳の息子に...
『小喬がエロかった』と言うと
『えー、そりゃあロリだな』(←語彙、少なめw)
(ゲームの小喬は小っちゃい)

で、周瑜を見て...
『えっー!周瑜がこんなおじさん?!』
と驚いていた。

←あ~、まぁ、ゲームの周瑜は、こんなだもんね。
(腐女子向き?!戦国武将物も超美形で凄いコトになってますぅ~)

アジアの俳優を知らなくて、ゲームしかやらないコにはびっくりなんでしょうね、たはは。
    ↓↓↓  

三国志826.jpgトニー・レオンは、周瑜にしては地味~なんだけど『周瑜と趙雲だけは美形にしろ』と思ってた私も、この作品は彼の演技力は必要不可欠だと、認める。
トニー・レオンと頑張った金城武と2人がいなければ、もっとパっとしない映画に仕上がったと思う。

関羽や張飛を見れて嬉しかったし『八卦の陣』の戦闘シーンは魅せてくれたけど...ちょっと長くて、割と並列に描かれているので正直タルくて。私は、一個の映画としては満足できなかった...。

『Part1』だろうが続編だろうが、メリハリとそれなりのまとまりがあって、この作品を単独で楽しむ引力が欲しかったかな...『次回分解』(次に続く)に、期待!

今、観なくても...『Part2』公開の直前に、この映画を観て続けて楽しんだほうがいいんじゃないかな、と思う。

まっ、いろいろ考えたりツッコんだり、楽しいトコはあるんですが(笑)
『Part2』は観ますよ!『赤壁の戦い』を観たいから!



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おまけ......
だいぶ前に『北方三国志』を読んでいる時はマイブームだったけど、今はあまり中国物は読んでないですね。あっ、最近は『食べてはいけない中国食品』などの中国本を読んでいます...。


横山光輝のは2冊買ってキャラの見分けがつかなくて、挫折。たはは。
それに集めると、本棚を占領するのが...怖いんで。

横山御大、申し訳ありません...。


『蒼天航路』は、絵が苦手なんで未読。




最初に読むには、吉川英治のが一番スタンダードで良い、と思う。
従来のイメージ通りだし。

私は、うっかり先に北方三国志を読んでしまったので、あまりに定型的な張飛などに物足りなくて。
かつ、今、平成の時代に読むには何ともまどろかしい文体に感じてしまって...。

2巻までで挫折(汗)



宮城谷昌光の小説は好きだったので、これ3巻までソッコウ単行本で買ったんだけど『えっ?これ三国志?』っていうくらい、後漢の宮廷の血で血を洗う権力闘争が延々~と続く(汗)辛い、疲れる、読むほうにも我慢を強いる...。
曹操の祖父の話やらで...。やっと登場した劉備も、あまりよく書いてないので、ちと違和感を感じる...。『三国志(正史)』から書かれているそうで...あ、だからか、曹操メインか...。

三国志は、自分なりの視点やアプローチでかなり解釈も描き方も違うんだけど、いわゆる血湧き肉躍る英雄たちの三国志を読みたい人には、おススメしない。

表紙カバーに付いてる3巻分のシールを贈ると『三国志の絵地図』をもらえるけど、コレがあまりにもショボかったので、がっくり。
気持ちが萎えたぞ、文藝春秋。宮城谷三国志は3巻で挫折。



唯一、完読したのがコレ。
最初は素っ気ない文体が読みづらかったが、慣れると心地よい。
『赤壁の戦い』まで読み進んだ時、すっごく高揚感があった!
まさに、きたぁー!!って感じ。

ちなみに北方三国志には『桃園の契り』は無い。
『今日逢った奴がそんなことやるかよ』とリアリティーが無いから、だそうで(笑)
ハードボイルド小説の作者らしく、ちょい悪(だいぶ悪?!)男である呂布や張飛がカッコいい!凄く魅力的に書けている。草原で馬と生きる成玄固(←北方氏の創作)や馬超にも心惹かれる。
非常~に男っぽい。でも、かなり、北方謙三視点。

『三国志読本』で北方謙三氏は『劉備が泣くのが許せなかった』とか、登場人物がすべて潔い男たちで、気持ちのいい男たちばかりなのは『僕は、そういう男たちが好きだし、そうでない男たちは嫌いなんです』と言っていて、笑ってしまった。
くぅー!なんて男臭いんだ!(笑)
北方三国志を書いた人もまた、今、風化しつつある漢(おとこ)である。

私が、この北方三国志で一番好きだったのは『赤兎馬』だなぁ!
赤兎馬と呂布の結びつきは、泣ける...。

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私がクマにキレた理由
2008年10月17日 (金) | 編集 |
これがホントの『家政婦は見た』なのだー!

クマ813.jpg

アニー(スカーレット・ヨハンソン)は、結構、優秀な成績で大学を卒業したのに、就活の面接にメゲてしまう。『う~ん、私って何がしたいの?』と考え込み、立ち止まる日々。そんな時、アニーはナニー(プロのベビーシッター)と間違えられる。
ニューヨークのセレブな暮らしが味わえるのもいいか、とナニーの仕事を引き受ける事になる...。


全米ベストセラー小説『ティファニーで子育てを』の映画化。
邦題は『私がクマにキレた理由』なるほど!最後に分かる仕掛けです。

セレブなミセスX(ローラ・リニー)は、家庭を顧みない夫へのやつ当たりもあり『ナニー!ナニー!』と24時間こき使い、ひと晩も子供を見れないほど、忙しい。えっーー?日本ではせいぜい子育てのアウトソーシングは、実家の母に押し付けるぐらいです(笑)
『松・竹・梅』でいうと『梅』の暮らしをしている私(涙)には、NYのマンハッタンに住む上流社会の子育て事情はとんと分からないけど、本当にこんな感じなんでしょうか?う~む、酷いっ!

ミスタXは、なんと!ポール・ジアマッティなんです。『幻影師アイゼンハイム』に出ていた印象深い役者さん。最初は、顔が見えないんです。
で、ジアマッティさんの良さも、全然見えない役なんですよ~(笑)
その子犬どうすんだーよー!ラブラドールの可愛い子犬!もう、全くぅ!
ハゲでデブで "人の顔は見ないがお尻は見る"肉食動物って事が、よく分かる役づくりでした、たはは。

アニーの"お仕事探し"と"自分探し"の体験記。NYの上流家庭という未知の世界を現地学習するアニー。少しは経験値が上がったかな。

"自分探し"ながら、ついでに"ママというもの”も再発見。
最後にアニーのママ(庶民派ナース)がカッコよく見えたし。
あんなに面倒見ないセレブママでも、幼い息子はママを慕うのね...。

どんな立場から見ても『ママは有り難し』の存在なワケで...。しみじみ。



クマ814.jpg就活の人におススメ!と言いたいところだが、そこまでシビアな作りでなくて...。

なんとなくモラトリアムでいたくて...院に進もうか、卒業してハードな業界に行ってサクセス街道まっしぐら!つ~のも何か違う、面接には凹んだし、とりあえずNYのセレブ社会のナニーという異文化を体験してみるかな...あ、いい彼も欲しいな、うん...みたいな。(文がたらたら長いのは、アニーがそれだけ迷い中~ってフンイキを出したw)

『私は何がしたいの?』『私の人生これでいいの?』『この先、どうなるの?』...と、まだ、ちょっとフラフラして不安な、フワ~と迷っている人に贈るガールズ・ムービーです。


アニーの専攻だった『文化人類学』を活かして『国立自然博物館』(映画『ナイトミュージアム』でもおなじみ)の展示物よろしく、NYの街角にいる女性を研究観察するというアイデアと、テンポの良い脚本でなかなか見せてくれ、可愛い小品となっています。まっ、決定的なパンチ力はやや弱いので、DVDでもOK!かな。


本来 "おやじキラー"であるスカちゃんがセクシーさを抑え、キュートな魅力が出ているコメディでした^^


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おや、この2人の著者エマ・マクローリンとニコラ・クラウスは、元ナニーだそうです。
セレブ家庭の子育て事情って、どうやらマジでこんなもんらしいデス?!
ミセスXの、ナニーに対する無理難題な注文と、贅沢三昧の暮らしぶりに、ため息が出そうですね...。NY好きでセレブの生活を覗き見したい人には、面白いかも。
原書も簡単な英語だそうで、チャレンジしてみるのも良いでしょう。いや、私はしませんが(笑)



ラスベガスをぶっつぶせ
2008年06月14日 (土) | 編集 |
あ...皆様、お久です�G���������͂��Ă�������...ごめんなさいっ!
さて初日に観たんです...絵は早くupしてたんですが、大分たって忘れてしまったので(あー)次行きたいしサクサクと終わりたいと思います。では。
ベガス762.jpg

最近、観てた映画と毛色が違い、これはこれで面白かったデス。

私は数学もギャンブルも苦手だし、ブラックジャックのルールもよく知らないんですが、テンポよくラスベガスの魅力、いや魔力を見せてくれて、楽しめました。

ただ、最後に、私的には釈然としないキモチも微妙~に残り、AAAの成績はつけたくない...あはは、ただの凡人のやっかみですね。
最初から最後まで、ぽか~んと口開けて聞いていた奨学金審査担当の教授と一緒のただのギャラリーですから。

ベガス759.jpg『MITの学生が、ラスベガスで大金を稼いだ』という話は、小耳に挟んだ事があり...その時、それだけの記事だと痛快感があったけど、実際、映画で観てみると、ついつい教訓めいた事も言いたくなっちゃう...。地道に生きよとか、何が大事で何が大切で...とか。あ~いけない、いけない。所詮、非日常的な金を搾り取るシステムの背徳的な世界の話に、野暮な感想だったかな。

この原作主人公のモデル、ジェフ・マー(中国系か?)は『世の中には、生活費を稼ぐために好きでもない仕事に就いている人が多いと思う。僕はブラックジャックのおかげで一生そういう仕事をしなくてすむ。自分がやりたいと思うことをするだけのお金はあったから、ウォーター・ポロのコーチをした後、スポーツ関連の会社を立ち上げた。お金のために、自分が純粋に楽しいと思えないような仕事をする必要はないんだ。それがブラックジャックにもらった最大の贈り物だ』と、言っている。
ほ~~、言ってくれるね。

アメリカってパワーゲームの世界だし、勝つのも力のあるのも好きなんだなー、とつくづく思い知る。うん、かなり、音楽も、2転3転するストーリー展開も楽しんだけれど、でもでも最後にはコツンとカチ当たるのが、この映画。結局、感動はしないけど、色んな意味で興味深かったデス。

主人公ベン役のジム・スタージェスは、英国人なのね。アメリカンよりかえって、デキる学生に見えて良かったかな。微妙にダサい学生から、少しずつ洗練されてカッコよくなっていくトコも楽しかった。

本当にMITにこのタイプの美人が居るのか?疑問だけど、ジル役のケイト・ボスワースは、普段のノーメイクの学生っぽい姿も素敵だった。この人『ブルークラッシュ』では、薄い胸でヤンキー(アメリカ人に言っていいものかどうかw)っぽいネーちゃんだったのに、わっ随分セレブな美女になったのね~、という感じ。

ケヴィン・スペイシーもローレンス・フィッシュバーン/コール・ウィルアムス(長っ)も、さすがに締めてくれました。

悪徳教授ミッキーは、ある意味、本望じゃないかしら。
金の欲に手を染め、それで裁かれる。あそこまで徹底してヒールだと、むしろクール。そして。同情もしない。

それにしても、ゴツい男の指輪なんて、やっぱナックルダスターというかメリケンサックの代用だったんですねー。再認識しました。


  ↓この友達2人、雰囲気出てたね�ɂ��ɂ� ロボコン、優勝おめでとう!
ベガス764.jpg

数学出来る男の子って、いいなぁ~。
なにはともあれ、優秀な頭脳は自らの未来を切り拓くのだ。

...と凡な管理人は、つぶやいて終わるのだった。


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あんまりやる気が出ないので、次は趣味を先行。
『ブルーブルーブルー』と『ダイブ!!』ね。じゃあ�o�C�o�C

ライラの冒険 黄金の羅針盤/THE GOLDEN COMPASS
2008年03月01日 (土) | 編集 |
女優陣は、美形揃いです!男優は...次回作に期待しますw

ライララ.jpg

私はファンタジー映画は好きなので、B級、C級まではOK!
この分野の映画は、いつもそれなりに考えずに(笑)楽しませてもらっています。
原作は、比較的新しい『ハリーポッター』や『エラゴン』等は読んでいますが『ナルニア』は1巻まで。そして『指輪』やこの『ライラの冒険』は未読。
この『ライラの冒険』はあらゆる児童文学賞を受賞し、大胆で複雑な内容はむしろ大人向けだそうです。
今日、文庫本上下2巻を見つけゲット。これから読みます、楽しみです。

さて、映画は...作品としては『続』としか言いようがなく、まだ途中(笑)
ホントに、これこそ大いなる "序章"です。
今のところ『ライラの冒険』の世界観やキャラクターを、ばぁ~と散りばめている状態です。続編があるといえども、せめて、もう少し一話完結で観られるエンディングにして欲しかったかなぁ。
しかし、3部作まで行くなら、この最初の作品は押さえておきたい...といったところ。

私は、それなりに楽しめました。少なくとも『ナルニア』より好きです。
主人公は珍しく女の子だし、生意気そうで好きな顔立ちではないのですが、途中から笑顔が『あらっ』というほど魅力的になって、成長するキャラクターを身を以て演じています。
大きくなったら、ニコール・キッドマンのような、クール・ビューティになりそうですね。
ニコール・キッドマンの悪女ぶりも素敵!彼女の冷たい美貌を引き立たせくれ、美しい!
もう、フツーのいい人の役なんか、金輪際やってほしくないですね(笑)

あと、一人一人についている動物の形をした守護精霊『ダイモン』の存在も、魅力的。
その人に離れずピタっと付き添っている姿は、素敵です。思春期を迎えたあとじゃないと、その姿は定まらない。ユキヒョウかなんかだと、カッコイイですね。



実は、私にもダイモンがいます。

こちら↓"よろいグマ"
ライラ656.jpg

あっ、間違えました。可愛すぎでしたね、ふふ。



↓あ、こちらが、私のダイモン"よろいグマ"です。
ライラ657.jpg




さてさて...
こういうファンタジー大作映画は、3部作全部を観てから評価すべきなんでしょうかね?
それとも、児童文学出自のものだし、素直に楽しむものなんですかね?
むむ、それが問題だ...。


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リトル・チルドレン
2007年09月09日 (日) | 編集 |
夏の終わりにオトナの映画を観た...。オトナになれない大人達の物語。

リトル429.jpg

ちょっと前に観たけど”塩漬け”になっていて、やっとupです。
ツタヤで『がんばれベアーズ!』が空くのを待っていたら、9月になってしまいました...。
何故『がんばれベアーズ!』かというと、どうしても見て確認したい子役がいたからです。

この映画は上映館が少ないせいか、あまり話題になってなかったような気がしますが、私の中ではスマッシュヒットでした。
結構、深刻そうなのに、どことなく滑稽な部分があり、苦笑、失笑、冷笑...と思わず笑える...。
そうそう、英国映画では無くアメリカ映画なんですが『クィーン』や『あるスキャンダルの覚え書き』と似たテイストと肌触りがあり、この辺が好きな人にはお薦めです。どちらかというと女性向きかな。

まず、キャスティングが素晴らしい!
本当にこの役はこの人!というほど、ぴたりとハマっています。

サラはケイト・ウインスレットじゃなきゃあダメ(強気ですw)
あのぽったりとした躯で ”昼下がりの情事”に走る...。それも、サラから、すんごく積極的に。
そばかすの多いざらついた肌と太目の身体が、妙に主婦っぽくて、生々しいなと(笑)
郊外に幽閉された主婦の枯渇感と退屈から逃れるように、ぷちんと非日常に突っ走るリアリティに溢れている...。そして、彼女が持つナチョラルな存在感と優しさ。
真夜中の公園で、元性犯罪者のロニーと鉢合わせして、たじろぎ慌てふためくも、ロニーのあまりにも胸を衝かれる泣き方に、彼女は思わず声をかける『あの、大丈夫?』と。
サラ演じるケイトの、まぁるい優しい感じがよく出ている。

ブラッド(パトリック・ウィルソン)は『プロム・キング』なんて呼ばれるほど、最初『どこが?』って、私にはハンサムに見えなかったけど、この男(ひと)は表情と話し方がチャーミング。
だから、見ているうちに、好感を抱いてしまう。汗をかいた裸も綺麗。
『オペラ座の怪人』の恋敵のラウルの役?この人だった?全然っ、印象に無い(笑)
それより『ハード・キャンディ』のほうが上手い。こちらもたくさん汗(冷や汗w)をかいていたけど、汗が似合うし、ちょいとHな役でもイヤらしく見えないタイプの男(ひと)である。
そして、見た目より”子供っぽい”男を無責任に無自覚に演じていて、やはり彼も役にハマっている。

彼の妻キャシー(ジェニファー・コネリー)は、クールで知的な美女すぎて、ブラッドの空虚な潜在意識を圧迫する...。もちろん、彼女はバリバリ前を見るオトナの女性であり、モラトリアム(司法試験の勉強中)のブラッドの気持ちなんぞ考えちゃあいない。

ラリーも警官を辞めざるを得なかった...どうしようもない大きな”子供”。

ロニー!(ジャッキー・アール・ヘイリー)この人には、誰もがびっくりするだろう!
元性犯罪者の役を『地?』と思えるほど、ぞっと気持ち悪く演じている...。↓ほら、こういう感じ。

リトル2430.jpg

彼は、なんと『がんばれベアーズ!』に出ていた不良少年ケリーをやっていた!
タバコを吸い、バイクを乗り回し、いい女は速攻口説く。
リトルリーグは12歳までだから、15歳でやった彼はあの頃も小柄だった。
でも、眼は美しくハンサムと言えるだろう。
彼は13年ぶりに奇跡のカムバック。その間は色んな仕事をして生計を立て、苦労したそうである。


観客は、ロニーがデートの後に取る行為にフリーズし、最後の場面で獣が哭くような声に胸をつかまれ驚かされる、と思います。凄いです!本当に演技をしているようには、見えません。
ぜひ、観て下さぁい!

後味は、案外いいんです。
サラは、最後には”一番大事なもの、失ってはいけないもの”に気付くのです...。
映画の中の人達は、みんな”大人”として歩き出すことでしょう。

最初は笑って観ていたけど、自分の事に置き換えたら...これは怖い映画だわ...。
いくら年取っても”大人”になったとは限らない...。まんま自分?!(汗)
何かに不満でも『自分で何か変わろうとしている?』と聞かれたら『NO...』
一歩も前に出ていない...。
もし未来を変えたかったら、自分の意志で変えること、前に進むこと...なのね。

むむ、とにかく、お薦めです!!

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リーピング
2007年05月21日 (月) | 編集 |
ヒラリー305.jpg

『リーピング』タイトルだけでも、何の映画かよく分からない。
『イナゴ少女、現る』『あなたのクラスにも、いませんか』(←コレもよく分からない)
このキャッチコピーのせいか、中高生の女の子同士もチラホラ。

あまり怖くないホラーなので、ホラーが苦手な人にも安心して観れます。
但し、筋金入りのホラーマニアには物足りないかも。
一番怖いのは”音”で、私は思わず飛び上がってしまったけど(汗)
後は、それほど気持ち悪くも痛くもなく...。
血の赤い川も、プカプカ浮かぶ魚や蛙も、ミイラもまずまず平気...。ふう~。
ただ、子供が犠牲のターゲットになる話なんで、ええっいいの?こんな話?!と抵抗感もあり。
キリスト教徒なら”暗黙の了解”みたいなものもあるんだろうけど、旧約聖書の『10の災い』の話なんで、少し分かり難い。

ヒラリー・スワンクの役は、過去の出来事からの反動で信仰を捨て、あらゆる怪奇現象や奇跡を何がなんでも科学的に解明する、という大学教授。

今回のヒラリーは汗だくでもなく、白いロングスカートだったりして、割合、綺麗にしてるけど、顔長族のヒラリー・スワンクが怖がる顔は、案外、怖い...。
ヒラリー・スワンクの他に、脇役に魅力的なキャラがいないので、映画に感情移入や愛着がイマイチ湧かない。ヒラリーだけで、頑張っている?!
『ミリオンダラーベイビー』なんかイーストウッドやモーガン・フリーマン等の名優がいて、彼女の気丈な一直線な強さが生きるのに、この映画では寂しい。もっと、脇役にもお金を使って!プリーズ。
ストーリーも謎解きも分かり易い。彼女が、この町に呼ばれた訳も。

イナゴ少女も、もっと早くわけを言いなさい!と思うんだけど。
このイナゴ少女ローレンは『チャリーとチョコレート工場』に出ていた勝ち負けにこだわる生意気少女を演じたアンナソフィア・ロブ。
ディズニーのファミリー向け映画『BRIDGE TO TERABITHIA』(テレビシアにかける橋)にも出ている。これ、児童文学が原作。
笑うと、ほっぺがぽっこりとなって、コミカルな表情になるが、この映画ではまるで美少女。
眼も綺麗なアーモンド型。顔が、横に楕円のアメショーの猫みたい。

最後に、気になる事が一つ...”男の子”!
『オーメン』みたい?!と一瞬思った。となると、コレ、絶対、続編あると思う。
この映画は、すごく怖い、すごく面白い、というほどでもなく...でも、そこそこ楽しめる。
でも、もし続編があるなら...わざわざ映画館に行かなくとも、その時にDVDチェックするのが賢いやり方かも。
この映画、設定次第で、これから面白くなる要素はあると思う。
だって、ほら、美少女ローレン...今から、中学、高校になって、この不思議で不気味な存在はどこの学校でも『キャリー』みたいに摩擦を起こすだろうし。
その”男の子”も含めてヒラリ・スワンクは苦労しそうだ...。これ以上、顔が怖くなりませんように!
うん?続編を期待してる私でした。


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ラブソングができるまで
2007年05月11日 (金) | 編集 |
ラブソング296.jpgあはは、最初から、笑わせて、いや、楽しませてくれます。
80年代風のPVが、素敵です。腰もくいくい振って踊って歌うヒュー、頑張っています(笑)

GW、とにかく観たい映画が多くて、この『ラブソングができるまで』を外そうと思ったのですが、やっぱ、他のブログやレビューを読んでいると、何だか観たくなってしまって...。

映画は何を観ようか?とか、何の本を買うか?とか、マジ、他のブログを参考にしている私です。
私のブログは、情報upが遅いですから『似てる~言えてる~』『あはは、そうそう、こんなだった』と思ってもらえたら、嬉しいデス。


というわけで、遅ればせながら『ラブソングができるまで』を観て来ました~。

ラブソング2297.jpgいまや、過去のPOPスター、アレックス(ヒュー・グラント)落ちぶれて、営業の日々。
キャーキャー騒いでくれるファンは、昔のお嬢さん方(すごっ!)
ある日、彼のファンだった人気の歌姫コーラ(ヘーリー・ベネット)から、新曲の依頼が!
彼の部屋に来ていた植木係のソフィー(ドリュー・バリモア)を急遽、作詞家にして、新曲を作り上げる...。
ソフィーは、かって作家を目指した事もあった...。

アレックスのマネジャー(ブラッド・ギャレット)も、フィーの姉(クリスティン・ジョンストン)も、ガタイがいい!が、人柄もいい。

マネジャーは、アレックスを何気に励まし見守っているし、視線が温かい。
ソフィーの姉も同じ。性格の違う、ややもすれば引っ込み思案のソフィーを応援している。
脇がイイ味出しているし、不思議ちゃんコーラも、魅惑的な肢体で楽しませてくれる。
このコの顔は、目とか案外東洋的な気がする。ブッダマニアは、どうにかしてほしいけど(笑)
ドリュー・バリモアは、最近『チャーリーズ・エンジェル』などセットで観ることが多くて、今回、彼女の魅力を再発見。ドリューの表情豊かな演技と、少しかすれる声が、凄くチャーミング。

ドリューの笑顔も、まあ、なんて、人を優しくさせる明る~い笑顔なんでしょう。

作家志望だった変わった女の子という設定の為か、コートを脱ぐたび、着ている服がヘンテコで妙~な派手さがあって、笑えたけど。

ラブソング3298.jpgヒュー・グラントもシワが増え、ますます目が垂れたけど ”ダメな色男”ぶりに、かえって哀愁が出て、笑えます。

ロマンチック・コメディーの第一人者であるヒュー・グラント。

この映画も、彼の持ち味がよく出ていて、素敵でした。
歌もピアノも、イケていて、驚きでした。

ヒュー・グラントは『スマスマ』に出た時

ゴローちゃんに『すごく映画は、音楽が印象に残って...』と言われて

『今回、初めて、歌を歌ったんだよ』とヒュー。

『如何でしたか?歌ってみて、こうやって豪華ゲストの役で』とゴローちゃんに聞かれて

『自分が思ってたより、難しくはなかったよ。だって、コンピューターが、全部直してくれるからね。歌はごまかせたんだけど、ダンスはねぇww』と、ヒューは答えていました。

ヒューのダンスはぁ...可愛かったデス(笑)

少し物足りない所もあるのですが、ロマ・コメですから、ハッピィ・エンドのほうが嬉しい♪
ドリューとヒューの取り合わせ、今回初めてと思えないくらい、息がぴったり相性が良かったですね。
GW、濃い映画が多かった中で、ほっと癒される映画でしたねぇ~。

ヒュー・グラントは、この映画が好評だったのに、私生活はトラブル続きで落ち込んでいるそうです。ヒュー、元気出して~!頑張って!
うう、ヒューが50歳になる前に、もっとロマンチック・コメディーを観たいですから~~。


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ロッキー・ザ・ファイナル
2007年04月26日 (木) | 編集 |
この間、TVをぽちっと付けたら『ロッキー 4・炎の友情』をやっていました。
知らんかった。もう最終ラウンド?!あわてて録画しました(←似顔絵の資料になる)
ソ連の選手ドラゴと打ち合い、ノックアウト!皆で、汗と涙のテン・カウント。やったー!
すると、あのテーマ曲がかぶさり...おぉっと待てよ。激しい既視感。観て来たばかりの『ロッキー・ザ・ファイナル』とだぶる...。そういえば『ロッキー1』も、同じ作りだったわね~。


ロキロッキ-276.jpg


私は『ロッキー』の1と2はちゃんと観たんですが、3、4、5はこのように見かけただけで、しっかり観ていません。でも、今度が最後なので(まさかライジングとか無いよね)お別れを告げる意味で、観に行ってきました。

私は、この人の顔と着やせしない体が苦手だったんで、実を言うと好きじゃなかったんですが...。
この間、TVのインタビューで『...ファイナル』の時より太っていて、眼を開けるのもシンドそうなシルベスターが、案外笑えるコメントで上手く切り返していたので、少し好きになりました。

で、今度の『ロッキー・ザ・ファイナル』も、思ったより良かったです。

まず、短い。103分で、ここ!という所でスキっと終わっている(最近、長い映画が多かった...)
色んなお約束も見せてくれる...生卵の一気飲み、フィラデルフィア美術館の階段一気上り、ぶらさがり精肉豚へのぼこぼこパンチ・トレーニング。懐かしいメンツも揃え、ここぞという時に、あのテーマ曲を流してくれる...。ベタベタでも、だんだん感動してきます。
元気が無い時、今のテンポのいい曲より、昔の遅いテンポのシンプルなロックを聴いていると元気になれる...そんな感じです。

ロッキーが初老期に入り、愛する妻エイドリアンに先立たれ...”イタリアの種馬、ロッキー”の貴重な一粒種のロバートとは、心がすれ違い...孤独で虚しさを感じる日々。
前作 5では”ロッキー・ジュニア”は、セージ・スタローン(実の息子)がやっていましたが、今回は不参加。
ロッキーが息子に語る場面は、何だか実の息子さんへのメッセージのような気がしました...。
私もブログを借りて、息子に言ってる時がありますもん。息子は『長っ!イラストブログなのに、文、長過ぎっ』と言ってましたから、読んでないでしょうが...。

そして自らを奮い立たせる為に、もう一度リングに挑戦。

60歳ですよ。シルベスター・スターローンって。あぁ、脱がないで!って思いました(笑)

ラスベガスのリングで、フットワークのシーン、足がもつれていました。
これ、演技じゃなくマジでしょう。
リングアナの実況も、ロッキーが花道を出て来る所から、言いたい放題で、笑えました。

試合の場面は、迫力でした。

ロッキ-278.jpg


日本でも団塊の世代、アメリカでもベビーブーマーの世代が元気です。
『ロッキー・ザ・ファイナル』は、最初から作ろうと思っていたのか?
いやいや、こういうシニアパワーに押されて、出るべきして出た作品かも知れませんね。

もちろん、どんな世代にも、元気になりたい時に観るといいです。
どんなにベタベタでも、元気になりたい時ってありますからね...。

『まだ、お前の人生のゴングは鳴ってないんだ』by 老トレーナー、ミック

『どんな強く打ちのめされても、こらえて前進することだ。そうすれば勝てる』by ロッキー



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