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映画やマンガを中心に、好きなものだけチョイス。下手甘イラスト付きレビューです。『笑いと元気』が合い言葉。
アリス・イン・ワンダーランド
2010年04月18日 (日) | 編集 |
ティム・バートンの美神(ミューズ)はジョニー・デップだと思う。

アリス069.jpg

ヘレナ・ボナム=カーターより...うん、きっと... (^^;

ティム・バートン監督がルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を元にアリスの新たな冒険を描くファンタジー大作。19歳に成長したアリスは、幼い日に地下世界を冒険したことを忘れていたが、ある日、洋服を着た白ウサギを目撃し、その後を追って再び地下世界へ。するとそこは独善的な赤の女王に支配されていて……。(eiga.comより)

『不思議な国のアリス』...原作は未読。元より英語は強くないので、言葉遊びは分からない。分かれば面白いんだけどね。ディズニーのクラシックアニメは、むか~し観た。色んな不思議キャラが次から次へ登場し夢オチ、という筋の無いストーリーだったと覚えてる。だから、TDLの3Dアトラクションに行く感じで、期待しないで観た。TDLの3Dアトラクションを、この役者たちの面子で観られるなんて凄くなくなくない?!というハードルがあまりにも低かったせいか、楽しめた (;^_^A ちゃんと、ス、ストーリーがある!?出て来るキャラたち、意味不明の意地悪さが陰をひそめ、アリスの味方になって結末に向かう。おぉ!なんて、ま、まともなんだ。まともすぎてフツー?!マッドハッターのジョニー・デップ、予告であの笑い方と喋り方だからと思ったけれど、ハートのジャックと互角に戦うほど強くて、見せ場もあり、かっこよかった。


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白の女王

綺麗だけど、芝居じみた所作といい、なぜか可笑しいアン・ハサウェイ。

この目と口を3Dで観ると、また違う迫力がある



とっくにガールじゃない大人(←かなりw)の女にとって、意外とぐっときたキャラが赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)。
アリス赤蛙の召使や魚の執事やらとりまきまで、いかにも決まったキャラに取り囲まれた専制君主の横暴な女王さま。美しい妹との確執も、ハートのジャック(バック・トウ・ザ・フューチャーのへたれパパか?ちょっと萎えたw)を見つめる下睫毛のよこしまな視線も笑えるが、なんだか哀しい。

デカ女フェチの不実なしもべ、ハートのジャックと、あのあと幸せにやってるだろうか。ハートのジャックが諦めてしおらしくなるまで待つしかない。
この際、ハートのジャックの幸せなんぞ考えないのが、大人の女である(笑)

女のさが丸出しの切ない女王さまを演じるヘレナ・ボナムは、さすがの存在感だった。


私は映像だけを楽しむつもりで期待してなかったせいか、面白かったです。でも、ティム・バートンの世界が好きな最初からハードルが高い人はどうなのか?というと...それは保証しませんデス (;^_^A

劇場は小さい女の子連れの親子が多かったし、なるほど女の子向きかも。
戦うアリス(ミア・ワシコウスカ)。自分の運命を切り拓いていくアリス。
ティム・バートンの世界であるけれど、一種のガールズムービーになっていた。

『不思議な国のアリス』は世界観もキャラクターもしっかり構築された素材なので、ティム・バートン監督の想像もつかない世界は、ちょっと薄められてる気がする。既存のアリスストーリーを頑張ってエンタメ作品に仕上げたぶん、ティム・バートンとしては普通の作品になった感がある。怖くて、悲しくて、切ない...といういつものダークさはあまり無く、不思議、可愛い、強い...という作品になっていた。
次は、ティム・バートンの最初からオリジナル世界を観たいかな、うん。


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ウルヴァリン/X-MEN ZERO
2009年09月13日 (日) | 編集 |
獰猛な兄ちゃんを持つと苦労するw。

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驚異の肉体再生能力を持つ2人、30代ぐらいの外見をキープしているが、育ちきるまでの思春期の頃なんて、壮絶な兄弟ゲンカをしたんじゃあるまいか?と、ふと思ってしまいました(笑)

タイトル・クレジットの時に、戦場を駆け巡る兄ビクター(リーヴ・シュレイバー)と弟ローガン(ヒュー・ジャックマン)の映像は良かった!時間も節約できるし(笑)150年の間、戦いに身を投じてきた2人の過去が一瞬にして分かるから。

大ヒットアクション「X-MEN」シリーズの人気キャラクター、ヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンのスピンオフ映画。監督は「ツォツィ」でアカデミー外国語映画賞を受賞したギャビン・フッド。

ミュータントとして生まれたローガンは、少年時代の事件でその能力が覚醒。以来、驚異の肉体再生能力と戦闘力を持つ兄ビクターと弟ローガンは、150年以上に渡り共に生きてきたが、ある事件が引き金となり袂を分かつ。ストライカーの手術で、ローガンは自らの体に超金属アダマンチウムを移植し「ウルヴァリン」という名の人間兵器に生まれ変わる。兄ビクターに復讐をするために。しかし、もっと大きな陰謀が仕組まれていたのだった......。(映画のチラシより)

ヒュ-029.jpg原作では "セイバートゥース"ことビクターとウルヴァリンは兄弟じゃないらしいのですが、兄弟という設定はより濃密な確執が出て良かったです。ビクター役のリーヴ・シュレイバーは『ディファイアンス』でも印象的でしたが、ここでも野獣的な風貌を活かし存在感がありました。

ウルヴァリンのラストバトルの相手として立ちはだかるのは "デッドプール"ことウェイド(ライアン・レイノルズ)二刀流の日本剣を持つのは寡黙な漢(おとこ)にしてほしいよ!と思ったら、最後、ホントに無口な男にされてた(笑)身体改造されていて、ウェポンXI に!そ、その格好、アホポン?!キャスパーみたいな顔に、いたずら書きされたような体、カッコ悪ぅ~脱力系キャラデザイン!でした(涙)

『X-MEN』シリーズは全部観てるし『ファンタスティック・フォー』より好きである(←好きでも嫌いでもないってことw)それほどファンじゃないせいか『X-MEN』シリーズの沢山のキャラが出て来る群像ストーリーより、こちらの方がウルヴァリンひとりにピントを合わせられるので、私的にはじっくり面白かったです。
ストーリーとしては彼の葛藤や悲しみは駆け足っぽいし、途中、どちらが敵か味方か?ビクター兄ちゃんに脳みそがあるのか?何考えてるんだ?とか思いましたが、まぁ凶暴化して獣性が強い、という事で、自分を納得させるとして(笑)
知りたかったウルヴァリンの過去が分かり『1』に繋がっていくのは、なるほど!と興味深かったです。
アメコミ物ってあまり考えずにキャラクターとその世界観を楽しむものだし、まぁ、なんというか「ウルヴァリン」と「アクション」を観るのにいい映画でした �ҁ[��

ヒュ-1
ヒュ-031.jpg原作のアメコミでは「ウルヴァリン」は身長約160cmの毛ガニみたいなおっさんなのに、よくもまぁヒュー・ジャックマン(189cm)みたいなのをキャスティングしたなぁ~!と驚きです。


アメコミの絵で見るかぎり、X-MENのリーダーのサイクロップス(スコット)は、服のセンスも良くて(ウルヴァリンみたいな変な色の服は着てないw)スマートでカッコいい。しかし、生身の俳優たちが演じる中で、ヒューのカッコよさは圧倒的ですね。
サイクロップスの放つビームより、ヒュー・ウルヴァリンの肉体が放つ破壊的なビームにクラクラしてしまいます(笑)


「SNIKT!」シャッキーン?!と超金属アダマンチウムの爪が飛び出す!
CGを駆使したアクションシーンより、この単純な武器を使い、鍛えた体の動きを見るのは、実に快感です。


ケイラ(リン・コリンズ)より、イケメン(なのか?)のマジシャンのレミー"ガンビット"(テイラー・キッチュ)より、若いスコット"サイクロップス"(ティム・ポコック)より、誰よりも、ウルヴァリンが一番美しくてカッコよくて魅力的だった。
なんか、あたし、映画のストーリーとかどうでもいい...。
ヒューを観てて、楽しかった(笑) �n�[�g


つまるところ......
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これは


ヒュー・ウルヴァリン


を愛でる映画である。







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愛を読むひと/The Reader
2009年06月23日 (火) | 編集 |
若くはない...少し垂れていてお風呂に入るとまぁるく浮かぶ乳房...この映画のケイトは美しい、と私は思いました。
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ネタバレしてますので、これから映画を観る方は読まないでください。

まぁ~、ケイト・ウィンスレットという人は!普通の主婦のような雰囲気を持ちながら、感情の振れ幅の激しさを表現し、ややくたびれた存在感のある裸でリアリティのあるセックスを演じさせたら、右に出る者がいません。

1958年、大戦後のドイツ。15歳の少年マイケル(デビッド・クロス)は具合の悪いところを年上の女性ハンナ(ケイト・ウィンスレット)に助けられ、知り合う。
誘惑されたマイケルは、毎日のように彼女の部屋に通いベッドを共にする。ハンナはマイケルに本の朗読を頼み、いつしかそれが2人の愛の儀式となる。しかし突然、ハンナは姿を消してしまう。
8年後、法学生のマイケルが傍聴した裁判で見たのは、ナチス時代の罪に問われるハンナの姿だった...。(映画のチラシより)


15歳の少年と36歳の女性。21歳差の関係。
しかも年上の女性のほうから難なく少年をオトしている...この背徳感あるシチュエーションに抵抗を感じる人は、この映画を受け入れがたいかも知れません。
私?......う~ん、抵抗無いです。うっ、青くなくてすみません。
むしろ "15歳の時の初めての女をずっと愛し続けることができるのか?" のほうが、私にとって疑問です。いや~、青くないどころかピュアでもなくて、汚れちまったオトナの自分が悲しい...(苦笑)

実際のケイト・ウィンスレット(36歳のハンナ役)は、33歳(1975、10/5生まれ)
15歳のマイケル役は、18歳のデビッド・クロス(1990、7/4生まれ)
どこぞの役場のナントカ課の主任に見える落ち着きを持った男の子なので、字面ほどには年齢差を感じさせません。
デビッド・クロス...繊細な表情もなかなか良いと思いますが、少しばかりおっさん臭いので、私的には顔も体も萌えなかったあぁぁ...いや、これは文芸作品、文芸作品。

ですから、私はデビッドよりケイトに目を奪われてしまい。
教会の合唱団の歌声を聴いて、ふいに感情を露にして泣いた顔、おばさんっぽいベージュのブラが透けるのもかまわずに泳いでる無心なケイト、『僕のことを愛してる?』と聞かれて、もの憂げな自分しか見えてない瞳、ケイトの色々な表情に感心してしまいました。


監督は、私が好きな『リトルダンサー』のスティーヴン・ダルドリー。
原作は、ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』

ハンナの裁判を傍聴した学生たちのディベートは、激しく糾弾している者や耐えられず席を立つ者、マイケルのようにひたすら沈黙する者...と色々で。マイケルは、ハンナの "秘密"が彼女の罪を重くしてしまうのを助けてあげるのでは!と私は思っていたけど、何もしないで苦悩しているだけ。イラっとするくらい受け身。

ハンナのような収容所で働いていた末端の看守達まで、ドイツの国自身で厳しく裁いていく...自浄努力の証を、世間にも世界にも示さなければならないから。その時代の風を一番象徴しているのが、激しく糾弾している学生だろう。
しかし、担当教授(ブルーノ・ガンツ)は『人道的(←感情的、という意味だと思う)に罪を裁くのではない。法によって裁かれるべきだ。それも、当時の法で』というニュートラルな立場で、ハンナをジャッジしてない。職務を忠実に愚直に果たしたハンナは『あなたなら、どうしましたか?』と逆に問う。これは法科の大学教授でもある原作者の気持ちを、代弁しているのだろうか。マイケルや担当教授の姿に、今なおナチス時代の過去に揺れる知識階級の弱さや苦悩が読み取れる......。

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強制収容所の生き残りの女性作家イラナ・メイザー(レナ・オリン)は「彼女の秘密を打ち明けられても赦すつもりもない。受け取ることは赦す事になるから」と、シビアで厳しい。

また皮肉にも、ハンナが貯めたなけなしの贖罪のお金が塵芥に感じるほど、この成功した女性作家の部屋はゴージャスでスノビィな雰囲気さえ漂う。

それでも、彼の話に耳を傾け、紅茶の缶だけ受け取った女性作家に、少しでも心に思う事があっただろうか?何らかの区切りがついただろうか?と祈らずにはいられません...。


もう一つシビアな事を書くと......

あの頃、ハンナはマイケルを愛してはいなかった、と私は考える...。
もちろん、ひと時の "情"や "好き"っていう気持ちはあった、と思うが...。

本を朗読してもらうのと同じくらいの慰みだったかも...心はいらない、体を重ねている刹那が、ハンナの生きてる実感だった...と思えてくる。
あのマイケルを誘惑する急展開のアプローチは、どう考えても自分を大切にしてないように見えるもの。もはや現(うつつ)に生きてない。
自分の秘密と過去を引きずって、愛を拒絶してるような頑なさが見え隠れする...。
最後の......は、ハンナの贖罪の気持ちだという気がします。
そんな風にしか生きられないハンナもまた時代に翻弄された可哀想な女だった、と思います。

マイケルがせっせと送ったカセットテープは、獄中のハンナの支えになったことでしょう。"文盲"がそれほど恥ずかしい事だったのか?大きい罪をかぶってまで隠したい事だったのか?この辺は、私にはいまいち分かりません。ハンナのプライドが許さなかったのでしょうか。
文字(劇中ではドイツ語でなく英語だ)を覚えていく事は、ハンナの人生の中でも大きな悦びだった!と思います。


レイフ・ファインズ!こういう切なさを表現するのが上手い俳優さんですね。
『ある公爵夫人の生涯』は役が役だけにいいトコ無しで(苦笑)ヴォルデモート卿は顔だけ貸して論外(笑)最近はさすがに色恋物で主役をはるには容色が衰え、寂しく思っておりました。今回は『イングリッシュ・ペイシェント』を彷彿とさせるようなぴーんと張りつめた切ない恋情を見せてくれました。


15歳の時出会った恋が、彼にとって永遠の愛になってしまった。

男の純粋な愛ですね。

考えると、ハンナも哀しい人生だった。

切なくて悲しくて......泣けました。



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原作は3つの章から出来ています。

第1章は、それほど官能部分が強いとは思いませんでした。これは、私が腐ってるせいですが(笑)
かって『ナインハーフ』の小説を読んだ時、最後にヒロインは「あまりに激しい性愛が過ぎ去った後、私のサーモスタットは壊れ、もう元に戻ることはないだろう」と語ってました。危険な香りの男と性愛オンリーで付き合った恋愛経験値が高い女性でさえそう感じたなら、15歳でハンナに会ったマイケルは心も体も麻痺状態だったのでしょう。
私が思ったよりマイケルはハンナに恋焦がれていて、第2章の始めで、失踪したハンナを捜すマイケルの姿はキュンと切ないです。
その後、彼の人生はコンフリクトして恋愛も結婚も機能しなくなったような気がします。
映画の中で女性作家が言ったように、彼の運命を変えた、と言えるでしょう。

第2章は、意外と、裁判部分が長いですね。
ナチの犯罪をどのように裁き、どのように受け入れるか?映画を観る限りでは...ナチス関係者だけ、と私は受け止めていましたが、この辺は理解不足でした。
ナチの幹部から末端のハンナたちばかりでなく、ナチズムを許容し傍観した親の世代にも向けられていて。マイケルの世代も親の世代を糾弾し、そのほうが苦痛から解放される。しかし、親を責めたくなく責めることができない子どもたちもいる...マイケル自身も、誰も指すことができない。世代間の葛藤やハンナにたいする色んな気持ちが混ざり合い、も~マイケルは悩みに悩んでいます。

ドイツ文学といえば、中学生の頃に読んだ『車輪の下』や『若きウェルテルの悩み』とかありましたが、悩みの種に "ナチズムの過去"という要素も加わり、苦悩の度合いが色濃いです。まさに "ドイツ青春苦悩文学"の系譜である、といえるでしょう。

第3章...何故、マイケルが返事を書かなかったか?ハンナの最後の理由も、わかりませんでした。私も悩みながら読みました......。


天使と悪魔 /Angels & Demons
2009年06月08日 (月) | 編集 |
ん?『天使と悪魔』じゃなく『神様と神様』?!
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『聖☆おにいさん』中村光、第1巻の真ん中弱あたりから参照(薄い単行本対策の為か?ページ番号がない!?)
パクリえっーと、同人してない二次創作という事で、赦してね...ごめんなさい@気ムラ屋あん


さて、ここからが本題の『天使と悪魔』のレビューです...。
も、ずーーとサボってる時に観たので......短くいきます(汗)

天使と悪魔936.jpg"イルミナティ"...この世にはもう存在しないはずの最古の秘密結社。その正体は、長きにわたり、カトリック教会から弾圧を受け続けた、ガリレオ・ガリレイを中心とする科学者集団。
彼らは復活し、ついにヴァチカンに牙をむく。
それはローマ教皇が逝去し、新しい教皇を選出するコンクラーベの時だった......。

......と、まんま映画チラシから抜粋(汗)

『ダ・ヴィンチ・コード』は小説のほうから火がついて、思わず私も買ってしまい(ミーハーだから)ぐずぐず積読してるうちに、映画化。
でも...あの??の死に方といい、SMチックなヒットマンの修道士といい(すぐパロディ映画のネタにされてたw)しばし唖然としつつ、結局 "アナグラム"やら"イエスの子孫"やらで「ふ~ん、なぁんだ...」的拍子抜けで、満足感が得られなかったので...文庫本も読んでもつまんないかも~と、読まずじまいに終わった管理人であった(汗)キリスト教ものは苦手だなぁ~、という感を強くしただけだったかなぁ。

こういう前作の思い出があるので、期待せずに観たけど意外と面白かった。
もちろん、今回も原作未読(苦笑)

せきたてられる音楽と暗さのある映像でミステリーを盛り上げ、ガリレオの暗号の謎解きに合わせた凝った猟奇的殺人事件。ヒロインも毎度ながら決して美女じゃなく地味だが、反物質を作っている物理学者に見えそうな知的な風貌と、図書室の本をベリっと破りさる大胆さも持ち合わせ、まあまあじゃあるまいか。

ユアン・マクレガーは『彼が二度愛したS』の時よりも引き締まって美しかった。
ユアンに関しては、あんまり脱がない時のほうがいい(笑)

もはや、 キリスト教義の謎解きの天才 "トム・ハンクス教授の事件簿"といった趣きであります。それなりに楽しめます。
ふと、ローマ観光してた昔を思い出し。信心が無いので、ヴァチカンはひたすら彫刻とシマシマ服の護衛兵のイケメンを眺めてました(笑)以上、感想終わり。


ところで『聖☆おにいさん』(中村光)に出て来るイエス君...ホントは「いえっさのドラマンダラ」というTVドラマの感想ブログをやってます。 "すべての局のすべての時間帯のドラマに眼を通し、その日のうちにアップする" そうで。まさに「ネ申!」ですね(笑)

映画ブログならよかったのに~という私の妄想で、Top絵では「いえっさのシネマンダラ」にしました。ついでに "キリスト教もの"で、彼の好きな映画 と嫌いな映画を考えてみました。では行くぞよ。

☆ "いえっさ"の好きな映画・Best3!

1.ジーザス・クライスト・スーパースター 
"いえっさ"は音楽好き �� 主役のコが"いえっさ"に似ている ����

2.十戒 
"いえっさ"も思わずプールで"大海割れ"してしまうから(ごめん。本読まないと分かんないね �ł�3

3.パッション 
あ~~~!はぁはぁ!
メル・ギブソンのマッドな "痛さ"が好き、嫌い、好き(どっちだよっ)...ん...怖い...jumee��faceA76

番外.パイレーツ・オブ・カリビアン
mariyonさんからのリクで。キリスト教ものじゃないけど(笑)

☆ "いえっさ"の嫌いな映画・Best3!

1.オーメン
"666"の数字が666、666、666とミミズみたく背筋を這いずり回りそうで嫌い。

2.ヘルハウス
迫力不足で思わず「ジーザス!」と叫んでしまった。
『パッション』の方が怖かった......jumee��faceA76

3. エクソシスト
リンダブレアの首180度回転のマネをして、首筋がツったから。

番外.スウィーニ・トッド
mariyonさんからのリクで。キリスト教ものじゃないけど(笑)
いえっさは、ジョニーデップに似てるつーことで �s�[�X

あ...バカ(管理人の事)に付き合って、ここまで読んで下さって、ありがとうございました m(__)m

考えてみると、オカルト・ホラー映画って "キリスト教もの"の宝庫ですね~。

原作者のダン・ブラウンは第三作の『ザ・ソロモン・キー』を執筆中。
ラングドン(トム・ハンクス)教授の冒険は、まだまだ続くかも知れませんね。



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永遠のこどもたち
2009年01月09日 (金) | 編集 |
ドアは静かに締めましょう...。

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ネタバレしてるかな...。

ちょっと前に『ティンカーベル』を観たけど、アレは綺麗な映像に気を使い、小さい女の子向きに毒気を抜いて作られたディズニー製アニメだったけど...。コレもまた『ピーターパン』から"ウエンディ"にスピンオフした物語なのかも知れない。
しかし、こちらは毒気も怖さも哀しさもある...なにしろ『ティンカーベル』では"ネバーランド"は綺麗で楽しそうな妖精の国だったが『永遠のこどもたち』では"ネバーランド"は生と死の狭間の世界である。

あの『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロが、プロデューサー。
そして、ギレルモが認めた才能、J.A.バヨナが監督。
クリーチャーを含めグロテスクさも、或る意味、華麗だったダークファンタジー『パンズ・ラビリンス』よりは、かなり地味め。しかし、日常と非日常で揺れる不思議さや、中年女性の肉親に寄せる濃密な愛情、ラストの悲劇的なのか?ハッピーエンドなのか?わからないところは『パンズ・ラビリンス』と相通じるところがある。

海辺の孤児院で幸せに育ったラウラ(ベレン・ルエダ)
30年後、ラウラはその屋敷を買い取り、夫カルロス(フェルナンド・カヨ)7歳の息子シモン(ロジェ・プリンセブ)と共に、障害を持つ子供達のホームを作ろうとする。
ある日、屋敷に訪ねてきた老女は "息子シモンは養子で、彼もまた病気を持っている"という事を知っていて、不気味に思ったラウラは追い返す。息子シモンの事は気がかりで、ホームが開園すれば、シモンにも友達が出来るだろうとラウラは考えたが、シモンは空想上との友達遊びが酷くなる...。古ぼけた屋敷に潜む何者かの痕跡、気配、音を、ラウラもまた感じ始める。数日後、入園希望者のパーティの最中に、シモンは忽然と消えてしまう...。


ホラーというほど凄く怖いわけでなく、サスペンスとミステリーが入り混じり、少しずつ不思議な事が重なり、じわじわと疑問や恐怖を感じます...。まぁ、血がしたたる残虐シーンがないホラーの常で "音"にはいささかビクっと驚かされますが。


丑年875.jpgこのラウラ役のベレン・ルエダ、年取ってもいず若くもない微妙な年齢で、意志の強そうなくっきりとした顔立ちが、よく見ると美しい。子供を失い錯乱しつつある儚さと、子を想うあまり生と死の境目さえ立ち向かう強さを、併せ持っている女優さんである。

霊媒師に頼ろうとするラウラに『迷って困ってる者につけ込む』と夫カルロスは諌める。
霊媒師の役は、存在感あるジェラルディン・チャップリン。
彼女の眉と目は独特で、父君に面差しがよく似ている。


孤児院でいったい何があったのか?だんだん明かされていくミステリー。

霊媒師はラウラに言う『非情に凄惨な出来事にあった魂は、優しく心を込めて慰撫されないと癒す事ができないのだ』『見えないものを信じなさい。信じれば必ず見えるわ』と。

理性的で現実主義の夫カルロスや警察関係のピラール(マベル・リベラ)からすれば、ラウラは壊れかけていく母親の姿にしか見えないだろうし、全く別のストーリーになるだろう。
そんなカルロスも、最後には屋敷で、ある痕跡を見つけるのだ...。

結末の解釈は、あなたの血中濃度が情か理かどちらが勝るか、で決まるでしょう。

母親ラウラにとっては、幸せなラストなのでしょうね...。

まぁ、なんというか...生まれてからヒト桁ぐらいまでの子どもは、母親に取って自分の血や肉と一体化してますからね...。
ましてや、パーティの日にちょっとした諍いでシモンに手を上げてしまったラウラ、まさにシモンを見失ってしまった!というところでしょう。捜して捜して、追い求めずにはいられない...。その切ない心情と恐怖が重なり合って、じわじわ心にくるのです...。


『ダルマさんがころんだ』に似た『1、2、3、壁を叩け』のゲーム。
次のヒントを隠しておき探し当てる『宝探しごっこ』など。日本の昔からあった童遊びを思い出し懐かしく、なぜか温かく感じるラストだったけれど、やっぱり切なく哀しいホラーですね...。

怖いだけでなく、母の一途な想いをきらきらと結晶にさせた作品だと思います。


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WALL・E/ウォーリー
2008年12月06日 (土) | 編集 |
おぉ~!R2ーD2がいっぱい!!
ウ854.jpg
ポンコツ ロボでも、めちゃ頑丈!君のためなら大気圏も太陽の側もへっちゃらさ!

ウォーリー、かあいいですっ!
最初はセリフ無しが続きますが、彼のやる事なす事すっとぼけてて、可笑しい!

人間が住めなくなったゴミ山と化した地球で、700年ひとりぼっちでゴミ処理するロボット、ウォーリー。人間の暮らしの抜け殻から、こだわりのゴミ・コレクションするのが大好き。一番のお気に入りは『ハロー・ドーリー!』のVHSテープ(←トースターの中に収納しているw)歌ったり踊ったり、手をつないだりしている場面が大好き。ん?!手をつなぐ?ウォーリーも『誰かと手をつなぎたい』と夢みるのだった。
長い年月、いつしかシテム・エラーが起こり、彼に温かい感情が芽生え始める...。
そんなある日、地球を調査する為にやってきたピカピカの最新ロボット、イヴ。
ウォーリーはイヴに恋をする...。



ウ855.jpgロボットの造型は魅力的!が、人間はいただけない(泣く)警告として受け止めときましょ...。

大量消費社会のため地球をゴミだらけにしてしまい、宇宙に逃げて便利なデジタルライフ。
しかし、人間達は際限なくデブに。メタボすぎて自力で歩けやしない。これではいかん!と立ち上がった宇宙船アクシオムの艦長。

この時、使われた曲は『2001年宇宙の旅』で人類が立ち上がって武器を掴んだ瞬間に流れたR.シュトラウス『ツァラトウストラはかく語りき』の冒頭のファンファーレー。いや~、確かに『人間が立った!』シーンですが、こちらは低レベルの『人間が立った...』です(笑)か、かなしい...。



音楽も懐かしい曲が混然と入っており、素敵でした。

ピュアピュアなボーイロボ ミーツ ガールロボ!でした。

ウォーリー、顔が双眼鏡なのに とにかく表情豊かで、仕草が愛くるしい。

どこまでも真っ直ぐに真っ直ぐに、イヴを追いかけていくウォーリー。
無垢なウォーリーの切ない恋に、観ているこちらもハラハラしながら、応援したくなります。

イヴは、フリーズして卵形ロボになった時も、彼が一生懸命世話してくれてた事を知ります。そんなウォーリーの一途さは、イヴの心をとらえます。

蒼暗い宇宙空間で、イヴの最新ジェット気流とウォーリーの手動式消火器ジェット気流が織りなす愛のシュプールは、楽しくて美しかったデス。

700年、孤独だったウォーリー、切望したのは『誰かと手をつなぎたい』そして...

期せずして、最後は涙が出ちゃいました...。

その昔、夏目漱石は『I love you』を『月が綺麗ですね』と訳し、二葉亭四迷は『あなたのためなら死ねる』(←『愛と誠』かw)と訳した。

片言しか話さないウォーリーの『I love you』は『イヴ』なのです...��-��


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1408号室
2008年11月24日 (月) | 編集 |
ホテルの部屋で暴れてはいけません。

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ネタバレしてます。

1408号室を開けると、そこには鎖(ブラック・スネイク・モーン)と蛇(スネーク・フライト)を巻き付けたサミュエル・L・ジャクソンが立っていた!(←コレ意外と怖い)というほら話ではなく、スティーブン・キング原作のホラー話です。

『心霊ホテル10』とか書いている売れないオカルト作家エンズリン(ジョン・キューザック)サイン会を開けば、ガラガラ。今夜もめげずに、幽霊が出そうなホテルを泊まり歩く。そんな彼の元に『絶対に1408号室に入ってはいけない』というハガキが届く。早速、取材がてらにNYのドルフィンホテルへと。出て来たオリン支配人(サミュエル・L・ジャクソン)に執拗に『宿泊はダメです!』『1時間以内に皆死んでいます!』と脅迫に近い説得をされるが...。

イラストには描いたけれど、サミュエル・L・ジャクソンは、ホントにちょっとしか出て来ない(苦笑)こ~んな強面の支配人(サミュエル)に、FBI心理捜査官よろしく1408号室で死んだ全員の状況と死亡写真をファイリングした物を見せられて迫られた日にゃ、私はとっとと引き下がるが、エンズリン(ジョン・キューザック)は遂に1408号室に宿泊する事に成功するのである。

バタンと1408号室に入った途端に始まる何か...。来るぞ来るぞ!きゃああぁ!...って意外と怖くなかった...。コーヒーショップでThe Band(ボブ・ディランのバックバンドだった)の『The Weight』がやけに音割れして響いてるなぁ~と思ったら、1408号室内ではカーペンターズの『愛のプレリュード』がもう何度も効果的に脅かしてくれるわ、ふぅ~(まぁ、こんな風にカーペンターズ使うなんてw)音にはびっくりした。

三角折りのトイレットペーパーも、あるはずの隣の窓も無く、怖がらせてくれるけど...。ん~、どちらかというと、心の奥底を覗くような怖さかな。
そして、ジョン・キューザックの1人演技を延々と堪能できるぞよ(笑)


1408839.jpgちょっと前に観たスティーブン・キング原作の『ミスト/The mist』と、どうしても比べてしまう。ラストのキマり方と作品の完成度は『ミスト』のほうが上だと思う。

この映画の出だしは、わくわくドキドキするのよ。
なのに、ラストは『えっ?これで終わり?それがオチ?』と、物足りない事、甚だしい。

しかし、よく考えると後味はこちらのほうが良い...と言える...かな。

原作未読のため真の意味が分からないので、あくまで自分なりの推測であるが...。


色物のオカルト作家エンズリン(ジョン・キューザック)は、少なくとも第1作目はろくでなしの父との確執を描いた"まともな小説"を執筆していた。

彼が超常現象を信じないという事は、神をも信じないという事。

愛娘の死から何も信じなくなってしまった彼が、怪現象に吹き荒れる1408号室で、次第に自分の心の奥を覗くかのように、娘も現れ、父にも出逢った。
それまで逃げ回っていた自分から、ラストには父を認めそして娘の死を受け入れたのだと思う。そうでなければ、宿泊した者が全員死ぬという1408号室から生きて戻れるワケがない、多分。

別れた妻と共に、娘の死を抱きしめ、生きてゆくのだ...。

『ミスト』の方が上手く出来ているが、ラストのあまりの救いのなさに呆然。
『1408号室』の方は深読みするとまだ救いがあると思うから、個人的に好きなのはこちらである。
あっ、でも、本当にラストはこんなもん?っていうくらい、あっけないのよ。
曖昧模糊に終わるのがスティーブン・キングなのかな?!と思って観ましょうね^^


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アイアンマン/Iron man
2008年10月01日 (水) | 編集 |
またもや、きみの名は、アメコミヒーローなるや。

蛇807.jpg

ここ数年、アメコミヒーローの映画、どのくらい観ただろうか?
さて今度のは、基本に立ち返り?!悩まず、考えずにぱぁーと、楽しむ映画です。


この映画のレビューは書くのも読むのも要らない、と思います��΂�
(ホントは、最近、文書けないんですよー、たはは)

先ずは、劇場で坐るのみっ!(笑)


蛇805.jpg私 "ロバート・ダウニー・Jr."知らないんです。
『ゾディアック』も観てないし。『ゴシカ』は観たけど、記憶無し...。

似顔絵、描きながら、えらい睫毛の濃いおっさんだなぁ~(多分、どこの毛も濃いんでしょうが)としか、思わなかったんですが(笑)

映画を観てるうちに、稚気のある役どころのせいか愛嬌ある表情がチャーミングでした。

『ダークナイト』のブルース・ウェインみたいにハムレット的苦悩はせず、派手で明るいキャラクターで、いかにもアメリカ人に受けそう。



あちこちに、アメコミの遊び心が散りばめてありました。

最後の決め技も『氷結防止はどうしたっ』と、適役の頭をゴン!と一発殴る!なんてプリミティブなんでしょう(笑)ガキ大将同士じゃないんですからっ!ハイテクのパワードスーツ同士とは思えません。『アイアンマン』の顔も、妙~にレトロですし。

この巨大軍事産業のCEOであるトニー・スターク、ギャンブルも酒も女も好きなんだけど、実は一番好きなのは機械いじり。自宅にこもって、せっせっとロボット作りに勤しむ様は、おじさんの姿をしていても "永遠の男の子"です。か・わ・い・い。


まぁ、これもつべこべ言わずに、くっくっと笑いながら『楽しむが勝ち』という作品です。オトナと男の子が同居してる人におススメ�΂��B


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ウォンテッド/WANTED
2008年09月19日 (金) | 編集 |
獰猛な美女、好きですっ!アンジー、サイコー!

丑年884.jpg

Sモード全開のアンジーは、カッコイイ!やっぱ、アクション物、似合うっ!

平凡な顧客管理担当のウェスリー(ジェイムズ・マカボイ)は、デブ女上司にねちねち虐められ、同僚にもカノジョを寝取られ、ストレスの溜まるウンザリな毎日。
ストレスがピークになるとアドレナリンが急上昇し心拍数が上がる(でもハルクにはならない...)不安発作が起こり、クスリを手放せない状態。
ある日、ドラッグストアーで凶暴な眼の美女に『あなたのお父さんは偉大な暗殺者だったのよ』話しかけられた、と思ったら、凄まじい銃の襲撃に遭う。
なんと!彼はギリシャ神話の時代から続く秘密の暗殺組織"フラタニティ"の王位継承者だった!彼のパニック症状も、自身に内蔵されている秘められた身体能力だったのだ!
おいおいホントかよ~マンガだ~、と思うだろうが、マンガなの!(マークミラーの人気グラフィックノベル原作だからw)
彼は自分の負け犬的人生に嫌気がさし、暗殺者の道を選ぶ...。
それからというもの、マカ坊やは『あっーー!!』『あーー!』と叫んでばかりいる過酷な特訓に継ぐ特訓!
"みにくいアヒルの子"から"凄腕暗殺者"にメタモルフォーゼするウェスリー(マカボイ)...。
あぁ、ウェスリーの明日はどっちだー!


アンジーとマカボイの取り合わせは、魅力的。
説得力ある話し方でいい人モード?!...首領スローン(モーガン・フリーマン)

彼のSなトレーニングコーチ達も、それぞれキャラ立ちして面白い。
殴られ強い肉体を伝授する?!ザ・リペアマン(マーク・ウォーレン)
ガンのエキスパート、ザ・ガン・スミス(コモン)
ナイフ等の刀剣格闘担当のブッチャー(ダーク・バクタデツ)
あ~ら不思議、体を治療するパラフィン?風呂担当のザ・Xターミーネーター(コンスタンチン・ハベンスキー)
キャラの名前のつけ方も、すでにマンガの発想だー(笑)

私は、この暗殺組織のメンバーも気に入っていただけに、あのラストというのも何だかあっけなかった....。
原作はあれの続きがあるんだろな、と思っていたら、映画も3部作の予定があるそうで。

ウェスリーも言われるがままを信じて行動してるので、暗殺組織が悪いのか?組織の裏切り者が悪いのか?暗殺リストに挙がる者は正当なものなのか?意外と分からない...ストーリーにそこまで深い追求はない。さすがマンガだ...。

弾をよければ「マトリックス」
弾道が曲がり、弾を弾で迎え撃つ...これもマンガだ...。

「1を倒して1000を救う」と言いつつ「1を倒すために1000を殺す」ような列車事故も...マンガと思って許そう...。

WANTE1.jpg

グラフィック・ノベル...日本でいうと、青年誌のマンガのようなものかなぁ。

あっちのコミックって、デッサンがきっちりしてるのに、表情が乏しい...
というイメージがあるので、
これを日本のマンガ作家で読んでみたいな。



今やアメコミ映画のほうは、主人公が苦悩に苦悩し観客までも巻き込む重さの作品としてシフトチェンジしているが、このテの映画は重く深くないかわりにスピーディーで映像も"FLASH"みたいでスタイリッシュで美しい。


考えなくていいし、観ていてただただ快感です(笑)楽しみました!

アンジーもマカボィもモーガンもその他のキャラも、ストーリーもアクションも好きや~。

結局、私はマンガ脳なのか、こういう映画は好みです。



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インクレディブル・ハルク
2008年08月08日 (金) | 編集 |
緑の瞳は、恋してる。

ハルク788.jpg
  ↑エドワード・ノートンの怒った顔って描きにくい...優しい顔だし、眼だって垂れてるし...。

ええっ!エドワード・ノートンが『ハルク』を?!と誰もが驚いたと思うんですが、映画を観ながら『そうだった...ハルクって変身前は科学者だったんだ...』と改めて気付き、エドワード・ノートンの華奢な体も理系に見える顔つきも、充分OK!でした。

前のアン・リー監督の『ハルク』も観ました(レンタルで鑑賞)
『トロイ』のエリック・バナが好きっ!だったんで。アン・リー版ハルクは、重くてひたすら暗かった...と覚えています。それより、こちらのほうが私は好きです。スピード感もあるし、アクションとドラマが上手く溶け合って、見やすいストーリー展開でした。


ベティ役のリブ・タイラー...驚きの眼を見張り、心配そうな顔つき、いや~リブ・タイラーって"泣きの演技"が上手くなったなぁ~!と思いました。ちょい年取って劣化したかも知れませんが、可憐さは増していました。

ブルース・バナー博士役のエドワード・ノートン...涙目で切なげに、元恋人の姿を見つめる憂いを秘めた表情は繊細。ハルクになりたくない...本来の自分に戻りたい、と苦悩する姿も、存在感がありました。『ファイトクラブ』『レッドドラゴン』『幻影師アイゼンハイム』どれも、演技が妙に印象的でした。今度の脚本も、彼が手を加えているんでしょう。なかなかの才人なんですね。

『トランスポーター』のルイ・レテリエ監督だから、この『ハルク』も武骨で男臭いのに、女性に弱く守ってくれる騎士のような存在で、どことなく女心をくすぐりますよね。

ハルク789.jpgいったん元に戻った体なのに、愛する彼女のために再びハルクに変身してしようと飛び降りるシーンは、まさに"純愛"!

夏映画はアニメやファミリー向けが多いし、ラブロマンス物は少ないのですが、この映画は或る意味"恋"の映画とも言えます(アクションのほうが多めですけどw)

今度の『ハルク』は前半からスピーディな展開。ブラジルの工場の様子やハルク捕獲戦の迫力、ブルース・バナーの逃亡生活、ベティと再燃する恋、超人ハルクと怪人アボミネーションの壮絶なバトル...退屈せずに魅せてくれ楽しめただけに、ラストが少し惜しい!勿体ない!と思いました。

"ラスト"というものは、とても大切だと思います。
"ラスト"で映画全体が締まるか、興ざめになるか...。
このラストは続編があるんだろうな、とは理解しましたが、雰囲気と余韻を壊した気がします。それまでの勢いで、キメてほしかったです。

あ、でも、この『ハルク』私は好きです。
切ないノートンとリヴ・タイラーが見れて、嬉しい。


う~む、もはや、マーブル社のアメコミの実写化は、子供向けじゃありません。
『ダークナイト』なんか、もっとそうですもんね。

レビューが短くて乱文?それは暑いからです...。
あたし、暑いと溶けて、緑のスライム『変人アン』になりますデス。許してください...。


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イースタン・プロミス
2008年07月04日 (金) | 編集 |
このヴィゴを観れて私は幸運かも知れない、と思う。

ヴィゴ775.jpg

決定的なネタバレはないが、未見の方は読まないほうが、よいかも。
『イースタン・プロミス』とは、イギリスにおける『ロシアや東欧組織による人身売買契約』イギリスで"イースタン"とはロシアや東欧を指す。

ある夜、助産師アンナ(ナオミ・ワッツ)が働く病院に運び込まれた14才の少女。少女は出産と同時に亡くなり、残されたのは赤ん坊と日記。
アンナはロシア語で書かれた日記を手がかりに、少女の身元を捜そうとする。
そして、ロンドンに蠢くロシア移民の裏社会に、足を踏み込んで行くのだった...。

ロシアン・マフィアの世界なので、もちろん眼を背けたくなる暴力、殺人シーンだってある。しかし、サウナでの全裸の格闘も必然性を帯びたリアルなシーンだし、娼婦とのシーンだって抑制された描写で、むしろストイックな感じさえ受ける。最後も、あれっと思うほど静かに終わるし...。ハリウッド製映画のように、これでもかこれでもかと刺激的に露悪的にジェットコースターみたいに、エンタメしてるワケではない。映画の文体が違うのである。重厚な沈んだ色合いとヴィゴの演技が印象的。もちろん、ヴィゴ以外の脇役も地味ながらきりりと小気味良い。

助産師アンナを演じるナオミ・ワッツ!私は、初めて彼女を魅力的で美しいと思った。
『マルホランド・ドライブ』の時より美人度が高い。
『ザ・リング』は怖くて馬や井戸は見てたけど、彼女をよく見てないし...(苦笑)
『21g』の時は...彼女はどうでもいいくらい、話が暗くて重くて...(汗)
アンナは助産師という仕事を誠実にこなすぶん、普段は自分の身を飾る事も無い地味な格好。でも、古いバイクに跨がるジーンズの小さいお尻は、くりっとカッコよくて『この人っていい女だな!』と再認識した次第。

ロシアン・マフィアの跡取り息子のキリル...この脆弱で暴力的で情緒不安定をかき混ぜた"取り扱い注意"の人物を、バンサン・ラッセルがエキセントリックに上手く演じている。
キリルは、明らかにされてないが、どうやらホモセクシャルティを匂わしている。跡目を継ぐ器でない上、それも含めてマッチョな組織のボスの父親からは認められてない。キリル自身もそれを感じ、コンプレックスと虚勢をはる粗暴な毎日。ニコライへのしつこい絡み方も、密かな愛着と執着が見え隠れするのである(萌え~w)

ヴィゴ776.jpg
キリルの運転手ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)...蛇のように冷たくて酷薄そうな顔で、いかにもマフィアの手先のような威圧的な外見。

でも、ふと覗かせる優しさと奥まった眼(奥まりすぎ!描きにくかったぞw)の中の諦観にも似た静けさ。



キリルとの関係もニコライの立場なら、もっとドライに彼を利用し扱ってもよさそうなのに、どこまでも黙って許してくれるような不思議な包容力を持っている。
得体の知れない男なのに、アンナがだんだん惹かれていくのもわかる気がする。

ニコライを演じるヴィゴの男の色気が滲み出る。

抑制された中に、エロティシズムは馨るのだ。


↓若き日のヴィゴ・モーテセン。切れ味鋭いワイルドなハンサムですね。
ヴィゴ778.jpg黒革ジャン系(←どんなジャンルだw)ノワール映画ときたら、ここ最近だと『あるいは裏切りという名の犬』を思い出す...う~ん、ストーーリー的には『あるいは・・・』のほうが好きかな...。

ただ、こちらは平均年齢がまだ若いし(笑)ヴィゴが抗い難い魅力で迫って来る。

いろんなものを削ぎ落としてこの役に挑んだであろうヴィゴに、驚き!

"驚き"をもたらす映画って、そうそう無い。

この映画のヴィゴは、私には忘れられない役になるだろう。

この映画で、刮目すべきはヴィゴ・モーテンセン。

彼はこんな俳優だったのか!と、こういう彼に改めて出逢えて私は凄く嬉しい。

追記: 続編も出来るそうです^^

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いつか眠りにつく前に
2008年02月28日 (木) | 編集 |
今回、ハリス(パトリック・ウィルソン)似てませんっ!!

いつか645.jpg


観るつもりはなかったのですが、時間的にちょうど良かったので、つい鑑賞。

今、まさに人生の終わりを迎えようとする老いた母アン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)と、それを見守るもう若くない娘たち。
母の意識が混濁する中で、時折思い出される名前と記憶。
若き日の母の切ない恋が、浮かびあがってくる...。
母の過去に触れ、自分の人生をも考えはじめる娘たち。
そして、死の床にある母を見舞った老婦人は、昔の親友ライラ(メリル・ストリープ)だった。

若い日のライラを、メリル・ストリープの実の娘メイミー・ガマーが演じ、老母アン(ヴァネッサ・レッドグレイブ)の長女役をヴァネッサの実の娘ナターシャ・リチャードソンが演じ、文字通り母娘の映画です。

アン(クレア・デインズ)にもライラ(メイミー・ガマー)にもバディ(ヒュー・ダンシー)にも恋される男ハリスを、パトリック・ウィルソンが演じています。う~ん、この配役、スゴくモテる...というのは少し"ミステイク"なような...あまりにも髪の毛が無さすぎて(笑)
でも、このパトリック・ウィルソンは『ハードキャンディ』『リトル・チルドレン』にも出てましたけど、見た目より演技していくうちに、好感を持ってしまうし、案外セクシーです。重くはないけど演技力があるんでしょうね。

若き日のアンはクレア・デインズが演じ、劇中、一番タフで強い女性を演じていました。
若いほっそりした体なんで、角度によっては美人に見える時もあるんですが、バディを叱りつけてる時なんか、めっちゃ怖い顔でありました。
つい、似顔絵的には、ヒラリー・スワンクとかサンドラ・ブロックとか獰猛な女優さんのカテゴリーに入れてしまいましたぞ(笑)

ライラの弟バディ(ヒュー・ダンシー)は原作にない役だったそうで、この時代背景や良家の出なのでおそらくキリスト教保守派、とても『男が好き』ってカミングアウト出来なかった...というより彼は自分の感情のありかもはっきりしない、どっちつかずの未分化のセクシャルティなんで、見ていてイライラしました。
これじゃあアン(クレア・デインズ)ならずとも『腹、すえんかい!いったい誰が好きなのか?うじうじすんじゃないっ!』って、言いたくなりますよね。
彼の人生が、一番"ミステイク"で哀れでした...。

思い通りにいかない愛や夢や、少し不幸な現実生活...ところどころ、リアルに胸にちくっときました。

死の床についた母と、若き日の恋が交互にカットバックされ、ゆったりとした話の運びなので、若い男性にはちとかったるく物足りないかも...。全ての人向きではないけど、結婚式前の"マリッジブルー"もよく表現されているので、結婚式直前の女性にも観てほしい。あと、過ぎし日の恋を振り返る年頃の人にも。そういう人が見ると、地味だけどしみじみとした物語であります。

最後に涙が少し滲んできたと思ったら、隣の隣のおばさんがかなりの勢いで泣いていて、驚きました。そんなに泣く映画か?!と、ちょっと引いたのですが、きっと過去に大恋愛をされてきたご婦人に違いない!と推察いたしました。カンニングの竹山似のおばさんでしたが。

『あなたが最期に呼ぶのは、誰の名前ですか?』と逆質問する映画は、まっこと罪つくりです。
私なんか、忘却の海に重しを付けて沈めた記憶...いや~思い返しても、さみしいもんです...。
もっともっと、恋をすればよかった...今?お、お、お、遅いよ...。
皆さんっ!唇が紅いうちに髪の毛があるうちに、2次元ばかりでなく、リアルに真剣な恋をしてくださいね。

映画の中で、過ちは"ミステイク"で、スゴく愛したや夢中になったは"クレージー"や"クラッシュ"とか言っていたけど...。

う~ん、そうだなぁ~ "ミステイク"や"クレージー"や"クラッシュ"も何も無い人生は、淋しいかも...。

人生の幕をおろす頃には "ミステイク"も人生を豊かにするのだ...きっと。


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エリザベス/ゴールデン・エイジ ELIZABETH/THE GOLDEN AGE
2008年02月23日 (土) | 編集 |
好きな男の腕の中でも、国家の夢を見る。

エリザ4.jpg

フツー、女がオトコに暖炉の前でお願いする事ってラブ・アフェアじゃないだろうか?
それを『キスして』だけ(史実は知らないw)そして『死んでもいい』って...切ない...。国家と国民を第一に考えていたエリザベス1世の哀しい女心が、ちらっと垣間見える一瞬だ。

前作は、印象深かった。まだエリザベスが生身の若い女性で、ロバート卿(ジョセフ・ファインズ)との恋と裏切り、色んな試練を経て、最後の!心を鎧化して完全武装した白塗りのエリザベス女王の姿は、衝撃的だった!

今度は最初から、その完全武装した女王である。
それゆえに前作より話は起伏にとんでいないものの、逆境にあったイギリスをばりばり重戦車のように率いる女王は、より威厳があり迫力がある。私は、テンション上がりまくり。これは、ケイト・ブランシェットの映画だ。

しかも、この状況も(細かい解釈は違うだろうが)史実であり、エリザベスを取り巻くキャラも歴史上の人物とは、いやはや、歴史は面白い。
あらためて、この時期の小説や映画を、また見たい気になった。
スペインの無敵艦隊の話は、その昔"青池保子"のマンガで読んだなぁ~(笑)
エリザベス1世の母アン・ブリンの話は『1000日のアン』で映画になっている。
ヘンリ-8世、酷い男だった...。エリザベス、生まれた時から苛烈な人生である。
TVドラマでは、ヘレンミレンの『エリザベス1世』のDVDがレンタル店にあった。ちなみに、レスター伯ロバート・ダドリーはジェレミー・アイアンズが演じている。他にもたくさん。興味の尽きない時代である。

エリザ5.jpg メアリーは、女性的でもっと美しい人だと思っていた...(映画では...d001
しかし、宗教も相続も含め、エリザベスとはなんと因縁の女性だろうか...。

ベスも実在の人物だったのですね。
ベスを演じたアビー・コーニッシュは、誠実さと美しさがあり、魅力的。
鳥籠のような宮廷暮らしで、大海原を駆け抜ける一陣の風のようなローリー(クライブ・オーウェン)に惹かれたのも、わかるような気がする。



エリザ6.jpg最近、2次元において女子高生が日本刀を持ったり鉈を持ったり、はたまた最終兵器彼女などは何と戦闘しているのか?そういえば、今でもよくわからない。必然性のないシュチュエーションながら闘う女性が眼につく今日この頃(笑)
しかぁし!この女王の甲冑姿はカッコいいうえ、この姿であることの何という必然性!もう、惚れ惚れしてしまいました。

世界史に色んな女王はあれども、エリザベス1世は賢明であり『妻ならぬゆえ、主人は持たず。母ならぬゆえ、わが民の母なり』と、毅然として英国を守り抜いた。
英国の人々に、特別な感慨と敬愛される存在なのだろう。
何度も何度も、映画や小説にしても飽きない素材なのだろうと、思う。


この映画のケイト・ブランシェットの『エリザベス』はタフでエレガントでエキセレント!
もう、エリザベス女王というと、彼女しか考えられません。
ケイト・ブランシェットの『エリザベス』を観れただけでも、満足でした!


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俺たちフィギュアスケーター/BLADES OF GLORY
2007年12月30日 (日) | 編集 |
BL風に仕上げてみました。でへでへ。
『そして氷上でささやいて』というか、チャズだと『そして氷上で吠えないで』といったところでしょうか(笑)

俺たち533.jpg

初日(22日)に行ったので(その割に放置...)映画会社の宣伝マンが2人、フィギュアの衣装と金髪かつらを付けて、ロビーでサービス撮影してました。
どちらもウィル・フェレルの体型だったので(残念)生憎、写真は撮っていない(笑)が、この作品をプッシュする熱い気持ちは、伝わってきました。
これ、本当は即DVD化されるはずだった映画でしょう?
でも、年末に『全日本フィギュア』もあるし、最近の日本選手の層の厚さも加わって、フィギュア人気も高まっているから、タイムリーな作品です。

この映画を観ていると"フィギュア"という競技が如何に大変か、また、この映画の劇場公開に漕ぎ着けるまでの奮闘が、前説の宣伝マンの口調に表れていて、いやはや大変だなぁ~、と思ってしまいました。
まっ、映画を観たら、こんなしみじみとした感慨はぶっ飛んで、ただただバカ笑いしてるだけでしたけどね、たはは。
『チームアメリカ』や『ボラット』のような下ネタ系バカバカしさを面白がる人には、最適の映画です。
しかも、前述の2作品よりもお下劣ではなく、スポーツと芸術の混じった"フィギュア"という分野で、ひたすら努力し頂点を目指す姿勢に、うっかりカンドーまでしてしまいます。


俺たち25.jpgチャズ役のウィル・フェレルは、暑苦しくてウザいのですが、憎めないうえ惹かれてしまいます(笑)さすが野獣系プレイボーイ。

ジミー役のジョン・ヘダー...『バス男』を観た人なら、あのだらしない顎や締まりのない口元から垂れる脱力系トークを思い出してノレないでしょうが、パステル調の私服もルンルンに着こなしていて、そこそこ何とか可愛く見えます(笑)


袖が孔雀(オカマの意味もある)になっている華麗な衣装で繊細に踊るジミーと、ワイルドでセクシーで暴走気味なチャズ、この正反対のキャラでペアを組んで特訓につぐ特訓。

リフトも笑えるし『あしたのジョー』のクロスカウンター的フィニッシュも、痛そうで素敵(笑)

最後の滑りシーンでは、一瞬『カッコいい!!』とマジに思ってしまいましたよ~!

ジミーは、チャズに"キス"まで教えてもらっているので、どうせなら2人くっ付いてほしかったデス(笑)

日本スケート連盟の推薦はもらえなかったそうですが、当管理人(気ムラ屋あん)は推薦したい、と思います(笑)

笑い納めにも笑い始めにも、良い映画です。


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アイ・アム・レジェンド/I AM LEGEND
2007年12月15日 (土) | 編集 |
身体能力が凄いゾンビなんて、反則だ~!

ウイル510.jpg

ウィル・スミスは好きなのに、描くのは苦手な管理人です。坊主頭とブラックメンは、描き難い...。

最初からネタバレします。
私の近くに、2~3才位の子を連れた若夫婦が坐ったのですが、終始、お子がグズるんです(涙)
それも当たり前、幼児が観るには、こ、怖いやん!(わ、私は平気だけど)
或る意味、ホラーですもの...。

日が落ちると、わらわらと涌いて出て来るゾンビ?!いや、小綺麗でちょっとお洒落なゾンビだし、粘着感がある”ぐちゃ”とか”べと~”とした効果音も、血みどろも見せず、ホラー物というよりSF物だというすっきりしたクールさがあるものの...幼児が大人しく観るのには、無理っ!でしょうね。
『シュレック』のトコで笑えと言うの?今日は夜泣きするんじゃないの...と、私も心で泣きながら、映画を観ました(笑)

この夫婦『アイ・アム・レジェンド』がどういう映画なのか、リサーチ不足でしたね。
実をいうと、私も『えっ!こういう映画だったのか!』と初めて知ったんです。たはは。
相変わらず、ですけど。

『地球最後の男』('64)『地球最後の男 オメガマン』('71)と3度目の映画化なんですね。
原作は、リチャード・マシスンの『地球最後の男』(I AM LEGEND)
この原作が出版された1954年には、画期的なアイデアのSFだったと思うのですが、少々使い古された素材となってしまいました。
だって、今年でさえゾンビ物は何本あったでしょうか。
ハリウッドって、ゾンビ好きだなぁ~。

ウイル2511.jpgほとんど、ウィル・スミスの一人芝居なんですが、意外と引き込まれて観てしまいました。

或る医師が作った新薬のせいでウィルス感染し、人類は滅亡の危機に。
他の生存者を探し、3年間、無線でメッセージを送り続ける、1人だけ残された科学者ロバート・ネビル。唯一の話し相手は、愛犬サム。


このシェパード、お利口なの。大型犬って、表情がよく出て、存在感がある~。
ウィル・スミスの娘ウィローも、まんま”娘役マーリー”で出てましたけど、仔犬のサムのほうが可愛かったかな(笑)

『幸せのちから』で5キロ太って、しょぼいお父さんらしさを出したウィル・スミスですが、この映画では、体を絞り込んで精悍でした。顔が小さくてスタイルが良くて、敏捷な動きが綺麗だなぁ~、と。

おちゃらけているウィル・スミスも好きですが、あぁ、いつのまに演技派になっちゃいましたね~。
しみじみ...です。ウィル・スミス、頑張っていました。

私はフランシス・ローレンス監督の『コンスタンティン』割合、好きでした(笑)
DVDレンタルして観るには、丁度よい感じで。
この映画も飽きずに観れるし、時間も短い(100分)ただ、感動ー!するには、いま少し...かな。

今週、大手シネコンでは観たいのは、これだけ。ウィル・スミスと犬を観たかったから(笑)
あとは、単館系をぼちぼち回りたい。

この映画を映画館で観るべきかどうかは、微妙...。
えっ、私ですか?私は、ウィル・スミスと犬が好きだから(笑)


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エディット・ピアフ 愛の讃歌
2007年10月02日 (火) | 編集 |
あなたの燃える手で、あたしを抱きしめて...

ピアフ460.jpg


越路吹雪の『愛の讃歌』の生みの親がエディット・ピアフである、という事くらいしか知らない。

そして、この『愛の讃歌』がピアフが最も愛した男マルセルが飛行機事故で亡くなった後に、歌われたなんて。

マルセル役のジャン=マルセル・マルタンスは、全然知らない俳優さんであるが、大きくてゆったりとして 眼が優しい美丈夫。
(褒めちぎっちゃったw目が優しい男の人って素敵。でも描き難くて、何だかハレークイン本の表紙みたいになってしまった...)
マルセルは、ボクサーで妻子持ち...不倫の恋である。でも、2人の恋は、子供のように微笑ましい。

映画ではマルセルの事故死を聞いたピアフ(マリオン・コティヤール)がショックで、ふらふらと廊下に彷徨い、ドアを開けた先が舞台で...というシークエンスがとても印象的!
ここでの『愛の讃歌』は、涙無しでは聴けないけれど、ステージシーンでの『愛の讃歌』も聴きたかったなぁ~!
ステージでの歌は、マレーネ・デートリッヒも感激した『バラ色の人生』や歌ってる途中パタンと倒れた『パダン・パダン』や ”いいえ、私は何も後悔してない”と歌う『水に流して』などの歌も、耳に残る。歌、聴けただけで、幸せ。

幼い頃、エディット・ピアフが預けられた娼家で、どことなく病的ではあったが娼婦たちから愛情をもらい、父からもささやかな愛を感じた一瞬もあった...。
愛と共に生きて、愛を歌ったエディット・ピアフ。

しかし、ピアフという女性の人間像と私生活を見ると、こういう天才の周囲の人達も修羅場ですね。
ピアフをやったマリオンは、私は『プロバァンス』を観ていないので『TAXI』の女優さんとしてしか認識してないが、いやはや、この役、大変だったろうな...。
きっと、一皮剥けたことでしょう。


ピアフ3463.jpg

ついつい、欲しくなって
CD、買いました。
2枚組で3670円。
資料のためにパンフも買ったので、結構出費...。

少しノイズが入ってるところが、雰囲気あるぅ~。
恋する(恋してないけどw)秋に聴くのにぴったり...
少しドラマティックになったり...メランコリーになったり。



でもね、でもね、大音量で聴いても...映画でエディット・ピアフ(マリオン・コティヤール)が舞台で歌っている時のほうが、ずっと、じーん!とする。歌だけで、泣けて泣けて...。

映画は ”エディット・ピアフ”の吹替で聴けて、本当に良かった!と思います。
そしてBGMとして使われている時より、ピアフ役のマリオンが彼女の体つきや立ち居振る舞い、息づかいを再現してのステージシーンのほうが感動的です。
映画のストーリーは、ピアフの私生活や晩年の光と影のを映し出し、影の部分もまたヒドく濃い。
晩年(47歳で死去)の姿が何度もカットバックされ、観ていて辛い場面もしばしば。

それらを全部ひっくるめて、この映画はエディット・ピアフの歌が一番ドラマティックで素敵でした。

フランスの人達にとっても、きっとピアフは特別なはず。
ピアフのエキセントリックでスキャンダラスな人生もひっくるめて、彼女の歌を愛しているんでしょうね。

聴けて、良かった!

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『アポカリプト』観たー!
2007年06月17日 (日) | 編集 |
走れ!マヤ帝国軍から黒いジャガーから”恐れ”から、走り抜けろ!!

メルギブ328.jpg


ビビリのくせして ”R-15”の映画が続いています。ぎゃあ!
今度の映画も凄いです。アドレナリンもドーパミンも、出まくりMAX!
予算の大部分を私費を投じて、メル・ギブソンが好きなように作ったすさまじい映画です。

前作『パッション』は、ショック死した観客がいるとか。心して、観なければなりません。
今回、体調を整えて、気をしっかり持って挑みました。

あの~ちなみに、ウチの犬は苦手な雷が鳴ると、犬小屋の一番奥にピッチリ貼り付いて震えております。ウチの犬小屋は”豪邸”じゃないので、奥行きなんぞ全然っ無いのですが、出来るだけ、気持ち、奥へ(笑)
私も出来るだけ座席の上を、これ以上ないほど、後ずさりして、肘掛けにしがみついて観てました。

主人公のジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)の部族は、種無し男が揶揄されても、皆で大笑いしたりする穏やかな村です。みんな夫婦仲も良く、夜には長老の言葉に耳を傾ける平和な村。そこに、マヤ帝国の傭兵が襲い、主人公達は苦難の連続。

もう目が離せません。
出演者たちは『300』ほどのスタイリッシュな腹筋は無く、お腹がほのかに出てる者もいて生活感があるものの、みな鋼のように引き締まった体です。本物のネイティブ・アメリカンが出演しているもんだから、共通言語もマヤ語?!演技経験も初めて?!
でも、怖くて痛い状況がひっきりなしに襲って来るので、どこまで演技なのか?もうリアルでした。

マヤ帝国の傭兵たちも、骨や棒でとんでもないトコをピアッシングして、入れ墨だらけ、一目で描けないような奇抜な髪型...これらから、彼等が想像もつかない異文化の民であり、彼等がやる行動は思いもつきません。次々と起こる出来事に、私は予想がつきませんでした。
もう、残酷と驚きのジェットコースターに飛び乗った気分です。

呪詛のような神託を喋る小さな女の子。
トウモロコシ畑を抜け出した後の、驚愕する風景...。

主人公ジャガー・パウが走り続け、生き抜いた先には、愛する妻が待っていました...。

CG処理されず洗練されてないリアルなアクションの連続に、心臓がどっくんどっくん掴み出されます。
この映画、ぜひ映画館で観ていただきたい。

マヤ文明の崩壊前夜、とにかくおそろしく絶体絶命!という状況の主人公、観たことの無い世界に、衝撃と...ん~あと何というか、官能さえも感じます。
日頃、生ぬる~い日常に『喝っ!』を入れてくれる映画です。

原始的な生命力の強さを、感じました。

この映画も、すごく好き嫌いが分かれることでしょうね。
気の弱い人にはお薦め出来ませんっ。私は、平気だったんですけど。おほほ。


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あるスキャンダルの覚え書き
2007年06月09日 (土) | 編集 |
バーバラのシーバへの視線、まるで”恋”をしているかのよう...。いや、これは”恋”?

デンチ322.jpg

このシュチュエーション、考えてなかった。うわ~、考えるだに、おぞましい。
『ベニスに死す』のように、初老の男が美少年に懸想するのはOK。
若い男同士なら、もっとOK(笑)
しかし、老女から若い女への、並々ならぬ執着心...う~ん、考えたくなかったので、虚をつかれた。
でも、嫌だ嫌だと思いつつ、眼がそらせない...。ジュディ・デンチの怖いこと...(顔も)

ロンドン郊外の公立学校で、歴史を教えるバーバラ(ジュディ・デンチ)...。
『労働者階級の子供たちに、どうせ教えても、将来は配管工...。他校より平均以下の成績であろうとも、問題ない』と授業改善のレポートも1枚しか出さない傲岸さと、容赦のない物言いに、同僚の教師からも疎まれる存在。
かたや、新任のシーバ(ケイト・ブランシェット)は、妖精のようにスラリとして美しく、屈託の無い優しい性格が、皆の関心を集めている。

バーバラがシーバに寄せる執着愛の中に ”性愛”は含まれていた、と私は考える。
ただ、バーバラは男にも女にも愛でられたことが無い体であり、好きな人にどうしていいのか、為す術もないのだ、と思う。
ただ、シーバの手をカサついたシワだらけの手でねっとり撫でるだけ 、なのだ。
あまりに今までの孤独な生活の為、他人に愛されたこともなければ、愛し方も分からない。
いっそのこと、支配して、完全に自分のものにしたい、と思う。好きになったものに、依存していく。実行力も押しの強さもあり、好きになられたほうは、たまらない。

シーバ役のケイト・ブランシェットも『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフの次に、美しく見える。そして、美しいけど愚か。
甘いゆえに、バーバラにもスティーヴン君にも、つけいる隙を与えている。
一見、何の不自由も無いブルジョア家庭の主婦兼教師を、ふわ~と所在なげに演じている。

シーバの相手のスティーヴン君...まだ少年、まだ子供...だろうか?
世間知らずでお嬢様育ちのシーバをオトす、といった感のアプローチぶり。
目つき顔つき口ぶりから、美しい先生に対するピュアな恋というより、発情期ピークの少年といった面が強い。このスティーヴン君、あまり好きなタイプじゃなくて、残念(笑)
もう少し、セクシーか、美少年だったら、良かったのに...。

シーバが家庭の悩みや窒息感があったとしても、さして魅力が無いこういう男の子に、やすやすと何故??と思う。説得力が無いような...。ところがどっこい、シーバには実在のモデルが...。
小学校教師メアリー・ケイ・ルトーノ。当時35歳で4人の子持ちでありながら、13歳の教え子と関係を持ち、その後2人も出産し、結婚。知り合った時は、教え子は11歳だった、という。
驚いた!なんと、現実の方が、小説や映画をはるかに凌駕している。...とすれば、シーバとスティヴン君の関係はあり、なのか...。

シーバの、父親ほどに年が離れたサエない夫、リチャーズ...演じるは、ビル・ナイ。
『ラブ・アクチュアリー』では、年取ったロックンローラー役をやっていた。
良いマネージャーと良いクリスマスを、しみじみとおくっていたね...。
また『パイレーツ・オブ・カリビアン』のタコ男、デイビー・ジョーンズなのだ!
今度の『3』で素顔をチラっと見せ、思ったより優しい目つき(笑)
この映画でも最後に、ドアを開けた時の目は優しかった...。

最近、私は、ひそかにタコ男ビル・ナイのファンです...。

シーバのその後はあっけなく、現実のメアリー事件ほど劇的ではない...。
主役は、あくまでバーバラ(ジュディー・デンチ)だからだろうか?

ジュディ・デンチのあまりにも辛辣な語り口が、ばしばしっと気持ちいい。

若い女も中高年の女も、壊れていくのを書かせたら、右に出る者がいない”桐野夏生”が好きな貴女にお薦めの映画です。
私がこの映画を好きなのは、多分私も壊れかけている女だから...かも...。
心理劇で地味な映画だけど、ジュディ・デンチの熱演が観れて、満足!

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明日、君がいない
2007年05月23日 (水) | 編集 |
時々、心に突き刺さってくる映画があります。これは、そんな映画です。

明日306.jpg

今、カンヌで、松っちゃんとかたけしとか、キムタク、慎吾ちゃんが行って、マスコミを賑わしていますが、さてさて成果は如何だったでしょうか?

この映画は、昨年(2006)のカンヌ国際映画祭『ある視点』部門で話題を読んだ作品です。
監督は、22歳のインド系オーストラリア移民であるムラーリ・K・タルリ。
脚本を書き始めたのは、なんと!19歳。
親友の自殺に衝撃を受け、自身も様々な理由で自殺未遂を起こし『もし、生きながらえたら、映画を撮ろう』と2年の歳月をかけて作ったのが、この映画。
その時役に立ったのが、レオナルド・ディカプリオ主演映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の原作だそうです。
ムラリーは言う『やりたいことがあるなら、人を騙してでも行動しろって学んだんだ(笑)死にたいって思う前に僕の映画とこの本を読んで欲しい』

映画自体は、観たら死にたくなります...。いや、そのくらい、重い...。
でも、この映画を初監督作品として完成させたムラリーの事を思うと、励まされます。


明日3309.jpg原題は『2:37』なんていう素っ気なさ。
午後2時37分に、誰かが自殺する...。
みんな、若さがまぶしい高校生なのに、深い悩みと哀しみを抱えている。
モノクロのモノローグで、それぞれのキャラをあぶり出す。
不満、とまどい、憧れ、嫌悪..表情と眼に、思春期の動揺が伝わってくる。
家族との確執、悩み、性癖、自分の障害、そして将来の夢....。
障害を持つ男の子の、サッカー中継を夢見てアナウンスしているところは、ひどく切なかった...。
最初のそれぞれのエピソードが、最後には思いがけない事実へと繋がってゆく。
同じ場面を、何度も何度も、違う人物で違う視点で、追う。
そして、分かってくる真実、秘密...。


いったい、誰が死ぬの?というサスペンスとしても、ストーリーが良く出来ています。

自殺したコは『何で?このコが?』というコ。
理由もこのコのエピソードも、あっけないので、まさか...分からなかった。
観ている私達には、このコの自殺した理由は分かっている。
でも、映画の高校のコたちには分からない。
自殺した原因を作ったコにも、もちろん分からない。
『悩んでると知っていたら、何か力になれたのに』と答えている...この原因のコ、最低...。
自分の事しか考えていない。
もっとも、みんな自分の事しか考えられない季節の中で、恋や性に悩んで自分の事しか見えない。

やばい、すごく涙が流れました。

願わくは、映画の中の高校生達がこの同級生の死をきっかけに、もっと生を大事にしてくれますように。

この映画がかかっている館が少ないので、見逃した人も多いかと思います。
シリアスでセンシティブな内容だけど、興味を持った方はDVDでもいいから、ぜひ観てほしいです。
”創る”という行為において『自分はこれが表現したいんだ』という想いは、こんなにも強い印象を残すんだ、ということに、新鮮な驚きを感じました。ムラーリ監督に感動。

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『あるいは裏切りという名の犬』これぞフレンチ・ノワール!
2007年02月11日 (日) | 編集 |
或は裏切り164.jpg

この映画は、色で言うと、時々散らばる

ひたすら続く黒い闇の中で、蠢く陰謀と策略。その中で、どろりと流れる血。
そして夫婦の濃密な深い愛情、復讐に燃える心の赤い炎、ずっと暖かく燃え続けていた父娘の愛情。

あまり多くを語らない”行間を読め”タイプの男っぽい映画なので、これだけは先に頭に入れておいた方がいいかも。主人公レオ(ダニエル・オートゥイュ)の仲間と、レオの妻ミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)について...だ。

最初のシーンなどは、私はボォ~と観ていて、よく分からなくて、パンフを見て『あぁ、そうだったんだ』と初めて気付いたから。

或はBRI166.jpg映画の始めに...バイクの2人乗りが”オルフェーヴル河岸36番地”の街頭標識を盗む。

それと同時期に、バーの老マダムがギャングの激しい暴行に合う。

私は、このギャング達は同じグループだと思っていたが、違っていた。

前者は、なんと警官(そのうち1人はティティ)で、退職間近の警部エディ(ダニエル・デュバル)に標識をプレゼントする(そこの所轄だったのだろう)
部下のティティ(フランシス・ルノー)は、この退職間近のエディ警部を敬愛していて、自分の詩を朗読して彼に捧げるほどだ。

後者は、最後まで関り合う事になるギャングの兄弟。

警察とギャング...この2つのグループが見分けがつかないのは、同じような服(黒い革ジャン)を着て、同じような行動(警察もギャングも紙一重。やる事は、汚く荒っぽい)を取っているから。

そして、カミーユは、かってレオとドニ(ジェラール・ドパルデュー)に愛されていて、彼女はレオを選んだ。

その時から2人の間には亀裂が入り、今は次期長官候補のライバル同士。
お互いが率いるBRI(探索出動班)とBRB(強盗鎮圧班)の部署まで、対立していた...。

主人公レオと宿敵ドニ、エディ警部と部下のティティ、カミーユの運命の歯車は、ギ、ギ、ギィと動き出す...。

これらの事を頭に入れて、後は息もつかさない緊迫感と最後まであっと驚く結末に、身を委ねて欲しい。

或は女165.jpg


私は、戦争映画も犯罪(ノワール)映画も、好きではない。
この映画も暗くて硬質で、始まってからずっと暴力と重い打撃音が続き、私には苦手と思いつつ、観ていると、だんだん惹き込まれていく...。

この映画は、はっきり言って、あまり綺麗な人は出て来ない。シワだらけで肌も体も綺麗じゃない人ばかり出て来る。なのになのに、驚いた事に、その存在も言葉もセクシー。
レオを慕う元娼婦のバーの老マダム。
レオに信頼を寄せるBRIの仲間達。
お互いを思いやり愛し合う希有な夫婦、レオとカミーユ。
大人の男と女の色気が、映画から香ってくる。
また、決まりすぎるぐらいの台詞の数々、久々に映画の中で聞いた。

この物語の決着に、残酷であっても、私は納得した。私は、時々、残酷さを愛する...。

レオの娘は美しく成長して、17歳になっていた(ダニエル・オートゥイユの実の娘!目と眉が近いところと鼻がパパに似ている~)
唯一、輝くばかりの若さのローラ。彼女の存在は、この映画の救いでもある。

この映画は『ディパーテッド』のずっと前に観ていた。
『ディパーテッド』に凄みを感じられなかったのは、『インファナル・アフェア』を観ただけでなく、この映画を観たせいでもある。
結末は『ディパーテッド』の”そして誰もいなくなった”の方が、徹底して救いが無い。
出て来る人達の浅ましい荒廃ぶり...考えたら『ディパーテッド』の誰もが、私は好感が持てなかった。ビリー(ディカプリオ)や女医さんまで、あまり好きではなかった。

ところが、この映画の圧倒的悪役のはずのドニさえも、もちろん嫌いではあるが、何て言おうか...気になるキャラクターをしているのだ。
おろおろと、自分の不始末がどうなるのか?としか、考えてない。
自分が汚い手を使ってレオを陥れたくせに、彼の妻カミーユに『困ったことがあったら、相談にのるから』と言い寄る。別れた女が、なびくとでも思っているのか...。
葬式にも、自分は悪くないと思っているから、しゃあしゃあとした態度で居る。
思慮の足りない大きな子供のようだ。しかも、自分でどうしていいか分からないような悲しげな目をした大きな子供だ...。

荒っぽくて、残酷で、美意識が感じられる贅肉の無いストーリー...犯罪サスペンス映画として逸品だと思います。




ちなみに、銀座テアトルシネマで、9:00のモーニングショーのみ、3/2までやっています。
次の時間帯は『世界最速のインディアン』です。すごく、おススメ。



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